愛犬に着色料の含まれているドッグフードを与えるべきではありません。
着色料は安いドッグフードの添加物として用いられています。そして、危険性は広く知られていると思いますが、その理由まで知っている人はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬に着色料を与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
不要な上に健康被害が出る可能性も
ドッグフードに着色料は不要です。
その上、がんなどの健康被害が出てきてしまう可能性もあります。
そのため、なるべく着色料が含まれていないドッグフードを選んであげるようにしましょう。
着色料とは
着色料とは、食品に色をつけるために用いられる添加物です。人間用の食品にもよく使用されますが、ドッグフードに使用されることもあります。
そして、人間は視覚が発達しており、おいしそうな色を見ると食欲がそそられるため、着色料は効果的です。
しかし、犬は人間ほど視覚が発達しておらず、主に嗅覚(きゅうかく)でおいしい食べ物かどうかを判断しています。
そして、実験により、着色料を使用しても犬の食いつきに変化はないことが明らかになっています。つまり、着色料が使用されていても、犬にとっては何の意味もないのです。
それにもかかわらずドッグフードに着色料が含まれているのは、飼い主においしそうなドッグフードだと認識してもらい、買ってもらうためです。
そして、着色料の中には天然のものと合成のものがありますが、ドッグフードに含まれているのはたいてい危険な合成着色料です。
その理由は簡単で、合成着色料のほうが安いからです。
このような着色料が含まれているドッグフードは選ばないほうが愛犬のためです。
着色料の危険性
着色料は合成着色料と天然の着色料にわけられます。
そして、合成着色料が危険だと言われることが多いのは、毒性のあるものが少なくないからです。
もちろん、ドッグフードに使われている着色料は人間が食べても問題ない、と厚生労働省が認めているものに限られています。使われている着色料の量も当然、ごくわずかなものです。
しかし、合成着色料の中には日本で認められていても、海外では認められていないものも多くあります。
そして、ドッグフードは愛犬が毎日食べ続けるものです。ちょっと食べたくらいでは影響がなくても、毎日食べ続けてしまうと、いつか影響が出てきてしまうかもしれません。
ちなみに、具体的な危険性は着色料によってそれぞれ異なります。それについては次の項で解説していきたいと思います。
着色料の種類
現在、日本において食品に使用することが認可されている着色料には以下のようなものがあります。
赤系
日本で食品に使用することが認められている赤系の着色料は以下の7種類です。それぞれ見ていきましょう。
赤色2号
赤色2号はアマランスという別名を持っている着色料です。赤色に着色できる食用タール色素です。
ちなみに、タール色素とは石油を精製するときに出てくるナフサを原料としている色素のことです。
そして、赤色2号は常温では赤褐色の粉末であり、においはありません。
そんな赤色2号ですが、発がん性が認められており、染色体異常、血球数減少、成長抑制などの可能性もあると言われています。
ちなみに、染色体異常とは染色体に異常が起きてしまうことです。染色体に異常が起こると、さまざまな障がいの原因になってしまいます。
このような危険性があるため、赤色2号はベルギー、カナダ、アメリカなどでは人が食べる食品への使用が禁止されています。
赤色3号
赤色3号はエリスロシンという別名を持つ着色料です。食用タール色素のひとつです。
熱に強くてタンパク質と結合しやすいという特徴を持っています。ただ、酸性の環境では無色になってしまうので、赤色102号と一緒に使用されることが多いでしょう。
そして、日本ではかまぼこ、さくらんぼ、福神漬けなどに使用されていることが多いです。
そんな赤色3号ですが、ラットによる実験で多量を摂取すると赤血球の数が減少してしまうことが明らかになっています。また、甲状腺に腫瘍(しゅよう)ができてしまう可能性があり、がんになるリスクもあります。
このような事情から、ドイツ、アメリカ、ポーランドなどでは人が食べる食品への使用が禁止されています。
赤色40号
赤色40号はアルラレッドACという別名を持っている着色料です。食用タール色素のひとつです。酸化や還元に弱いという性質を持っています。
ちなみに、酸化とはある物質に酸素が結びつくことで、還元とは酸化されている物質から酸素が取り去られてしまうことです。
そして、赤色40号は日本では清涼飲料、ガム、キャンディーなどに使われていることが多いですが、あまり使われている食品を見ることはないでしょう。
そんな赤色40号ですが、アレルギーを誘発したり、腎臓に悪い影響を与えたりする可能性があります。
赤色102号
赤色102号はニューコクシンという別名を持っている着色料です。食用タール色素のひとつです。
常温では赤もしくは暗い赤の粒または粉末状の固体であり、においはありません。
日本では洋菓子やソーセージなどに用いられていることが多いでしょう。
そんな赤色102号ですが、発がん性が認められており、アレルギーを誘発する可能性もあります。
また、ラットによる実験では多量の摂取により心臓や肺に障害が起こることがわかっています。
そのため、日本では使用が認められていますが、ベルギー、カナダ、アメリカなどでは使用が禁止されています。
赤色104号
赤色104号はフロキシンという別名を持っている着色料です。
常温では粉末であり、においはありません。そして、酸化や還元に弱いという特徴を持っています。
桃色に着色することができるため、日本ではソーセージや和菓子などに使用されています。
そんな赤色104号ですが、発がん性があり、遺伝子が損傷する可能性や染色体が異常を起こす可能性、遺伝の情報に変化が生じてしまう可能性などもあります。
そのため、日本以外のほとんどの国では人間の食品に使用することが禁止されています。
赤色105号
赤色105号はローズベンガルという別名を持つ着色料です。食用タール色素のひとつです。
そして、日本ではソーセージや練り製品などに利用されます。
そんな赤色105号を摂取するとがんになったり、染色体異常が起こったりする可能性があります。
また、ラットによる実験では肝臓や腎臓に悪影響が出ることがわかっています。また、甲状腺障害になる可能性もあります。
そのため、日本以外のほとんどの国では人間の食品に使用することが禁止されています。
赤色106号
赤色106号はアシッドレッドという別名を持つ着色料です。食用タール色素に分類されます。
日本では清涼飲料などに使用されています。
そんな赤色106号ですが、発がん性があり、染色体異常が起こる可能性もあります。
そのため、世界のほとんどの国で食用に使用することが禁止されており、食用として使用することができるのは日本くらいです。
青系
日本で食品に使用することが認められている青系の着色料は以下の2種類です。それぞれ見ていきましょう。
青色1号
青色1号はブリリアントブルーFCFという別名を持つ着色料です。食用タール色素のひとつです。
常温では金属光沢のある赤紫色の粒状の固体でにおいはありません。
お菓子やジュースなどを青色に着色する場合に使用されます。
このように、食品に使用することもできますが、大腸内視鏡検査で腺腫(せんしゅ)を判別するための染色液として使用されることもあります。
ちなみに、腺腫とは大腸ポリープのうち良性のものです。
そんな青色1号ですが、ラットを用いた実験では青色1号を投与すると、脊髄(せきずい)の損傷が原因の炎症を抑えることができると報告されています。
ただ、これには副作用があり、目などの細胞が青く染まってしまいます。
このような青色1号ですが、発がん性は認められていません。そのため、着色料の中では安全なほうだと言われています。
そして、青色1号は日本やEU、アメリカなどでは食用に使用することができますが、ベルギー、フランス、ドイツ、スウェーデン、オーストリアなどでは食用に使用することが禁止されています。
ちなみに、フランスやドイツなどはEUに加盟していますが、EUの法律は部分的に批准しないことも可能なので、着色料を国として使用禁止することができます。
青色2号
青色2号はインジゴカルミンという別名を持つ着色料です。食用タール色素の一種で、光に弱い性質を持っています。
やや紫がかった青色に着色することができる着色料です。
そして、日本ではアイスや和菓子やチョコレートなどに使用されています。
そんな青色2号ですが、染色体異常が起こったり、がんの原因になったりすることがあります。
そして、けいれんが起こる可能性もあります。
黄系
日本で食品に使用することが認められている黄系の着色料は以下の2種類です。それぞれ見ていきましょう。
黄色4号
黄色4号はタートラジンという別名を持つ着色料です。食用タール色素のひとつで、黄色に着色することができます。
熱や光や塩基などに強いという特徴を持っています。そして、常温では黄色の粉状になっています。
日本ではゼリーやシロップなどに利用されています。
そんな黄色4号はアレルギーのような症状が出る可能性があります。
ノルウェーやスウェーデンでは食用に使用することが禁止されています。
黄色5号
黄色5号はサンセットイエローFCFという別名を持つ着色料です。だいだい色に着色することができます。食用タール色素のひとつです。
常温では赤色の粒もしくは粉末状の固体でにおいはありません。そして、熱や光に強い性質を持っています。
日本ではお菓子や清涼飲料に使用されています。
そんな黄色5号ですが、犬に対する実験では体重減少や下痢などの症状が出てくることが報告されています。
そして、がんの原因になったり、ぜんそく症状の原因になったりします。
緑系
日本で食品に使用することが認められている緑系の着色料は以下の1種類です。
緑色3号
緑色3号はファストグリーンFCFという別名を持つ着色料です。食用タール色素のひとつであり、緑色に着色することができます。
常温では粒もしくは粉末状の固体でにおいはありません。
光や熱や酸に強い性質を持っているため、長期間保存しても変化しないという利点があります。ただ、アルカリには弱いです。
そして、日本では清涼飲料に使用されることが多いでしょう。
そんな緑色3号ですが、比較的安全な着色料です。
アレルギー症状が出る可能性はありますが、発がん性などは確認されていません。
そして、EUでは食用として緑色3号を使用することは禁止されており、オーストラリアやニュージーランドやブラジルなどでも禁止されています。
白系
日本で食品に使用することが認められている白系の着色料は以下の1種類です。
二酸化チタン
二酸化チタンはチタンという金属元素の化合物のひとつで、酸化チタン(Ⅳ)と表記されることもあります。また、単に酸化チタンと書かれていることもあります。
そして、二酸化チタンにはルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3種類がありますが、食品に使用されるのはルチル型とアナターゼ型です。
ちなみに、食品に使用されるときには、ナノ粒子という粒がとても小さくなった状態になっていることがほとんどです。食品には白色の着色料として使用されます。
そして、食品以外では、日焼け止めや化粧品などに用いられることが多いでしょう。
そんな二酸化チタンは多くの動物実験によって毒性があることがわかっています。
そして、WHOは二酸化チタンを「発がん性のある物質」に分類しています。また、アメリカのがん学会は二酸化チタンを「もっとも発がん性の高い5つの物質」のひとつだとしています。
また、マウスによる実験ではナノ粒子が胎児に対して神経毒性を引き起こしたということが明らかになっています。そして、不妊になったり、妊娠合併症を引き起こしたりする可能性もあります。
ちなみに、二酸化チタンには食べたときの危険性もありますが、吸入するとより危険であると言われています。
たとえば、動物実験で二酸化チタンを吸入すると脳で炎症が起こったり、細胞ストレスの値が上昇したりしました。
また、記憶をつかさどる脳の部位である海馬の損傷も見られました。このことから、二酸化チタンを摂取するとアルツハイマー病になる可能性もあります。
アルミニウムレーキについて
着色料の中には水酸化アルミニウムと化合させたものもあります。そして、そのような着色料を食用アルミニウムレーキ色素と言います。
そして、着色料をアルミニウムレーキにすると、粒子が細かくなり、水に溶けにくくなり、伸びがよくなり、ムラなく着色できるようになります。
また、光や熱への耐性が上がり、変色を防ぐことができるというメリットもあります。
ただ、食用アルミニウムレーキ色素が含まれている食品を食べると、どうしてもアルミニウムを大量摂取することになります。
アルミニウムを大量に摂取すると生殖器の正常な発達が阻害されたり、腎臓やぼうこうや神経系に悪影響が出たり、握力が低下したりします。
そして、たとえ食用アルミニウムレーキ色素になっていても、パッケージに食用アルミニウムレーキ色素だと表示する義務はありません。
そのため、ふつうの着色料なのか、アルミニウムレーキの着色料なのか、消費者は判別することができません。
ちなみに、現在食用アルミニウムレーキ色素として認可されている合成着色料は以下の8種です。
- 赤色2号
- 赤色3号
- 赤色40号
- 黄色4号
- 黄色5号
- 緑色3号
- 青色1号
- 青色2号
できるだけ着色料が含まれていないドッグフードを選んであげるようにしましょう。
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