ドッグフードの原材料と成分

犬にスルメ(あたりめ)を与えちゃいけない?誤食したときに診られる症状や対処方法を解説

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愛犬にあたりめを与えるのはおすすめできません。

あたりめはおつまみとして食べている人も多いと思います。そして、酔っぱらった勢いで犬にあたりめを与えてしまう人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では「犬にあたりめをおすすめできない理由」について解説していきたいと思います。

犬にスルメ(あたりめ)を与えちゃいけない理由

ワンちゃんが食べるドッグフードやおやつには、魚介類を原材料にしたものがあります。

イカを干したスルメ(あたりめ)は、イカのうまみ成分がその身に凝縮しており、おやつとしても与えてもいいような見た目をしていますが、ワンちゃんに与えるのは控えた方がいいです。

ここでは、ワンちゃんにスルメを与えるのを控えた方がいい理由を4つ紹介します。

海産物の消化が不得意

スルメには、ネギ類やチョコレートなどのような中毒性はありません。

ワンちゃんの腎機能に負担をかけるだけの塩分が使用されていたり、消化不全を起こす可能性があります。

そもそもワンちゃんは、海産物の消化が得意ではありません。

生ものはもちろんのこと、スルメのような乾物として加工された食品であれば、なおのこと胃腸に多大なる負担を強いることになります。

胃腸が膨張する

乾物であるスルメが一度、胃の中に入ると、スルメが胃の中にある水分を吸ってしまう可能性もあります。

水分が吸われてしまうと、胃腸が膨張して腹痛や腸閉塞を発症する可能性があります。

仮にスルメを細かく切り刻んで与えても、胃腸が膨張するリスクがあることに変わりはないので、与えること自体控えるのがワンちゃんの為になります。

大量の塩分を含んでいる

ご存じの通り、スルメの原材料であるイカは、水中で暮らしている生き物です。

そして、海で生活している生き物は、体内の塩分濃度を高く保つことで海に適応しています。

塩分が多く含まれている海で育ったイカから水分を取り除けば、以下のうまみ成分と塩分だけが残ります。

スルメには、約100gあたり約2gの塩分が含まれていると言われ、人間の味覚では程よい塩加減ですが、ワンちゃんにとっては濃い目の味付けです。

そもそもワンちゃんは、人間に比べて塩分量が低く、足の裏などの一部分にしか汗腺がないので、人間に比べて塩分の排出能力も低いです。

そのため、長期に渡ってスルメを与え続ければ、体内に大量の塩分が蓄積され、ゆくゆくは心臓病や高血圧などの病気にかかる可能性があります。

リンが含まれている

スルメには、リンが多く含まれています。

リンは適量ならばよい効果をもたらしますが、摂り過ぎると、体内のカルシウムが奪われてしまい、骨がもろくなります。

またリンを処理する腎臓に多大なる負担を強いることにもなります。

特に腎臓に問題があるワンちゃんにスルメを与えてしまうと、腎臓の健康状態を悪化させる恐れがあるので、少量であっても与えるのは控えるのがいいでしょう。

スルメ(あたりめ)に含まれている主な栄養素

乾物であるスルメには、ネギ類やチョコレートなどに見られる中毒成分が含まれておらず、ワンちゃんの健康に役立つ栄養素が詰まっています。

ここでは、スルメに含まれている主な栄養素を4つ紹介します。

タンパク質

鶏肉や魚肉などの肉類に含まれているタンパク質は、筋肉や皮膚、臓器を形成するうえで必要不可欠な栄養です。

タンパク質が不足すると、被毛がパサついたり、成長や健康面に支障をきたすため、継続的に摂取していかなければなりません。

スルメには、後述する栄養素を含めて、全体の約60~70%をタンパク質が占めています。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯を形成するのに必要な栄養素です。

人間同様、ワンちゃんもカルシウムを体内で生成することができないので、ドッグフードなどの食べ物からカルシウムを補給しなければなりません。

カルシウムが不足すると、骨密度の低下を招いて骨折などの頻繁に起こしてしまう恐れがあります。

EPA・DHA

EPA・DHAは、オメガ3脂肪酸と呼ばれる栄養素で、カルシウム同様、体内生成ができないので、食べ物から栄養を摂取しなければなりません。

EPAには、体内に残留しているコレステロールや脂肪分を分解して、血流を良くしてくれる効果があり、DHAには、脳を活性化してくれる働きがあります。

リン

リンは、ワンちゃんの健康維持に欠かせないミネラル成分の1種で、リン酸カルシウム・リン酸マグネシウムとして骨や犬歯にいます。

少量であれば、問題ありませんが、一度に大量のリンを摂取すると、食べ物から摂取したカルシウムの吸収を阻害してしまいます。

その結果、カルシウム不足による骨折を招くことになるので、摂取量に気を付けましょう。

犬にスルメ(あたりめ)を与えた時に見られる症状

前述した4つの理由から、ワンちゃんにスルメを食べさせてはなりません。

乾物であるスルメは、ワンちゃんのあご周りの筋肉や犬歯を鍛えるのにちょうどいい硬さをしていますが、少量のスルメを口にするだけでも健康に支障をきたす恐れがあります。

ここでは、ワンちゃんにスルメを与えた時に診られる症状を解説します。

下痢や嘔吐を繰り返す

先ほど解説した理由の通り、ワンちゃんは海産物の消化が得意ではありません。

そのため、細かくちぎったスルメを与えても、胃の中に残留し続けてしまう恐れがあります。

ワンちゃんは、消化不良を起こすと、胃の内容物を外に出そうとえづきや嘔吐を何度も繰り返します。

また排便をしたそぶりを見せることもあります。

最悪の場合、膨張したスルメが胃腸に詰まって腸閉塞になる可能性があります。

えづきや嘔吐で胃液だけが吐き出されたら、すぐに動物病院に連れていきましょう。

胃腸内でスルメが膨張する

乾物であるスルメに水分を与えれば膨張します。

ワンちゃんは人間とは違って、食べ物を租借せず、丸呑みする傾向があります。

細かく刻んだスルメを丸呑みして、水を飲んでしまえば、胃の中でスルメが水分を吸収して膨張する危険性があります。

スルメが膨張してしまうと、胃や腸の出入り口を塞いで嘔吐や排便が困難になる恐れがあります。

塩分の過剰摂取による病気の発症

スルメには、水分が抜ける過程で大量の塩分がその身に含まれています。

基本的にスルメ100gに対して2gの塩分が含まれている計算で、人間の味覚ではちょうどいい塩加減ですが、ワンちゃんにとっては過剰摂取に達する塩分量といわれています。

またワンちゃんは、人間と違って塩分の排出能力が低いです。

過剰な塩分を摂取し続ければ、心臓や腎臓などの各種器官に多大なる負担を強いる結果となり、寿命そのものを縮めたり、心臓病や高血圧などの病気にかかるリスクを高めます。

犬がスルメを誤食してしまった時の対処方法

スルメには、ネギ類やチョコレートなど、ワンちゃんが口にするだけでも命を落としかねない中毒成分が含まれていませんが、冒頭で紹介した4つの理由から、スルメをワンちゃんに与えるのは控えた方がいいです。

しかし、ワンちゃんの中には、スルメのニオイが好きという子もいれば、飼い主の目を盗んでつまみ食いする子もいます。

ここでは、ワンちゃんがスルメを食べてしまった時の対処方法を紹介します。

ワンちゃんの様子を伺う

スルメを食べたからといって無理やり吐かせようとすると、ワンちゃんに動揺が伝わってしまい、消化器官を傷つけてしまう恐れがあります。

食べたのが少量であれば、ワンちゃんの様子を伺いましょう。

食べてすぐ、震えや嘔吐など体調に急な変化が見られなければ、様子見を継続しましょう。

食べたスルメが胃を通り、腸に届くまで約2~4時間ほどの時間を要します。

その後、腹痛や下痢などの症状が出てきます。

体調が急変したらすぐに動物病院に連れて行く

口にしたスルメの量を問わず、震えや嘔吐、下痢など、体調が急変したら、すぐにもよりの動物病院に連れていきましょう。

スルメが胃や腸で膨張して詰まっているなら催嘔処置、腸の通過障害であれば消化剤の処置が施されます。

またワンちゃんが診察を受けている間、飼い主には、ワンちゃんがスルメを口にした時間と量を聞かれます。

犬にスルメ(あたりめ)を与える方法

ワンちゃんの体調や健康面に支障をきたすスルメを与えるのは、控えた方がいいです。

しかしスルメには、豊富なタンパク質からカルシウム、体内生成ができないEPA・DHAなど、豊富な栄養が詰まっています。

もしも、ワンちゃんにスルメを与える際は、一度スルメを水に戻し、細かく切ったものをドッグフードにトッピングして与える方法が食べさせましょう。

スルメを水につけてあげれば、身の方から水分を吸って柔らかくなるうえ、ため込んでいた塩分も抜けます。

また胃や腸でスルメが膨張する心配もありません。

しかし、ワンちゃんは海産物の消化が苦手なのです。

消化不良を起こす可能性があることを理解したうえでスルメを与えましょう。

きなこ
きなこ
あたりめは胃の中で膨張し、塩分も多いので注意が必要です。

スルメ(あたりめ)に関する質問

ここでは、ワンちゃんにスルメを与える前に知っておきたいことや、解決しておきたい疑問を質問形式で解説します。

Q.ワンちゃんにスルメは食べさせないほうがいい?

乾物の状態でスルメを食べさせるのは控えた方がいいです。

細かくちぎってあげたとしても、胃や腸の中で膨張してしまう恐れがあります。

しかし、一度水に戻して柔らかくなったスルメをドッグフードにトッピングしてあげれば、先のようにリスクを被る心配がありません。

とはいえ、ワンちゃんの体調が急変したり、食べたばかりのドッグフードを戻してしまった時は、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

Q.生食用のイカを与えても大丈夫?

生食用のイカには、ビタミンB1の働きを阻害するチアミナーゼが含まれていたり、寄生虫のアニサキスが潜んでいる恐れがあります。

またワンちゃんは海産物の消化が不得意です。

これらの理由から、生食用のイカを与えるのは控えましょう。

Q.ワンちゃんに魚肉を与えるのは大丈夫?

赤身魚や白身魚、青魚などの魚肉は、問題なく食べられます。

魚肉は、ドッグフードの主原料にも使用されている食材でもあるので、問題なく食べられます。

ただし、アジやシシャモなど、小骨が多い小魚や、エビやタコなどの甲殻類はイカ同様、消化が苦手なので、与えるのは控えた方がいいでしょう。

犬にスルメ(あたりめ)を与えるのは控えた方がいい

ここまで、ワンちゃんにスルメを与えない方がいい理由や食べてしまった時の対処方法などを解説してきました。

スルメそのものに、中毒成分が含まれていることはなく、ワンちゃんの健康に役立つ成分が多く含まれている側面の方が強いです。

しかし、乾物である以上、水分を吸ってしまえば胃や腸の中で膨張して腸閉塞を引き起こしたり、嘔吐や下痢を繰り返してしまう恐れがあります。

また塩分の過剰摂取によって、心臓病や高血圧などの病気を将来的に発症するリスクがあります。

とはいえ、一度水に戻して、細かくカットしたものを少量だけドッグフードにトッピングしてあげれば、先のようなリスクを被る心配はありません。

ワンちゃんに与えて、体調が急変したら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

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