愛犬に紅茶を与えてはいけません。
紅茶はとても身近な飲み物で、毎日のように飲んでいるという人も多いのではないでしょうか。しかし、紅茶は犬に与えてはいけない飲み物として有名です。
そこで、この記事では「犬に紅茶を与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
カフェイン中毒になってしまう
紅茶にはカフェインが含まれています。
そして、犬がカフェインを摂取してしまうと、それが直接的に中枢神経や心筋などを刺激してしまい、中毒症状が起こってしまいます。
具体的には、カフェインによって神経の興奮が収まらなくなってしまいます。
また、シュウ酸によってシュウ酸カルシウム結石ができてしまう可能性もあります。
犬が紅茶を飲んで様子がおかしいと感じた場合には、すぐに動物病院へ連れていくようにしましょう。
犬に紅茶を与えるのはなぜダメ?
犬に紅茶を与えてはいけない理由は主に2つあります。それぞれ見ていきましょう。
カフェイン
犬が紅茶を飲んではいけない理由の1つ目は、カフェインの中毒になってしまうからです。
まず、カフェインには神経を興奮させる作用がありますが、そのメカニズムについて解説していきたいと思います。
動物の体内には、アデノシンという神経を鎮静化させる作用がある化合物がありますが、カフェインはアデノシンと似たような構造を持っています。
そのため、カフェインは動物の体内に入ってくると細胞のアデノシン受容体に取り付き、アデノシンとアデノシン受容体が結合するのを阻害してしまいます。これによりアデノシンが担っていた鎮静作用が阻害されてしまい、神経が興奮した状態に保たれてしまうのです。
そして、犬がカフェインを摂取してしまうと、それが直接的に中枢神経や心筋などを刺激してしまい、中毒症状が起こってしまいます。
シュウ酸
犬が紅茶を飲んではいけない理由の2つ目はシュウ酸です。
紅茶にはシュウ酸が含まれており、これがシュウ酸カルシウム結石の原因になってしまう場合があります。
ただ、犬の食事とシュウ酸カルシウム結石との関係は薄いと言われているので、そこまで心配しすぎる必要はないのかもしれません。
紅茶の中毒量
カフェインの致死量は体重1㎏あたり100㎎~200㎎ほどであると言われています。例えば、5㎏の犬であれば致死量は500㎎~1000㎎ほどです。
そして、紅茶の場合、100mlあたりに含まれているカフェインは30㎎です。そのため、5㎏の犬は紅茶を2リットル程度飲むと致死量に達してしまう計算になります。
ただ、この量は致死量なので、中毒症状自体はもっと少ない量で起こってしまいます。
また、致死量には個体差があります。そのため、紅茶を少しなめてしまっただけで中毒症状が出てしまう犬もいますし、大量に摂取しても大丈夫な犬もいます。
紅茶を飲んだときの症状
犬が紅茶を飲んでしまうとカフェインによって神経の興奮が収まらなくなってしまいます。
そのため、下記のような症状が出てきてしまいます。
- 落ち着きがなくなる
- 呼吸が速くなる
- ふるえ
- けいれん
- 不整脈
- 血管の拡張によるうっ血や出血
- 多量のよだれ
- 興奮状態
- 嘔吐・下痢
そして、症状が重い場合、ふらつき、筋硬直、呼吸不全などで命にかかわる場合もあります。
カフェインは中枢神経を興奮させるため、てんかん発作やけいれんを起こすことがある犬は特に注意する必要があります。
また、シュウ酸によって結石ができてしまう可能性もあります。
ちなみに、結石とは尿の通り道に結石という小さな石のかたまりができてしまい、尿が体外に出せなくなってしまう病気です。そして、ミネラルの過剰でなる可能性があるストルバイト結石は結石のうちでも尿がアルカリ性に近づいてしまい、マグネシウムなどが固まって石のようになってしまう病気です。
結石が起こってしまうと尿により老廃物が体外に排出できなくなってしまうので、老廃物を体外に排出する役割を担っている腎臓に大きな負担がかかってしまいます。
そして、最悪の場合には腎臓が機能しなくなってしまい、対外へ老廃物や毒素を排出できなくなる尿毒症になってしまいます。その場合には、命を落としてしまう可能性もあります。
ちなみに、腎臓の不調は気づきにくいものですが、結石になると、以下のような症状が出てくると言われています。
- 頻尿
- 排尿の体勢になってから尿が出てくるまでに時間がかかる
- おしっこのとき痛そう
- 血尿
これらの症状が出たら結石を疑い、動物病院へ行くようにしてください。
紅茶を飲んだときの対処法
犬が紅茶を飲んでカフェイン中毒になってしまった場合の対処法は飲んでしまった量によって変わります。
まず、少し舐めてしまった程度の場合は重度のカフェイン中毒は起こりません。そのため、慌てずに経過観察をしてあげるのが大切です。そして、もし何の症状も出なかった場合には何か対処をする必要はありません。
心配だったら水を飲ませてあげるとカフェインの濃度を薄めることができるのでおすすめです。
ただ、犬の中にはカフェインに対して極端に弱い体質を持っている個体もいます。そのような犬の場合は少しなめてしまっただけで重篤な症状が起こるかもしれません。
そのため、1時間から2時間程度観察して、いつもと違う様子が見られた場合には獣医に相談するようにしましょう。
一方、犬が大量に紅茶を飲んでしまった場合や、飲料よりも高い濃度でカフェインが入っている紅茶の茶葉、ティーバッグなどを食べてしまった場合などは、すぐに獣医に相談するようにしましょう。
ちなみに、電話で獣医に相談したり、犬を動物病院へ連れていったりする場合には、どのくらいの量を飲んだか、紅茶を飲んだ時間、どの種類の紅茶を飲んだか、などを伝えてあげるとすみやかに診療を行うことができます。覚えておくようにしましょう。
また、動物病院へ連れていく際は、実際に飲んでしまったものを持っていってあげると正確な診断の助けになります。
そして、カフェイン中毒に対する解毒剤はないため、病院では基本的に犬の苦痛を和らげるための対症療法を行います。
具体的には神経の興奮を抑えるために鎮静剤を投与したり、不整脈が出ていた場合には抗不整脈薬を投与したりします。
また、血液中にどのくらいのカフェインが含まれているのか確認するために、血液検査を行ったり、尿検査を行ったりするのが一般的です。
そして、カフェインを体から排出するために吐かせる処置を行うこともあります。ちなみに、通常の誤飲の場合、吐かせる処置は食べてから1時間以内でないと意味ありません。しかし、カフェイン中毒の場合には4時間~6時間経過していても有効であるとされています。
ただ、紅茶を大量に飲んでしまったが、深夜などで動物病院がやっていないということもあるかもしれません。その場合には飼い主が犬を吐かせる必要があります。
ちなみに、吐かせる方法としては塩水を使用する方法が知られていますが、これはあまりおすすめできません。塩を摂取しすぎて塩中毒になってしまう可能性があるからです。
犬に吐かせる処置を行うなら、オキシドールを使いましょう。オキシドールも胃の中に傷がある場合はおすすめできませんが、塩よりはずっとましな吐かせ方です。
そして、オキシドールを使って吐かせる場合、まずは体重5㎏あたり11mlのオキシドール(3%)を用意します。そして、これを犬の舌の奥のほうに流し込みます。そうすると15分ほどで吐いてくれることが多いです。もし吐かなかった場合、水を飲むと吐きやすくなります。
ただ、20分たっても吐かない場合もあります。その場合には同じことを再度行いましょう。
しかし、オキシドールによる吐かせる処置は犬に意識や反応がなかったり、犬が興奮状態になっている場合には行うべきでありません。また、1時間以内に吐かせる必要があり、それ以降は吐かせてもあまり意味がありません。
紅茶の加工品について
紅茶はクッキーに含まれていることがありますし、ほかのお菓子に入っていることもあります。これらの製品に入っている紅茶の量はそこまで多くありませんが、犬に与えるのは良くありません。
カフェイン中毒のリスクもそうですが、紅茶の加工品には砂糖やバターなどが多く含まれていることがおおく、糖分や脂質の取りすぎになってしまいます。
そして、糖分をとりすぎてしまうと肥満や歯周病や糖尿病の原因になってしまうかもしれません。また、脂質をおおくとりすぎると膵炎の原因になってしまう可能性がありますし、肥満にもつながってしまいます。
カフェイン中毒になると神経が興奮してしまい、最悪の場合では命にかかわってしまうので、紅茶を犬が届く位置に放置しないようにしましょう。
また、シュウ酸カルシウム結石になってしまう可能性もあります。
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