愛犬に家禽(かきん)ミールを与えてはいけません。
家禽ミールは安いドッグフードによく用いられています。そして、危険性は広く知られていると思いますが、その理由まで知っている人はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬に家禽ミールを与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
粗悪な原料で、危険な添加物が使用されている可能性も
「〇〇ミール」にはたいてい粗悪な原料が用いられています。
家禽ミールには人間用としては認められていないような低品質な肉が用いられているかもしれません。
また、犬の体調不良の原因になってしまう可能性もあります。
そして、家禽ミールを含むドッグフードには危険な添加物が使用されていることも多くあります。
「〇〇ミール」の危険性
ドッグフードの原料には、「〇〇ミール」と書かれていることがあります。例えば、この記事で扱う「家禽ミール」もそうですし、ほかにも「チキンミール」などがあてはまります。
そして、「〇〇ミール」と書かれているとなんとなく良さそうに見えますが、その印象は間違っています。「〇〇ミール」にはたいてい粗悪な原料が用いられています。
「〇〇ミール」はあいまいな表現ですが、きちんとした原料が用いられていれば、きちんと具体的に書くはずです。良くない原料を用いているからあいまいにしか表記できないのです。
そして、「〇〇ミール」は動物で人が食べられない部分を粉砕して加工したものです。他に「〇〇粉」「〇〇パウダー」「〇〇エキス」などと表記されることもあります。
家禽ミールの概要
そもそも家禽が何なのか知らないという人もいると思います。そこで、家禽ミールについて説明する前に、家禽について説明しておきたいと思います。
家禽とは、肉や卵や羽毛などをとるために飼われている鳥類の総称のことです。つまり、家畜の中でも鳥類だけを指す言葉だと考えればわかりやすいでしょう。
そして、家禽には鶏、カモ、アヒル、七面鳥、ガチョウ、ウズラなどが含まれています。
さて、そんな家禽を用いている家禽ミールですが、これは国によって定義が異なります。今回は日本とアメリカの定義について紹介したいと思います。
まず、日本では家禽ミールとは、「人間が食べる用の肉を取り除いた後の家禽のくず肉、内臓、骨など副産物の脂肪を搾り取った後の残りを粉砕したもの」のことです。
一方、アメリカのAAFCO(米国飼料検査官協会)は家禽ミールを、「羽、頭、内臓を除いた骨付きもしくは骨なしの清潔な肉と皮から脂肪を取り除いたもの」と定義しています。
これを見ると、アメリカより日本のほうが基準が緩いことがわかります。つまり、家禽ミールが含まれている場合、アメリカ産のフードより日本産のフードのほうが危険であると言えるでしょう。
AAFCO
AAFCOとは日本語では米国飼料検査官協会と呼ばれる組織で、ペットフードの栄養に対する厳格な基準や、ラベルの表示のルールなどを定めている団体です。ただ、AAFCOが定める基準は最低限のものでしかないという批判もあります。
ちなみに、AAFCOの基準を満たしているとプレミアムフードを名乗ることができます。
家禽ミールがドッグフードに含まれている理由
家禽ミールがドッグフードに含まれている理由は簡単で、家禽ミールを使えば安く大量にドッグフードを作ることができるからです。
家禽ミールの原料は通常捨てられる部分であり、しかも毎日大量に発生するので、とても安く仕入れることができるのです。
家禽ミールの危険性
家禽ミールが危険な理由は主に3つあります。それぞれ見ていきましょう。
粗悪な原料が用いられているかも
「〇〇ミール」全般に言えることですが、家禽ミールには、人間用としては認められていないような低品質な肉が用いられているかもしれません。
家禽ミールと聞くと何が含まれているのかわからないと感じる人も多いと思いますが、このようにあいまいに表記しているのは、具体的には書くことができないようなものを用いているからです。
もし良質な原料を用いているのなら、当然はっきり具体的に原材料に表記するはずですよね。
犬の体調不良の原因になるかも
家禽ミールに含まれている栄養は質が低いので栄養失調の原因になってしまう可能性があります。
また、消化不良やアレルギーの原因になったり、フンや体臭のにおいがきつくなったりする場合もあります。
そして、特に角、トサカ、クチバシなどかたい部分が使われている場合、粉末になっても腎臓に負担がかかってしまい、消化や吸収に悪影響を与えてしまう可能性があります。
危険な添加物が使われているかも
上でも解説しましたが、家禽ミールが使われているドッグフードには、たいてい危険な添加物が多く用いられています。
そこで、この項ではこのようなドッグフードに使われている添加物について解説していきたいと思います。家禽ミール入りのドッグフードを使っている人は、原材料の欄を見て確認してみてください。
エトキシキン
エトキシキンは化学的に合成された酸化防止剤のひとつです。エトキシキンは酸化防止効果がとても高くて価格もとても安いという、業者にとっては魅力的な酸化防止剤ですが、毒性が強い物質でもあります。
そして、昔は規制がありませんでしたが、今ではエトキシキンの添加量は75ppmが上限です。
エトキシキンを含んだドッグフードを食べると、アレルギー反応、皮ふ病、主要臓器の障害、異常行動、がんなどが引き起こされる可能性があります。
BHA
BHAはブチルヒドロキシアニソールの略です。化学的に合成された酸化防止剤のひとつです。
そして、BHAを含んだ食品を食べると、がんが発生したり、歩行障害が起こったり、呼吸困難になったり、消化器官からの出血が起こったり、肝臓のうっ血が生じたりする可能性があります。
BHT
BHTはジブチルヒドロキシトルエンの略です。化学的に合成された酸化防止剤のひとつです。
BHTを含んだ食品を食べると、膀胱がんになったり、甲状腺がんになったりする可能性があります。
亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは見た目を良くするために使用されます。
しかし、亜硝酸ナトリウムは体内でニトロソアミンという発がん性物質に変化してしまい、がんリスクを高めてしまいます。
グリシリジン・アンモニエート
グリシリジン・アンモニエートは動物用に使われている甘味料のひとつです。グリチルリチン酸アンモニウムと呼ばれることもあります。
甘味が強く、砂糖の30〜50倍と言われています。
そして、人間用に使用することは認められておらず、安全性は不明です。
プロピレングリコール
プロピレングリコールは保湿力が高いので、保湿剤として使用されます。そのため、半生タイプのフードに使われていることが多く、毒性が低いため人間用の加工食品にも使われていることがあります。
ただ、プロピレングリコールはアレルゲンになる可能性があるほか、腸閉塞の原因になることもあると言われています。
また、プロピレングリコールは化学物質を運ぶ性質を持っているため、有害物質を体内に吸収・蓄積させてしまう可能性もあります。
そして、プロピレングリコールはさまざまな食品に配合されているため、過剰摂取にならないように注意が必要です。
赤色3号
赤色3号は通称で、正式名称はエリスロシンです。
そして、エリスロシンは赤色の着色料の中でも特に危険性が高い物質です。
がんを発生させる可能性があり、ほかにも染色体異常、赤血球数減少、成長抑制などを引き起こす可能性があります。そして、日本では使われていますが、アメリカでは使用が禁止されています。
赤色105号
赤色105号は正式にはローズベンガルと呼ばれる物質です。海外では使用が認められていません。
そして、がん、成長不良、肝臓や腎臓の障害などを引き起こす可能性があります。
赤色40号
赤色40号は正式にはアルラレッドACと呼ばれる物質です。
一部の着色料や保存料と一緒に摂取すると行動異常を起こす可能性があり、発がん性もあると言われています。
黄色5号
黄色5号はオレンジ色に着色することができる着色料で、正式にはサンセットイエローFCFと呼ばれる物質です。
医薬品や食品などの着色料として認可されていますが、アレルギーや消化器系症状の原因になる可能性があります。
また、家禽ミールを含むドッグフードには危険な添加物が使用されていることも多くあります。
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