愛犬にソルビトールが含まれているドッグフードを与えるべきではありません。
ソルビトールは安いドッグフードの添加物として用いられています。そして、危険性は広く知られていると思いますが、その理由まで知っている人はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にソルビトールを与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
下痢の原因になり、遺伝子組み換え食品が使われているかも
ソルビトールは甘味料として使われている糖アルコールの一種です。
安全性は高いと言われていますが、とりすぎると下痢の原因になる可能性があるほか、遺伝子組み換え食品が使用されている可能性もあります。
そもそも甘味料って何?
甘味料は文字通り、食品に甘い味をつけるために使用される添加物です。人間用の食品にももちろん使用されていますが、ドッグフードに使われていることもあります。
ちなみに、ドッグフードに甘味料を使用する目的は、人間より甘さに鈍感な犬でも感じられる甘さをつけ、食いつきをよくするためです。
いくらよい素材を使っていても、犬が食べてくれなくては売れないので、食いつきのよさはドッグフードにとって重要だと言えます。
ただ、犬の体に人工添加物は不要であり、添加物が入っていても食べる側に特にメリットはありません。そして、ドッグフードに甘味をつけたいのであれば、人工添加物ではなく、はちみつなどを使うべきです。
それ以上に、甘味をつけなくてもおいしい肉の味がすれば犬の食いつきはよくなります。
こんな背景がありながらドッグフードに人工的な甘味料が使用されるのは、人口甘味料のコストが安いからです。
そのため、人工的な甘味料が使用されているドッグフードは避けたほうがいいでしょう。
ソルビトールとは
ソルビトールは主に甘味料として使用されている糖アルコール(※)の一種です。ソルビットと呼ばれることもあります。
人工的な添加物ではありますが、りんごやプラムなどバラ科の植物にも含まれています。
ちなみに、ソルビトールはこれらの植物から採取することもできますが、それではコストがかかってしまうので別の方法がとられています。
具体的には、ジャガイモやトウモロコシなどのでんぷんとブドウ糖を使って人工的に作ります。
そして、砂糖の60%ほどの甘さなので、そこまで甘さは感じられないかもしれません。
カロリーも低いため、甘い味のダイエット用食品に使われていることも多くあります。そして、虫歯になりにくいという特徴もあります。
また、ソルビトールは溶けるときに熱を奪うため、清涼感を感じられます。そのため、ミントなどと相性がよく、ガムやアメなどによく用いられています。
そして、ソルビトールには保湿性もあります。そのため、豆や佃煮(つくだに)や生菓子に使用されることもあります。
また、冷凍のすり身に加えると冷凍でも品質が変わりにくいと言われています。そして、おにぎりがパサパサしないように加えられていることもあります。
また、ソルビトールは浸透性が高いので、これを食品に加えると味がよくしみこみます。そのため、煮物や漬物に含まれていることもあります。
このように、ソルビトールは便利なので、さまざまな食品に含まれています。
※糖アルコール
糖アルコールは糖質の一種です。
そして、糖質なので甘味が感じられるものが多いですが、ほかの糖質にはあまりない特徴も多く持っています。
具体的には、まず糖アルコールは熱や酸やアルコールに強いという特徴があります。そのため利便性が高く、さまざまな食品に含まれています。
また、糖アルコールは微生物の栄養源になりにくく、消化吸収されにくいという特徴も持っています。
ソルビトールの危険性
ソルビトールは比較的安全性の高い食品添加物です。
そのため、厚生労働省から人間の食品にも使用が許可されており、1日当たりの許容量は特に定められていません。
ただ、ソルビトールはとりすぎるとおなかが緩くなったり、腹痛や下痢が起こってしまったりする可能性があります。
また、特に糖尿病の犬は注意が必要です。ソルビトールは細胞の中にたまりやすい性質があるため、高血糖状態になっている犬は合併症を引き起こしてしまうかもしれません。
また、ソルビトールは先ほども説明した通り、比較的甘味が少ない甘味料です。そのため、少量では満足できず、より多く摂取したくなってしまう可能性があります。つまり、依存性があるのです。
これにより、ソルビトール入りのダイエット食品を食べていたが多く食べすぎてしまい、結局太ってしまう場合もあります。
また、ソルビトールには遺伝子組み換え食品が使われている可能性もあります。
ソルビトールは上でも解説した通り、ジャガイモやトウモロコシから製造されていることが多いですが、これらの原料は遺伝子組み換え食品かもしれないのです。
そもそも、食品を製造する会社は、原料の表示は義務付けられていますが、「原料の原料」の表示はしなくてもよいことになっています。
これにより、ソルビトールを製造するときに遺伝子組み換えのジャガイモやトウモロコシを使用していても、食品メーカーは「遺伝子組み換え食品を使用している」と表示しなくても済むのです。
ですので、ふつうのジャガイモやトウモロコシより安く手に入れることができる遺伝子組み換えのジャガイモやトウモロコシがソルビトールの製造に使われていると考えられています。
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