犬に「イカ」を与えるときの全知識|食べても大丈夫?

ドッグフードの原材料と成分

愛犬にイカを与えても大丈夫なのでしょうか? 答えは条件付きのイエスです。
 
ドッグフードにイカが使われていることはないと思いますが、イカはとても身近な食材ですよね。イカ飯、イカの寿司、イカ入りのスパゲッティなど、イカが使われている料理は本当にたくさんあります。

なので、愛犬にもイカを与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では「犬にイカを与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。

イカの効果効能


まず、イカにはたんぱく質が多く含まれているため、たんぱく質源として有用です。

そして、イカに含まれているタウリンには疲労を回復し、高血圧を防ぐ効果があります。そのため、イカはよく運動する犬に適しています。

また、イカにはDHAが含まれていますが、DHAは血液をサラサラにしてくれます。

イカの栄養成分


イカ(するめいか)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。

成分名 成分量(100gあたり)
水分 80.2g
たんぱく質 17.9g
ビタミンE 2.1㎎
ナトリウム 210㎎
カリウム 300㎎
リン 250㎎
亜鉛 1.5㎎
マグネシウム 46㎎
0.29㎎

[出典:食品成分データベース(文部科学省)]

➀たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。

➁ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があります。抗酸化作用により、さまざまな病気が予防されます。

➂リン

85%のリンは体内でカルシウムやマグネシウムと一緒に骨や歯を作る成分になっています。また、15%は筋肉や脳や神経などに存在し、エネルギーを作り出すのに役立ちます。

ただ、リンはとりすぎてしまうとカルシウムを奪ってしまい、骨が弱くなってしまいます。また、腎臓の負担にもなります。

➃マグネシウム

マグネシウムは体内で骨や歯をつくるために使われています。そして、マグネシウムは体内で不足すると骨から遊離して神経の興奮を抑えたり、エネルギを作ったり、血圧を維持したりするのに利用されます。

➄銅

銅は鉄から血液中にある赤血球が作られるのを助けるミネラルです。赤血球のヘモグロビンは鉄を成分にしていますが、銅にはヘモグロビンをつくるとき、鉄を必要な場所に運ぶ役割を持っているのです。また、酵素の原料にもなり、骨の形成を助ける役割などもになっています。

➅タウリン

タウリンの一番大きな働きは肝臓の働きを活発にすることです。また、他にも血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、血圧を正しく保ったり、肝臓の解毒能力を強化したりする効果があります。

イカの注意点

アレルギーに注意!


イカは甲殻類の一種です。そして、甲殻類は比較的アレルゲンになりやすい食材です。そのため、イカの場合もアレルギーには注意する必要があります。

イカをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。

 

そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、甲殻類アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。

また、一度食べて大丈夫でも、一度目食べたときに抗体ができて、二度目にアレルギーを発症してしまう場合もあります。

そして、甲殻類アレルギーは重篤なアナフィラキシーショックが起こりやすいので注意が必要です。

与えすぎに注意!

犬は魚介類の消化が苦手です。そのため、イカを与えすぎてしまうと消化不良になり、下痢や嘔吐の原因になってしまう可能性があります。

生のイカに注意!

イカ、エビ、タコなどにはチアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれています。そのため、チアミナーゼを多く摂取するとビタミンB1欠乏症になってしまうかもしれません。このことから、生のイカを犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。

ちなみに、ビタミンB1欠乏症になると、最初のころは食欲が低下したり、よだれが多くなったりします。そして、その後はけいれん発作が起こったり、運動障害が起こったりします。

このような症状が出たら動物病院へ連れていってください。治療すれば1日程度で回復を見込めます。

ただ、チアミナーゼは加熱すれば効果を失います。

胃腸の弱い犬・体調の悪い犬には不適

イカは犬にとって消化しにくい食べ物です。そのため、消化器官が弱っていると少量でも下痢や嘔吐をしてしまうかもしれません。

そのため、胃腸が弱い犬や体調の悪い犬にイカを与えるのは避けたほうがいいでしょう。

そして、嘔吐などが続いた場合には、動物病院へ連れていってあげるのをおすすめします。

アニサキスによる食中毒に注意!

アニサキスによる食中毒はアニサキスという寄生虫の一種を含む食品を摂取してしまうことで発生します。そして、アニサキスはイカ、サバ、イワシ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生すると言われています。

しかし、内臓を食べていないからといって安心することはできません。アニサキスは寄生している魚の鮮度が落ちてくると内臓から筋肉に移動してしまうからです。

そして、アニサキスが寄生している魚介類を生で食べてしまうとアニサキスが腸壁や胃壁に侵入してしまい、食中毒を引き起こしてしまいます。症状は嘔吐や激しい痛みなどです。

 

ちなみに、アニサキスは熱に弱いため、煮たり焼いたりするとほぼ死滅します。具体的には60℃以上で1分以上で死滅すると言われています。

また、アニサキスは低温にも弱い寄生虫です。そのため、-20℃で24時間冷凍する方法でも死滅させることができます。

銅蓄積症に注意!

人の血はヘモグロビンに含まれている鉄分の影響で赤くなっていますが、イカの血液は青くなっています。

これはイカの血液中に赤血球が存在せず、鉄ではなく銅が含まれているからです。

銅が血液中で酸素と結びつき、変色して青色になっているのです。

 

そして、銅が体内にたまってしまい代謝できなくなってしまうと、銅蓄積症になってしまいます。

ちなみに、銅蓄積症の症状は黄疸、元気消失、食欲減退、嘔吐などです。これらの症状が出てきたら銅蓄積症を疑い、動物病院へ連れていってあげましょう。

 

そして、銅蓄積症は全然発症しない犬もいますが、遺伝的に発症しやすい犬種もいます。

それはベドリントンテリアとウエストハイランドホワイトテリアです。特にベドリントンテリアについては50%が銅蓄積症の危険因子を持っており、25%がすでに発症していると言われています。

また、ドーベルマン、コッカースパニエル、スカイテリア、ワイアーフォックステリア、エアデールテリア、ダルメシアン、ケリーブルーテリアなども銅との関係性は明らかになっていませんが、肝障害が起こりやすい犬です。

これらの犬を飼っている人は特に注意が必要です。

味付きのイカに注意!

人はイカを食べるとき塩やしょうゆなどで味付けすることが多いと思います。そして、これらの味がついたイカは犬に適していません。そのため、味が付いたイカは犬に与えないようにしましょう。

また、イカはネギ類と炒められることもありますが、その場合には犬へ絶対に与えないようにしましょう。ネギ類は犬へ絶対に与えてはいけない食品だからです。

加工品に注意!

イカの加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。

さきいか

さきいかには100g中6.9gの塩分が含まれています。これはとても多い量です。そのため、犬にさきいかを与えてしまうとすぐに塩分過多になってしまいます。そのため、犬にさきいかを与えるのはやめたほうがいいでしょう。

そして、犬が塩分過多になってしまうと心臓や腎臓に負担がかかってしまい、さまざまな病気の原因になってしまう可能性があります。

スルメ

スルメには100g中2.3gの塩分が含まれています。これはさきいかほどではないですが多い量です。そのため、犬にスルメを与えるのはおすすめできません。

また、スルメは犬の胃の中に入ると水分を吸って大きく膨張します。そのため、犬がスルメを多く食べると胃痛や吐き気、嘔吐の原因になってしまう場合があります。

そして、スルメは消化にも悪い食べ物です。

塩辛

塩辛はイカの内臓を生で塩漬けにし、酵素と微生物によって発酵させたものです。生なのでアニサキスによる食中毒のリスクやチアミナーゼによるビタミンB1欠乏症のリスクがあり、与えるべきではありません。

また、塩分もとても多く含まれているので、その意味でも与えないようにしましょう。

イカの与え方


生のイカは犬へ与えないようにしましょう。そして、犬にイカを与えるときには新鮮なものを加熱し、細かく刻んでから与えるようにしましょう。

ちなみに、加熱する方法としては焼くことやゆでることなどがあげられるでしょう。

また、フードプロセッサーなどでペースト状にしてあげるのもおすすめです。そうすれば消化の面はだいぶ改善されます。

 

ちなみに、与える量の目安は一概には言えませんが、イカは犬にとって消化に悪い食材です。そのため、与える量は少なめにしたほうがいいでしょう。そして、多くてもおやつの範囲におさめ、1日の摂取カロリーの20%は超えないようにしましょう。

また、はじめはごく少量を与えるようにしましょう。アレルギーの可能性もありますし、イカが犬の体質に合ってない可能性もあるからです。

ドッグフードの達人
イカはアレルギーがない犬で、なおかつ加熱してあれば基本的には与えても問題ありません。しかし、消化に悪いものをわざわざ与える理由もありません。

特別な理由がない限り、与えないのが無難なのではないでしょうか。

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