「犬が急に餌を食べなくなった」という悩みは多くの飼い主が経験するのではないでしょうか。そして、そんな時にどうしたらよいのか分からないことも多いと思います。
そこで今回は、「犬が餌を食べない理由とその対処法」についてまとめてみました。愛犬が餌を食べなくなってしまった時の参考にどうぞ!
犬が餌を食べない原因と対策
この項では犬が餌を食べてくれない原因と、それに対する対策について解説していきたいと思います。
おやつの与えすぎ
おやつはよいにおいがするため犬は大好きですが、いくら欲しがるからといって、与えすぎるのはよくありません。おやつを与えすぎてしまうと栄養が偏ってしまいます。特に塩分が過剰になることが多いでしょう。
また、おやつばかりを食べていると食にもわがままになってしまい、ドッグフードを食べてくれなくなるかもしれません。一度普段のフードを食べなくなってしまうと、戻すのは大変です。
おやつはできるだけ少量を与えるようにしましょう。
人間の食べ物を与えている
昔は犬に人間の食べ物を与えるのが普通でしたし、犬は人間が食べているものを魅力的に感じて欲しがることがあると思います。そのため、犬に人間の食べ物を与えてしまう人は一定数いると思いますが、これは2つの意味でよいことではありません。
まず1つ目に、人間の食べ物には玉ねぎ、香辛料など犬にとって有害なものが含まれていることが多く、味付けも濃いので塩分などのとりすぎになってしまい、犬にさまざまなよくない影響を与えてしまいます。
2つ目に、人間の食べ物の味に慣れてしまうと味気ないドッグフードを食べなくなってしまい、犬に栄養バランスを保つのが困難になってしまいます。
犬が人間の食べ物に慣れてしまってドッグフードを食べてくれない場合、心を鬼にして絶対に人間のごはんをあげないでいる必要があります。もし根負けしてあげてしまうと、おねだりすれば人間の食べ物をくれるのだと学習してしまうからです。
犬にはドッグフードだけを出し、人間の食べ物は与えないようにすると、はじめはドッグフードに見向きもしないかもしれません。しかし、健康な犬ならしばらく何も食べなくても大丈夫なのでじっとがまんしましょう。
そして、犬がドッグフードを食べてくれたら、思いっきりほめてあげましょう。このようにすれば、犬も飼い主にほめられたいと思ってドッグフードを食べてくれるようになります。
合わせてドッグフードの中でも好きなものを探したり、トッピングやふりかけなどを工夫したりすると、食べてくれる確率はもっと上がるでしょう。
しつけがうまくいってない
しつけがうまくいっていないと犬がわがままになってしまい、ドッグフードを食べてくれないかもしれません。たとえば、愛犬がドッグフードを食べてくれなかった場合、ドッグフードをそのまま出しっぱなしにしてしまう人が多いのではないでしょうか。
そうすると犬は賢いですから「今はおなか減ってないし、後で食べよう」と考えてしまいます。ドッグフードを長い間出していると鮮度が落ちてしまいます。特に夏場は傷んでしまうこともあるので、長時間出しっぱなしにしてしまうのはよくありません。
食べる気配がなければ、20~30分程度様子を見て下げてしまいましょう。これを続ければあげたタイミングで食べてくれるようになることでしょう。
ストレス
犬は大きなストレスを感じるとごはんを食べなくなってしまう場合があります。ストレスの原因はさまざまです。たとえば、以下のようなことがストレス源になります。
- よく叱っていてほめが少ない
- 留守番時間が増えている
- 引っ越しがあった
普段からよく観察していると、ごはんを食べなくなる時の共通点からストレス源を明らかにすることができるでしょう。
ドッグフードがおいしくない/あきている
ドッグフードは食べないものの、好物やおやつは食べ、普段と様子が変わらない場合にはドッグフードがおいしくないと感じていたり、あきていたりする場合があります。
ちなみに、「おいしい」は「味」「におい」「食感」などの要素に分類することができます。犬は嗅覚がとても敏感なので「におい」に敏感で、おいしそうなにおいだと食欲が湧いてきます。一方、味覚は鈍感なので、「味」はそこまで重要ではありません。
そのため、愛犬にドライフード(いわゆるカリカリ)を与えている場合、水でふやかしたり、ウェットフードに変更したりするとにおいが強くなり、食べてくれる場合があります。
ウェットフードはカナガンがおすすめ
ウェットフードにはさまざまな種類がありますが、その中でもカナガンは特におすすめできます。
ウェットフードには保存料などの添加物が含まれていることがとても多いのですが、カナガンドッグフードチキン ウェットタイプには合成ビタミンと合成ミネラル以外の添加物が含まれていません。
栄養もしっかり整っていて、トッピングとしてだけではなく、主食としても用いることができます。
チキンの生肉が65%も含まれているため、食い付きにも定評があるドッグフードです。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
ヒート(生理)
ヒートの前後の犬は食欲がなくなることがあります。また、ヒート前後のメスと一緒にいたオスも興奮して食欲がなくなってしまう可能性があります。
ヒートが原因でフードを食べてくれない場合は時間が解決してくれるため、特に対策を行う必要はありません。
病気
いままで普通に食べていたのに、急に食べなくなってしまった場合、愛犬が病気にかかっている可能性があります。以下のような症状があった場合には何らかの病気にかかっていると疑ったほうがいいでしょう。
- 水を飲まない
- 元気がない
- 下痢や嘔吐がある
- 発熱がある
- 痙攣する
これらの異変に気づくためには、普段から愛犬のことをよくみておくことが大切です。病気で餌を食べなくなってしまった場合には、動物病院へ連れて行くようにしましょう。
なお、餌を食べなくなることが多い病気は以下のとおりです。それぞれ見ていきましょう。
風邪など
犬が風邪にかかっていて鼻水やくしゃみ、せきなどがあるとフードのニオイがわかりにくくなってしまい、食欲がなくなってしまうことがあります。
熱が出たりして感染が進むと、さらに食欲がなくなるでしょう。
胃腸炎
胃腸炎は胃や腸に炎症が起こってしまう病気です。胃腸炎になると吐き気や嘔吐、下痢などの症状が起こり、食欲がなくなってしまいます。
口内炎/歯周病
口内炎とは、口の中の粘膜が炎症を起こしてただれて傷んでしまう病気です。歯周病は歯垢や歯石が歯などにたまってしまうと起こります。歯垢や歯石は細菌のかたまりなので、毒素を出し、口内環境を悪化させます。
これらの原因で口の中の環境が悪くなってしまうと、餌を食べると痛むようになり、餌を食べなくなってしまいます。
腎不全
腎不全とは腎機能が低下して老廃物の排出や必要な栄養素や水分の再吸収などがしにくくなってしまう病気です。目に見える症状が出る頃には、腎機能の75%は失われていると言われています。
腎不全になると尿毒症という老廃物が体内にたまる状態になってしまい、吐き気が起こって食欲がなくなってしまいます。
腎不全は放置すると命にかかわる病気なので、すぐに病院へ連れて行くようにしましょう。
膀胱炎
膀胱炎は膀胱に炎症が起こってしまう病気です。膀胱炎になると膀胱の壁が厚くなってしまい、残尿感が強くなります。ひどい場合には膀胱から出血することもあります。
膀胱炎では症状が進むと排尿時の痛みが激しくなったり、残尿感から何度も排尿姿勢を取るようになったりしてしまい、痛みや違和感から食欲が低下してしまいます。
回虫症
回虫症は回虫という寄生虫が消化管に寄生して起こります。母犬から胎盤や母乳を通じて子犬に感染したり、フンに含まれる回虫の卵を食べてしまって感染したりします。
回虫が寄生してしまうと回虫が栄養を横取りしてしまうので、餌をきちんと食べているのにやせてきたりします。回虫症でも食欲不振が起こることがあります。
肝炎
肝炎は肝機能が低下してしまう病気です。肝臓には老廃物のうち有毒なものを解毒する役割があるのですが、この機能がうまく果たされなくなってしまうのです。
そうなると有害な物質が体内に増えてしまい、食欲不振、嘔吐、痙攣などが起こってしまいます。
膵炎
膵炎は膵液という膵臓から分泌される消化液が膵臓自体を溶かしてしまい、炎症を起こしてしまう病気です。膵臓は3大栄養素をすべて消化できる膵液を分泌しており、通常は膵臓内では消化の働きが起こらないようになっています。
しかし、膵炎になると膵臓内で消化の働きが起こるようになってしまい、膵臓を溶かしてしまうのです。犬が膵炎になると嘔吐を繰り返す、激しい腹痛が起こる、食欲不振になる、などの症状が出てきます。
まとめ
犬は餌を食べてくれない理由には、以下のようなものが考えられます。
- おやつの与えすぎ
- 人間の食べ物を与えている
- ストレス
- ドッグフードがおいしくない/あきている
- ヒート(生理)
- 病気
病気の場合には動物病院へ連れて行くようにしましょう。ストレスの場合にはストレス源を取り除く努力をし、ドッグフードがおいしくない/あきている場合には水でふやかしたりウェットフードを与えたりするといいでしょう。
おやつを与えすぎている場合にはおやつの量を最小限にし、人間の食べ物を与えている場合には人間の食べ物を絶対に与えないようにしましょう。ヒート(生理)の場合には対策を行わなくても時間が解決してくれます。