愛犬に大豆を与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
大豆はドッグフードに良く含まれていますが、犬にとって本当にいいものなのか気になっている人も多いと思います。大豆は広い意味では穀物の一種なので、犬にあげてもいいのか不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬に大豆を与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
大豆の効果効能
大豆には植物性たんぱく質をはじめ、必須アミノ酸、リノール酸、レシチン、サポニン、イソフラボンなどの成分が含まれています。特に植物性たんぱく質は豊富です。
また、コレステロールを下げる働きもあり、犬が健康体を維持するのに役立ってくれます。
そして、カロリーもそれほど高くないので、ダイエット食としても適してます。
大豆の栄養成分
大豆に含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
たんぱく質 | 33.8g |
カリウム | 1900㎎ |
食物繊維 | 17.9g |
ビタミンB1 | 0.71㎎ |
リノール酸 | 8800㎎ |
リン脂質(レシチン) | 2.0g |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。 ちなみに、たんぱく質は動物性たんぱく質と植物性たんぱく質に分けられますが、大豆は植物性たんぱく質の宝庫だと言えるでしょう。 カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。 食物繊維には腸内環境を整える作用があります➀たんぱく質
➁カリウム
➂食物繊維
➃リノール酸
リノール酸は食事から必ず摂取しなければならない成分です。コレステロール値を下げ血液をサラサラにする作用があります。ただ、摂取しすぎると逆効果になってしまうので注意が必要です。
➄リン脂質(レシチン)
レシチンは細胞膜の主成分です。細胞の働きを整え、犬の体を健康に保ちます。
➅サポニン
サポニンには体脂肪を減らす効果があります。また、動脈硬化やガンなどの病気を予防する効果もあります。
大豆の注意点
生の大豆に注意
犬に生の大豆を与えてはいけません。おなかを壊してしまいます。
生の大豆にはトリプシン・インヒビターという膵臓から分泌される消化酵素の働きを阻害する成分が含まれているからです。
トリプシン・インヒビターは加熱、発酵、熟成のどれかをすることで効果を失います。
アレルギーに注意!
大豆は比較的アレルゲンになりやすい食材です。そのため、大豆アレルギーには注意する必要があります。特に、シベリアンハスキー、アイリッシュセッター、シャーペイなどの犬種は大豆に対する耐性がなく、大豆アレルギーになりやすいので注意が必要です。
そして、大豆をはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。
また、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、大豆アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。
与えすぎに注意!
大豆にはさまざまな栄養分が含まれていますが、食べすぎは禁物です。なぜなら、大豆は犬にとって比較的消化に良くない食べ物だからです。一度に大量に食べると下痢や便秘の原因になることはあります。
また、大豆が腸に詰まってしまい、詰まった部分が壊死してしまう可能性もあります。大豆は一度に与えすぎないようにしましょう。
人間用に調理された大豆に注意
大豆は人間の食卓にあがることも多いため、人間が食べている大豆を愛犬が食べたそうにして見つめていることもあるかもしれません。
しかし、人間用に調理された煮豆、大豆の水煮などには糖分や塩分などが多く含まれています。そのため、犬に与えてしまうと糖分や塩分が過多になってしまいます。犬には味付けがされていない大豆やその加工品を与えるべきでしょう。
加工品についての詳細は「大豆の与え方」の項で解説したいと思います。
腎不全・肝不全がある犬には与えないで!
腎不全や肝不全がある犬には大豆を与えるべきではありません。
なぜなら、これらの病気の症状を悪化させてしまうことがあるからです。
大豆の与え方
大豆を犬に与えるときには柔らかく煮てからつぶして与えるのがおすすめです。
なぜなら、たとえ加熱した大豆であっても、そのまま与えると消化されずにそのまま出てきてしまうかもしれないからです。また。小さな犬の場合はのどに詰まらせてしまうかもしれません。
そして、1日あたり与える量は小型犬なら10粒、大型犬なら20粒くらいが目安です。
加工品について
大豆の場合、与えてはいけない加工品もありますが、与えるのをおすすめできる加工品もあります。それぞれ見ていきましょう。
豆腐
豆腐は柔らかいため消化しやすく、生でもないため犬が大豆を食べる手段としておすすめできます。
ただ、人間用に味付けされている豆腐は犬にとって塩分や糖分が多すぎるので、豆腐は何もつけずにそのまま与えましょう。しょうゆなどをかけてはいけません。
おから
大豆から豆腐を作る際、豆乳をしぼる工程があるのですが、おからはそのしぼりかすです。
おからには食物繊維が豊富に含まれており、やわらかいのでおすすめです。
ただ、生では与えず、加熱して水分を飛ばしてから与えるようにしましょう。
納豆
納豆は人間にとってもさまざまなよい効果がある食材ですが、犬に対してもよい食材です。
納豆にはたんぱく質、ビフィズス菌などが豊富であり、ビタミンB2、ビタミンE,マグネシウム、カルシウム、食物繊維などが含まれています。
小粒なものを選んだり、細かく砕いたりしてから与えるのがおすすめです。
ただ、タレやカラシや薬味などは犬にとって危険なので加えてはいけません。
また、いくら健康によいといっても、与えすぎてしまうと腸にガスがたまってしまうので適量を与えるようにしましょう。
ちなみに、納豆はあのネバネバが気になるという人も多いと思いますが、乾燥した納豆も売られています。これなら、犬が食べても口の周りがネバネバしにくく、おすすめです。
枝豆
犬は枝豆を食べても大丈夫です。ただ、人間が食べる時のように塩を振りかけると犬にとっては塩分過剰になってしまうので、塩を加えるのはやめましょう。
また、枝豆はさやから出し、さらにつぶしてから与えるのがおすすめです。
ミソ
ミソには塩分が多く含まれているので、犬に与えてはいけません。塩分のとりすぎになってしまいます。
節分の豆
節分の豆には大豆が使われていますが、犬がいるところで豆まきをすると、犬が食べてしまう場合も多いと思います。
節分の豆は炒ってあるため、基本的には犬が食べてしまっても問題ありません。しかし、炒った大豆は消化に悪いので、犬が大量に食べてしまう場合は、犬の前で節分の豆まきを行わないほうがいいと思います。
豆乳
豆乳は犬に与えても問題ありません。ただ、必ず無調整マークがついた豆乳を選ぶようにしましょう。無調整豆乳の場合、大豆を絞ったときの絞り汁がそのまま使われています。
一方、調整豆乳の場合、砂糖などの調味料が加えられている可能性があります。その場合には、犬に与えないようにしましょう。
醤油
醤油は犬へ絶対に与えないようにしましょう。醤油には多くの塩分が含まれており、人間でも飲むと危険なほどです。犬に必要な塩分は人間よりずっと少量なので、犬がしょうゆを摂取すると、塩分過剰になってしまいます。
そして、塩分過剰になると心臓や腎臓に負担をかけてしまい、生活習慣病などの原因になってしまう可能性もあります。
大豆油
大豆油は適量なら犬に与えても問題ありません。ちなみに、大豆油とは文字通り大豆からとれた油のことです。
そして、大豆油は約50%がリノール酸でできていますが、リノール酸にはコレステロール値を下げる作用があります。
ドッグフードに大豆が使われている理由
ドッグフードには大豆が含まれていることもあります。そして、大豆はたんぱく質源として入っている場合もあれば、かさましのために入っている場合もあります。
ドッグフードの原材料は量が多い順に記載されていますが、そこまで上位に記載されていない場合はあまり心配しなくて大丈夫です。しかし、これまでにも述べた通り、大豆は消化に悪い食材です。原材料の上位に大豆類が並んでいた場合、そのドッグフードを食べると消化に悪いかもしれません。
そして、原材料に「大豆」と書かれていればまだいいですが、「大豆ミール」「脱脂大豆」などと書かれていた場合は注意が必要です。
大豆ミールや脱脂大豆とは、大豆を加工した後に残る搾りかすのことです。栄養分が少ない上、消化もしにくいため、下痢などの消化不良を起こしたり、免疫力が低下したりする可能性があります。これらの原材料が含まれているドッグフードはおすすめできません。
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