愛犬にオレンジを与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
ドッグフードにオレンジが含まれていることはまれですが、オレンジはとても身近な食材ですよね。オレンジジュースが好きな人も多いと思います。
なので、愛犬にもオレンジを与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にオレンジを与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
オレンジの効果効能
オレンジにはビタミンCが豊富に含まれています。そのため、生体内の異物を排出したり、免疫機能を向上させたりする効果があります。
また、食物繊維も含まれているため、腸内環境を整えてくれる効果も期待できます。
そして、オレンジにはβカロテンも含まれているため、抗酸化作用も期待できます。つまり、犬の体を若々しく保つのに役立つのです。
また、オレンジには水分も豊富に含まれているため、夏バテ時の水分補給としても役立ちます。
そして、オレンジには糖質も多く含まれているので疲労回復や栄養補給にも効果があります。また、オレンジには香り成分のリモネンも含まれていますが、リモネンにはリラックス効果やリフレッシュ効果などがあります。
オレンジの栄養成分
オレンジ(バレンシア)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
水分 | 88.7g |
炭水化物 | 9.8g |
たんぱく質 | 1g |
食物繊維 | 0.8g |
βカロテン | 50μg |
ビタミンB1 | 0.1㎎ |
カリウム | 140㎎ |
カルシウム | 21㎎ |
鉄分 | 0.3㎎ |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] オレンジの約90%は水分で構成されています。そのため、オレンジは犬の水分補給としても適しています。 食物繊維には腸内環境を整える作用があります➀水分
➁食物繊維
➂βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。そして、抗酸化作用や免疫力を上昇させる効果があります。また、ビタミンAとして発育を促進したり、粘膜に働いて細菌から体を守るなど、たくさんの重要な役割を持っています。
➃カリウム
カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。
オレンジの注意点
アレルギーに注意!
世の中にあるあらゆる物質はアレルゲンになる可能性があります。そのため、オレンジの場合もアレルギーには注意する必要があります。
オレンジをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。
そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、オレンジアレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。
与えすぎに注意!
オレンジには食物繊維が豊富に含まれています。そのため、オレンジを与えすぎると消化不良の原因になってしまい、下痢や嘔吐などが引き起こされてしまう可能性があります。
また、オレンジには糖分も多く含まれています。そのため、与えすぎると糖分のとりすぎになってしまい、肥満や歯周病や糖尿病の原因になってしまう場合があります。
そして、オレンジにはカリウムも豊富に含まれているため、与えすぎるとカリウムの利尿効果が働きすぎてしまい、頻尿になったり、おもらしをしたりしてしまうかもしれません。
また、オレンジを与えすぎてしまうとオレンジだけでおなかがいっぱいになってしまい、ふだんのフードを食べてくれなくなることもあると思います。その場合には栄養が偏ってしまいます。
好まない犬もいる
オレンジが好きな犬が多いです。しかし、オレンジの味が嫌いな犬もいます。オレンジは酸っぱめの果物ですが、動物界では酸っぱいものは腐っているものとして認識されているからです。無理に与えるのは避けましょう。
また、オレンジが体に合わなくて消化不良になってしまう犬もいます。そのような犬にはオレンジを与えないようにしましょう。
皮などに注意!
かんきつ類の皮には犬が中毒を起こす可能性のあるソラレンが含まれています。犬がソラレンを摂取すると下痢、嘔吐、皮ふ炎、気分の落ち込みなどが起こる可能性があります。
また、オレンジの皮には見栄えを良くするためにワックスが塗られている可能性もあります。また、海外から輸入されてくるオレンジには防腐剤が塗られているかもしれません。そして、皮は消化にも良くありません。
そのため、犬にオレンジの皮を与えるのは絶対にやめましょう。
また、犬がオレンジの薄皮や白い筋などを食べると消化不良を起こしてしまう可能性があります。これらも犬に与えないようにしましょう。
そして、最近は種がない品種も多いですが、もしあった場合には取り除くようにしましょう。
未熟なオレンジに注意!
未熟なオレンジにはアルカノイドという有毒な成分が多く含まれています。犬には必ず熟したオレンジを与えるようにしましょう。
ただ、店で未熟なオレンジが売られていることはありません。散歩コースなどでオレンジが栽培されていたり、自宅でオレンジを栽培していたりする場合にのみ注意するようにしましょう。
加工品に注意!
オレンジの加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。
オレンジジュース
市販のオレンジジュースには糖分が多く含まれています。そのため、犬に与えるべきではありません。
ただ、家でオレンジを絞ってジュースを作るのであれば問題ありませんし、消化に良くなるのでオレンジを与える方法としておすすめです。
また、市販のものであっても砂糖や甘味料が含まれていないものであれば大丈夫です。原材料がオレンジだけで果汁が100%のものが理想でしょう。
オレンジアイス
市販のオレンジアイスには糖分が多く含まれているため、犬へ与えるのに適していません。
ただ、手作りのオレンジジュースをアイスボックスに入れてアイス状にし、それを与えるのは問題ありません。犬の熱中症対策として有効です。
ただ、与えすぎてしまうとおなかを冷やして下痢などの原因になってしまうので、与える量には注意が必要でしょう。
オレンジゼリー
市販のオレンジゼリーには糖分が多く含まれているため、犬へ与えるのに適していません。
ただ、家で寒天、水、オレンジだけを使って手作りのオレンジゼリーを作るのであれば与えても問題ありません。
オレンジの缶詰
オレンジの缶詰はオレンジを砂糖や香料や甘味料などで作られたシロップに漬けて作ります。
そのため、犬にオレンジの缶詰を与えるべきではありません。
オレンジジャム・オレンジソース
オレンジジャムやオレンジソースには糖分が多く含まれているため、犬へ与えるのに適していません。
ただ、これらも家で砂糖を加えないものを手作りするのであれば与えてもいいでしょう。
オレンジのママレード
オレンジのママレードにも砂糖が多く含まれています。そのため、犬へ与えないようにしましょう。
これも砂糖を加えずに手作りするなら与えても問題ありません。
みかんとオレンジ
みなさんはみかんとオレンジの違いをご存知でしょうか。これについては意外と知らない人が多いのではないでしょうか。そこで、この項ではみかんとオレンジの違いについて解説していきたいと思います。
オレンジとみかんはどちらもインドが原産の食べ物ですが、伝わり方が異なります。詳しく見ていきましょう。
まず、日本で言うみかんはほぼ温州みかんのことを表しています。温州みかんは400年前に中国から鹿児島に伝えられ、中国の温州という地名から名づけられました。
ちなみに、マンダリンオレンジは温州みかんと近い種類ですが、日本では同じものとして扱われています。
そして、みかんには皮が薄くて手で簡単にむくことができ、加工されるよりそのまま食べられることが多いと言う特徴があります。確かに、みかんは皮をむいてこたつの上で食べているイメージがありますよね。
一方、オレンジの中で最も一般的なのはバレンシアオレンジですが、これはインドから地中海を経て19世紀にアメリカに渡り、明治時代には日本にも輸入されるようになりました。
そして、オレンジにはみかんよりも皮が厚くて、手でむくのが難しいという特徴があります。
また、オレンジは味が濃厚で香り高く、加工されることが多いでしょう。ちなみに、オレンジの加工品としてはオレンジジュースやオレンジのママレード、オレンジソースなどがあげられます。
オレンジの与え方
オレンジを犬に与えるときには、まず皮、薄皮、白い筋、種を取り除くようにしましょう。そして、消化に良くなるように小さくしてから与えるのがおすすめです。
また、オレンジをミキサーなどでジュースにしてやるのもおすすめです。消化にも良くなりますし、水分補給としても適しているからです。
そして、オレンジはおやつなどとして与えるといいでしょう。ちなみに、整腸作用がある無糖のヨーグルトと一緒に与えてあげるのもおすすめです。
ちなみに、オレンジの適量は15gほどです。これはだいたい1カットくらいです。そして、多くても1日の摂取カロリーの20%は超えないようにしましょう。
ただ、適量は個体によって異なります。愛犬にとってベストな量を見つけてあげましょう。そして、オレンジを与えたら翌日の便は確認するようにしましょう。もしゆるくなっていたら、それは与えすぎです、量を減らすようにしましょう。
また、はじめはごく少量を与えるようにしましょう。愛犬がオレンジにアレルギーを持っている可能性もありますし、体質に合ってない可能性もあるからです。
そして、かんきつ類は嫌いな犬もいます。もし犬が嫌がった場合には無理に与えないようにしましょう。ただ、犬は甘い味も酸味も好むため、食べてくれる犬のほうが多いのではないでしょうか。
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