ワンちゃんの皮膚に炎症が見られたり、食後すぐ食べたものを吐き出したり、最近軟便、下痢などの症状が見られた場合、体がアレルギー反応を起こしている可能性があります。
ワンちゃんに引き起こすアレルギー反応には、軽度のものから重度のものがあり、症状が重く、治療が遅れれば、命を落としてしまうこともあります。
このような事態を避けるためにも、ワンちゃんが持つアレルギーを把握しておく櫃夜があります。
アレルギーを把握するために木、かかりつけの動物病院で検査してもらうのがベストなわけですが、検査費用は人間が受けるものよりも高く設定されています。
今回は、犬のアレルギー検査の種類や検査結果が出るまでの期間、検査にかかる費用について解説して行きます。
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犬のアレルギー検査を受ける前にやること
ワンちゃんがどのようなアレルギーを持っているかを検査するために、動物病院や検査機関などでアレルギー検査を受診するわけですが、受診前にやっておくことがあります。
それが飼い主によるワンちゃんの健康観察です。
日頃の健康状態を記録しておけば、ワンちゃんが体調を崩した時の様子が詳細に伝えられるほか、治療がスムーズに進みます。
健康状態を記録するときは、5W1Hで記録していきましょう。
以下は、5W1Hで書き記す内容です。
- Who(誰が):ワンちゃんの年齢、犬種、病歴、普段口にしているものを書き出す
- What(何が):ワンちゃんに診られる症状を書き出す
- Where(どこが):ワンちゃんのどの部位に不調が見られたかを書き出す
- When(いつから):体調不良を起こした日付を書き出す
- Why(どうして):体調不良を引き起こした原因を書き出す
- How(どのように):動物病院に行くまで施した処置内容を書き出す
犬のアレルギー検査でわかる項目
ワンちゃんにも、人間同様、体内に異物が侵入して過剰な免疫反応を示すアレルギーを持っています。
後述するアレルギー検査を受ければ、ワンちゃんがどのようなアレルギーを持っているのかが判明します。
検査を受ければ、食物からハウスダスト、カビ類、ダニ類、花粉など約100種類以上ものアレルギーに分類して、検査結果を陰性、陽性、疑陽性の3つに分けて判定します。
なお、検査の種類によっては、環境アレルゲンと食物アレルゲンの両方を検査できますが、検査の種類次第では片方のみを詳しく検査できます。
犬のアレルギー検査の種類
ワンちゃんが持つアレルギーを調べるときは、以下の方法からアレルギー検査を行います。
- IgE血液検査
- リンパ球反応検査
- 皮内反応試験
- パッチテスト
- 除去食試験
- アレルギー強度検査
- 皮膚生検
様々な検査方法がある中でも、検査方法として用いられる機会が多いのが、「IgE血液検査」と「リンパ球反応検査」の2つです。
ここからは、先のリストで上げた7つの検査方法の特徴を1つずつ解説して行きます。
IgE血液検査
IgE血液検査は、ワンちゃんから血液を採取して、血中に診られるアケルゲン(原因物質)に対する固有のIgE抗体の有無を調べる検査です。
採取した血液からは、ダニや蚊などの外的要因や、小麦や卵、鶏肉などの食べ物など、アレルギー性皮膚炎にかかる疑いがあるモノの情報が判明します。
また当検査方法を用いる機関は多いですが、検査感度は機関によってばらつきがあります。
リンパ球反応検査
リンパ球反応検査は、採血した血中からリンパ球だけを分離し、そこにアレルゲン(原因物質)を混ぜて培養の具合からアレルギー反応を見る検査方法です。
主に小麦や鶏肉、卵、牛乳などの食物アレルギーを調べる時に用いられます。
リンパ球反応検査を用いれば、IgE血液検査で陰性だった食べ物が、「実は陽性だった」というケースもあります。
皮内反応試験
皮内反応試験は、ワンちゃんの皮膚に直接アレルゲンを打ち込んで発赤反応を伺う検査方法です。
前後述する検査方法とは違って、その場で検査結果が分かる特徴を持っていますが、国内には犬用のアレルゲンを持つところが少ないため、当検査方法を用いているところが少ないです。
パッチテスト
パッチテストは、アレルゲンが塗布されたパッチを皮膚に張り付けて発赤反応を伺う検査方法です。
皮内反応試験に似ている検査方法ですが、発赤反応が見られるまでやや時間がかかります。
除去食試験
除去食試験は、生後から現在に至るまで食べていない食材を用いたご飯や、原材料を数種類に絞って調理したご飯を食べてアレルギー反応を伺う検査方法です。
経過観察方式で検査を進めつつ、約1~2ヶ月間、病院から支給されたご飯を与えてワンちゃんの様子を観察していきます。
この方法を用いて、健康状態に改善が診られた場合は、食物アレルギーの疑いがあり、改善後に今まで食べたことがある食品を与えて症状が再発した瞬間、ワンちゃんが持つアレルゲンの種類が分かります。
ただし、長期に渡って実施する検査なので、ワンちゃんと飼い主ともに根気が要ります。
アレルギー強度検査
アレルギー強度検査は、血液中に含まれているリンパ球の数値からアレルギー反応の強さを調べる方法です。
この検査を用いて出た結果が高ければ高いほど、アレルギーによる炎症反応が強いことを意味しています。
皮膚生検
皮膚生検は、アレルゲンによる炎症反応が診られる皮膚を6~8mmほど切り取ってアレルゲンを検査する方法です。
切り取った皮膚の断面図からどの細胞がどのようなパターンで炎症を起こしているのかや、できものができていればその原因を詳しく検査していきます。
検査時は、局所麻酔を施した後、専用のメスで皮膚をくりぬくので、痛みはありませんが、後日抜糸処置を受けなければなりません。
犬のアレルギー検査からわかるアレルゲンの種類
前述した7種類のアレルギー検査をそれぞれ受ければ、ワンちゃんがどんなアレルギーを持っているかが判明します。
ここでは、前述したアレルギー検査を受診したときに判明するアレルゲンの種類を検査の種類ごとに解説して行きます。
IgE血液検査
IgE血液検査は、検査を担当する機関によって検査できるアレルゲンの種類が異なります。
採血した血液によって、1度に40~100種類以上ものアレルゲンの検査ができ、検査結果を食物や昆虫、植物、ダニ類、カビ類などの項目別に分類して報告してくれます。
リンパ球反応検査
リンパ球反応検査は、採取した血液中に含まれているリンパ球に食物タンパク質を与えて、アレルギー反応を見る検査方法です。
小麦や卵、大豆、鶏などの肉類に含まれているタンパク質をリンパ球に与えて、陰性か陽性かを見る検査方法で、先のIgE血液検査で判明した陰性だった食物アレルギーが陽性反応を示す場合もあります。
またリンパ球に与える食物タンパク質は、主要食に含まれているモノに限らず、ラム肉や馬肉、ジャガイモなどの療法食に含まれているタンパク質も検査対象にしています。
皮内反応試験
皮内反応試験は、ハウスダウトや蚊、ブタクサなどの外的要因で引き起こすアレルギーを持っているかがわかる検査方法です。
ただし、先の検査方法に比べて、犬用アレルゲンの数が少なく、当検査を実施している動物病院の数も少ないです。
そのため、外的要因で発症するアレルギーの検査を行うなら、IgE血液検査で調べるのが得策です。
除去食試験
除去食試験では、ラム肉や馬肉など、今まで口にしたことがない新奇タンパク質を主原料に調理したドッグフードや、タンパク質を細かく分解した加水分解タンパク質フードなど、アレルギー反応が起きにくい食べ物を1~2ヶ月間与えて、食物アレルギーの陽性反応を伺います。
除去食を与えて、症状が緩和・改善されれば、今まで食べてきた主要食に原因があったことになります。
しかし、除去食を与えても症状が緩和・改善されなければ、除去食を調理する過程で使用している食べ物に原因があるとして詳しい検査が行えます。
犬のアレルギー検査の費用
ワンちゃんに行うアレルギー検査の費用に、「一律いくら」といった決まりはなく、検査を実施する病院や検査機関、種類によって値段が前後します。
例えば、実施頻度が最も多いアレルゲン特異的IgE検査の検査費用の相場は、約2~3万円前後の検査費用が発生します。
また、他の検査費用の相場額をまとめると、以下のような金額になります。
- アレルギー強度試験:約8,000円前後
- 皮内反応試験:約5,000円〜約10,000円前後
- リンパ球反応試験:約15,000〜約30,000円
- 除去食試験:試験内容によって金額が変動
ワンちゃんにアレルギー検査を受けさせる場合は、一度、検査の内容を掛かりつけの獣医に相談して進めていくのが最適です。
またアレルギー検査の受診に合わせて、獣医側から検査内容の提案を受けることもあります。
検査結果が出るまでの時間
アレルギー検査を受けた後は、外部の検査機関に採取した血液が送られて詳細な検査が行われます。
そのため、検査結果が出るまで、相応の時間を要するケースがほとんどです。
以下は、今回紹介したアレルギー検査ごとにかかる検査結果の時間です。
- アレルゲン特異的IgE検査:約1〜2週間
- リンパ球反応試験:約1〜2週間
- アレルギー強度試験:約1〜2週間
- 皮膚生検:約1〜2週間
- 皮内反応試験:約15~30分
- 除去食試験:最低1ヶ月
アレルギー検査の結果は、数値化された状態で送付されることが多く、ワンチヤンがどのようなアレルギーを持っているのかが一目で分かります。
また結果報告書に合わせて、ワンちゃんに与えても大丈夫なドッグフードのリストが付いてくることもあります。
犬のアレルギー検査に関するQ&A
ここでは、アレルギー検査を受診する前に知っておきたいことや、解決しておきたい疑問について詳しく解説して行きます。
Q.アレルギー検査を受診するタイミングは?
ワンちゃんと生活を送る中で、以下のような症状が見られたときに受診するのが最適です。
- 皮膚炎や嘔吐、下痢を繰り返している
- くしゃみや鼻水がとまらない
- 住まいを移り変えた途端、アレルギー症場が見られた
また少しでもワンちゃんの様子がおかしいと思ったら、すぐにアレルギー検査を受けましょう。
Q.アレルギー検査を控えた方がいい場合は?
皮膚病や自己免疫疾患などで、ステロイド剤や免疫抑制剤などの薬を飲んでいるワンちゃんに施す検査は控えた方がいいです。
理由としては、薬の効果がアレルギー検査に影響する可能性があるためです。
また検査に伴って、約1ヶ月もの休薬が必要で、その間に体調を崩す恐れがあります。
アレルギー検査を受診すべきかどうかは、掛かりつけの獣医に相談してから受けるようにしましょう。
Q.アレルギー検査で陽性反応が出たらどうしたらいい?
血液によるアレルギー検査の精度は低く、検査結果で陽性のものがあったとしても高確率でアレルギー反応を示すことはありません。
とはいえ、症状が現れて命に係わる可能性もあるので、陽性が出た際は、獣医の指示に従って服薬と原因物質を避けることの2点を心がけて行動しましょう。
まとめ
以上今回は、犬のアレルギー検査の種類や期間・費用について紹介しました。
【犬のアレルギー検査の種類】
・IgE血液検査・・・一般的なアレルギー検査におすすめ!
・リンパ球反応検査・・・食物アレルギー検査におすすめ!
【検査結果が出るまでの期間】
・約1〜3週間
【犬のアレルギー検査の費用】
・1検査あたり、2〜3万円が相場
ただここで注意して欲しいのは、検査結果はあくまで目安でしかなく、絶対ではないということです。ある食物にアレルギー反応が出たからといって、それが実際の症状にも当てはまるとは限らないのです。
血液検査は、アレルギーの可能性が高い物質・食物を推測するものであり、検査結果は参考程度にとどめておくのがよいかもしれません。
また獣医さんの中には血液検査よりも、低アレルギーのフードや食物アレルギーの可能性が低い品質のよいドッグフードを薦める先生もいらっしゃいます。
一番の目的は、「血液検査を受ける」ことではなく、「ワンちゃんのアレルギーを改善する」ことなので、獣医さんとよく相談した上でどんな対策を講じるのか決めていきましょう。
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