愛犬にキシリトールを与えてはいけません。
キシリトールはとても身近な成分で、ガムや歯磨きなどによく含まれています。そのため、毎日のように接しているという人も多いのではないでしょうか。しかし、キシリトールは犬に与えてはいけないものとして有名です。
そこで、この記事では「犬にキシリトールを与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
低血糖状態になってしまう
犬がキシリトールを摂取してしまうと低血糖状態になってしまいます。
そして、一時間以内に発作が起こったり、昏睡状態になったりすると考えられています。
犬がキシリトールを摂取してしまった場合、すぐに動物病院へ連絡を取るようにしましょう。
そもそもキシリトールって何?
そもそもキシリトールとは、糖アルコールの一種です。ちなみに、糖アルコールとは糖質の一種です。アルコールという名前がついていますが、アルコールとは関係ありません。
キシリトールは糖質の一種なのでもちろん甘さがあり、その甘さは砂糖と同じくらいと言われています。
そして、キシリトールは溶けるときに熱を奪うため、口の中に含むとスーッとした冷たい感覚があります。そのため、ミントの味とよく合います。このことから、キシリトールはミント味のものに入っていることが多いです。
また、糖質の一種なのでガムやキャンディーやのど飴やタブレットやチョコレートなどの甘味料として使われていることもあります。
そして、キシリトールは糖質なのにも関わらず虫歯の原因にならず、むしろ虫歯の発生や進行を防ぐ効果があります。そのため、歯磨き効果があるガムや、歯磨き粉などに使われていることがあります。
また、ごく微量ではありますが、いちごやレタスなどの中にも含まれています。
ちなみに、キシリトールには果物の味をより新鮮なものにしたり、苦味を消したりする効果があります。そして、先ほども述べた通り冷却効果もあるため、布地に応用されることもあります。具体的には、夏用肌着や寝具などに活用されていることがあります。
また、化粧品に含まれていることもあります。
犬にキシリトールを与えるのはなぜダメ?
キシリトールを犬へ絶対に与えてはいけないのは、簡単に言うと極端な低血糖状態になってしまうからです。詳しく見ていきましょう。
動物の体には血液中に含まれている糖分の量を一定に保つ仕組みがあります。なぜなら、血液中の糖分の量が増えてすぎてしまうと糖病につながってしまいますし、減りすぎても低血糖状態になってからだがエネルギーをうまく補給できなくなってしまうからです。
そして、血液中の糖分の量、つまり血糖値を一定に保っているのはインスリンです。インスリンは血液中にある余分な糖分を細胞に取り込んでもらい、エネルギー源として利用してもらうことで血糖値を一定に保っています。
そして、人間がキシリトールを摂取してもインスリンは正常に働いてくれますが、犬の場合は異なります。
犬がキシリトールを摂取してしまうと肝臓から急激にインスリンが放出されてしまうのです。
そして、インスリンが大量に放出されてしまうと血液中にある糖分が必要以上に細胞へ取り込まれてしまい、血糖値が極端に低くなってしまいます。
低血糖状態になると脳などの中枢神経がエネルギーを補給できなくなってしまい、深刻な状態になってしまうのです。
キシリトールの中毒量
動物にとって血糖値が低すぎることは深刻な影響を及ぼすため、キシリトールは犬にとって特に毒性が強い物質と言えます。
そのため、キシリトールは10㎏の犬に対して1gを摂取させただけでも危険だと言われています。
ちなみに、一般的なガムには1粒あたり0.5gのキシリトールが含まれています。そのため、小型犬の場合には1粒を食べただけでも深刻な中毒症状が出てしまうかもしれません。
そのため、犬がキシリトール入りのガムなどを食べてしまったら、量を把握し、症状が出ていなくても動物病院へ連絡するようにしましょう。
キシリトールを食べたときの症状
キシリトールによる中毒症状は食べてから10分~30分の比較的早い段階で出てきてしまう確率が高いです。そのため、犬がキシリトールを摂取してしまったら、早急に対処する必要があります。
犬がキシリトールを摂取してしまった場合、まず初期症状では嘔吐や下痢が発生します。元気がなくなる、食欲がなくなる、などの症状が出ることもあります。そして、一時間以内に発作が起こったり、昏睡状態になったりすると考えられています。
また、症状が重い場合にはインスリンを放出する肝臓が機能不全に陥って肝不全になり、命を落としてしまう場合もあります。
キシリトールを食べたときの対処法
犬がキシリトールを摂取してしまった場合、すぐに動物病院へ連絡を取るようにしましょう。なぜなら、キシリトールの中毒は比較的はやく起こる傾向があり、摂取してから1時間以内に重篤化してしまう可能性が高いからです。
そして、獣医の判断によっては病院へ行く前に嘔吐させるように指示があるかもしれません。その場合には獣医の指示に従って応急処置を行うようにしましょう。
ちなみに、動物病院ではキシリトールを多く摂取している場合は犬を吐かせたり、胃洗浄を行ったりする場合が多いです。また、どのくらい影響が出ているのか調べるために血液検査を行ったり、肝不全を予防するために肝庇護剤を投与したりします。
また、キシリトールの摂取量が少なめなことが明らかな場合や、症状が出ていない場合はブドウ糖を点滴します。これはキシリトールによる低血糖状態に対抗して血液中の糖分量を増やす必要があるためです。
しかし、深夜などで動物病院へ連れていけない場合もあると思います。その場合には飼い主がキシリトールを吐かせる必要があります。
ちなみに、吐かせる方法としては塩水を使用する方法が知られていますが、これはあまりおすすめできません。塩を摂取しすぎて塩中毒になってしまう可能性があるからです。
犬に吐かせる処置を行うなら、オキシドールを使いましょう。オキシドールも胃の中に傷がある場合はおすすめできませんが、塩よりはずっとましな吐かせ方です。
そして、オキシドールを使って吐かせる場合、まずは体重5㎏あたり11mlのオキシドール(3%)を用意します。そして、これを犬の舌の奥のほうに流し込みます。そうすると15分ほどで吐いてくれることが多いです。もし吐かなかった場合、水を飲むと吐きやすくなります。
ただ、20分たっても吐かない場合もあります。その場合には同じことを再度行いましょう。
しかし、オキシドールによる吐かせる処置は犬に意識や反応がなかったり、犬が興奮状態になっている場合には行うべきでありません。また、1時間以内に吐かせる必要があり、それ以降は吐かせても意味がありません。
キシリトールを誤って食べてしまうケース
キシリトールが含まれている食品は意外と多くありますが、特にガムは少量でも中毒になる可能性が高いため危険です。
そのため、キシリトールが含まれているガムなどは犬が届かないような場所に置くようにしましょう。
犬は人間が食べる食べ物を魅力的に感じるため、飼い主が少し目を離したすきに食べてしまうこともあると思います。少し席を立つ場合でもキシリトールが含まれているガムを犬が届くところにおかないようにしましょう。
果物や野菜の中に入っているキシリトール
先ほども述べた通り、キシリトールはイチゴやレタスなど、果物や野菜の中に入っていることがあります。
そして、キシリトールは犬に対して強い毒性を持っているので、これらの食べ物を与えることに不安を覚えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、イチゴやレタスなどに含まれているキシリトールはごく微量であり、犬がこれらを食べて中毒を起こすことはまずないでしょう。
イチゴの場合は糖分が多く含まれているため、キシリトールについて心配するよりも先にむしろ高血糖で糖尿病になる心配をしたほうがいいですし、レタスの場合も先に食物繊維による消化不良が起こるでしょう。
犬の歯の守り方
人間の唾液には糖分を分解する成分が含まれており、糖分が分解されて酸が生じることによって虫歯が起こってしまう可能性があります。
しかし、犬の唾液には糖分を分解する成分が含まれていないため、犬は人間よりも虫歯になりにくい動物です。しかし、歯石ができたり歯周病になったりしてしまうリスクはあります。
そして、歯石や歯周病になってしまうと麻酔が必要な治療を受けることになってしまいます。そのため、犬の場合にも日ごろの口内ケアは重要です。
そして、犬の日ごろの口内ケアは歯磨きが基本ですが、中には歯磨きを嫌がる犬もいると思います。その場合にキシリトールが含まれているものを与えたくなってしまう気持ちはわかります。しかし、これまでにも述べてきた通り、キシリトールは犬にとって毒物です。
歯磨きを嫌がる犬の口内ケアをする場合、なめさせるだけで口内ケアをしてくれるものもあるので、そちらを使うといいでしょう。
また、口腔内の善玉菌を増やして口腔環境を整えるサプリメントもあるので、それを使うのもおすすめです。
特にキシリトールが含まれているガムは絶対に与えないようにしましょう。
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