愛犬に豆腐を与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
豆腐がドッグフードに含まれていることはないと思いますが、豆腐はとても身近な食材です。日本人なら、食べたことがない人はほとんどいないと思います。
なので、犬に豆腐を与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬に豆腐を与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
豆腐の効果効能
豆腐は消化に良く、吸収にも優れています。そのため、犬にとっては優れた植物性たんぱく質源です。そして、食欲がないときのエネルギー補給にもなります。
また、豆腐には水分が豊富に含まれているため、夏場の水分補給としても適しています。
そして、豆腐に含まれるサポニンには抗酸化作用があります。つまり、犬の体を若々しく保つのに役立つのです。
また、ビオチンが犬の皮ふや粘膜や毛を健やかにします。
豆腐の栄養成分
豆腐(木綿豆腐)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
水分 | 86.8g |
たんぱく質 | 6.6g |
脂質 | 4.2g |
食物繊維 | 0.4g |
ビタミンK | 13μg |
カリウム | 140㎎ |
カルシウム | 86㎎ |
マグネシウム | 130㎎ |
リン | 110㎎ |
鉄分 | 0.9㎎ |
マンガン | 0.38㎎ |
銅 | 0.15㎎ |
リノール酸 | 1900㎎ |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] 豆腐の87%は水分で構成されています。そのため、豆腐は犬の水分補給としても適しています。 たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。 ビタミンKは出血したときに血が固まって止血するのを助け、骨の形成も助けます。 カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。 カルシウムは骨や歯を形成するために必要不可欠です。また、筋肉を動かすためにも必要です。ただ、過剰に摂取すると逆に骨折などが起こってしまう可能性があります。そのため、適切な量を与えることが重要です。 マグネシウムは体内で骨や歯をつくるために使われています。そして、マグネシウムは体内で不足すると骨から遊離して神経の興奮を抑えたり、エネルギを作ったり、血圧を維持したりするのに利用されます。 85%のリンは体内でカルシウムやマグネシウムと一緒に骨や歯を作る成分になっています。また、15%は筋肉や脳や神経などに存在し、エネルギーを作り出すのに役立ちます。 ただ、リンはとりすぎてしまうとカルシウムを奪ってしまい、骨が弱くなってしまいます。また、腎臓の負担にもなります。 鉄分は血液のヘモグロビンの中に含まれ、酸素を運ぶために必要です。また、エネルギーを作り出すためにも必要です。 マンガンはさまざまな酵素の構成成分になったり、さまざまな酵素を活性化したりします。具体的には糖質や脂質を代謝するために働く酵素や抗酸化作用のある酵素などの構成成分になっています。また、骨の形成にも関与しています。 リノール酸は脂肪酸の一種です。コレステロール値を下げる作用があります。ただ、過剰に摂取すると善玉コレステロールも減らしてしまうので注意が必要です。 サポニンには体脂肪を減らす効果があります。また、動脈硬化やガンなどの病気を予防する効果もあります。 大豆は比較的アレルゲンになりやすい食材です。そのため、大豆アレルギーには注意する必要があります。特に、シベリアンハスキー、アイリッシュセッター、シャーペイなどの犬種は大豆に対する耐性がなく、大豆アレルギーになりやすいので注意が必要です。 そして、豆腐をはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。 また、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、大豆アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。 豆腐にはマグネシウムが豊富に含まれています。そのため、豆腐を食べすぎてしまうとマグネシウムにより軟便や下痢などが引き起こされてしまいます。また、水分を摂取しすぎて下痢になる可能性もあります。 そして、豆腐は甘味があって脂質もあり腹もちがいいので、食べすぎると豆腐だけでおなかがいっぱいになってしまいます。こうなると普段食べているフードの食いつきが悪くなったり、食べなくなったりしてしまうかもしれません。これにより栄養が偏ってしまう可能性もあります。 また、豆腐を与えすぎるとリノール酸が善玉菌を減らし、フィチン酸がミネラルの排出を促し、サポニンが下痢や腸の炎症のもとになってしまう場合もあります。 豆腐は結石ぎみの犬には与えないようにしましょう。なぜなら、豆腐にはマグネシウムやリンが多く含まれているからです。 これらの物質が結石を悪化させてしまう場合があります。 ちなみに、結石とは尿の通り道に結石という小さな石のかたまりができてしまい、尿が体外に出せなくなってしまう病気です。 結石が起こってしまうと尿により老廃物が体外に排出できなくなってしまうので、老廃物を体外に排出する役割を担っている腎臓に大きな負担がかかってしまいます。 そして、最悪の場合には腎臓が機能しなくなってしまい、対外へ老廃物や毒素を排出できなくなる尿毒症になってしまいます。その場合には、命を落としてしまう可能性もあります。 ちなみに、腎臓の不調は気づきにくいものですが、結石になると、以下のような症状が出てくると言われています。 これらの症状が出たら結石を疑い、動物病院へ行くようにしてください。 ちなみに、以下の犬種はとくに結石ができやすいと言われています。 これらの犬種を飼っている人は特に注意したほうがいいでしょう。 豆腐の加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。 湯豆腐を犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。薬味として犬が絶対に食べてはいけない食べ物であるネギが含まれていることが多いからです。 また、たとえ薬味を入れる前であっても、湯豆腐は長ネギと一緒にゆでることが多いです。どちらにしろ与えないようにするのが無難でしょう。 焼き豆腐は犬に与えても問題ありません。ただ、こげの部分が気になるのであれば、焼き目の部分を取り除いてから与えるようにしましょう。 そして、焼き豆腐はカルシウムが豊富であるという特徴があります。 厚揚げ豆腐は犬に与えても問題ありませんが、脂質は絹ごし豆腐の3倍あります。そのため、あらかじめお湯に浸したり下ゆでしたりして油を抜き、できれば外側の部分を切り落としてあげるといいでしょう。そうすれば脂質が減ってヘルシーになります。 そして、厚揚げ豆腐もカルシウムが豊富です。 高野豆腐は水で戻した状態なら犬に与えても問題ありません。ただ、高野豆腐は弾力があります。そのため、細かく刻んでから与えたほうがいいでしょう。 みなさんもご存知の通り、豆腐には主に絹ごし豆腐と木綿豆腐の2種類があります。 そして、絹ごし豆腐は生食で用いられることが多いです。冷やっこが代表ですね。一方、木綿豆腐は絹ごし豆腐に比べて丈夫なので、煮たり焼いたりするときに使われることが多いです。具体的には鍋などでしょうか。 また、この2つの豆腐は栄養面でも違いがあります。まず、絹ごし豆腐にはカリウムやビタミンB群が多く含まれてます。一方、木綿豆腐にはたんぱく質、カルシウム、鉄分、脂質などが多く含まれています。 そして、迷ったときには栄養価が比較的高い木綿豆腐を用いるといいでしょう。➀水分
➁たんぱく質
➂ビタミンK
➃カリウム
➄カルシウム
➅マグネシウム
➆リン
➇鉄分
➈マンガン
➉リノール酸
⑪サポニン
豆腐の注意点
アレルギーに注意!
与えすぎに注意!
結石ぎみの犬には不適
加工品に注意!
湯豆腐
焼き豆腐
厚揚げ豆腐
高野豆腐
絹ごし豆腐と木綿豆腐
豆腐の与え方
豆腐は人が食べるときと犬に食べさせるときではずいぶん勝手が異なるので、注意が必要です。
まず、犬に食べさせるときには味付けをしないようにしましょう。人が豆腐を食べるときには醤油をかけることが多いと思いますが、醤油をかけると塩分のとりすぎになってしまいます。
また、犬に豆腐を与えるときには、常温に戻してからにしましょう。冷たいまま豆腐を与えてしまうと犬がおなかを壊してしまう可能性がありますし、熱すぎるとやけどをしてしまう可能性があります。
そして、豆腐はできるだけ原料が大豆とにがりだけのものを選びましょう。また、パッケージの水は与えないようにしましょう。
そして、フードに少しトッピングするのもいいですし、おやつとして与えるのもいいでしょう。
ちなみに、適量は小型犬なら39g(1/10丁)、中型犬なら50g(1/6丁)、大型犬なら150g(1/2丁)くらいです。ただ、適量は個体ごとに変わります。与えたら次の日は便を確認するようにしましょう。もし緩くなっていたらそれは与えすぎということです。量を減らすようにしましょう。
また、最初はごく少量を与えるようにしましょう。アレルギーを持っている可能性もありますし、豆腐が体質に合わない可能性もあるからです。
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