ドッグフードのコラム

犬が水を飲みすぎるのは病気のサイン?病気以外の原因と注意点も解説

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暑い時や運動後でもないのに、愛犬が水を飲みすぎるのは心配ですよね。

犬が水を飲みすぎる時は、病気のサインの可能性もあります。

病気でない場合も、原因を知ることで適切に対処をすることが大切です。

そこで、この記事では、犬が水を飲みすぎる時に考えられる病気と、病気以外の原因に加え、注意点も詳しく解説します。

結論:水の飲みすぎは病気の可能性

前提として、犬が水を飲みすぎると、以下のような病気につながる危険性があります。

  • 胃拡張
  • 胃捻転
  • 水中毒

そのため、犬が水を飲みすぎる時は、理由を知って適切な対処法をとることが重要です。

犬が水を飲みすぎる理由には、病気によるものと、病気以外の原因があります。

病気 慢性腎臓病
子宮蓄膿症
糖尿病
クッシング症候群
アジソン病
尿崩症
病気以外の原因 ①気温や湿度が高い
②フードによるもの
③ストレス
④薬の副作用

水の飲みすぎのチェック方法

犬が水を飲みすぎかどうかは、以下のような方法でチェックしましょう。

  • 飲んだ水を測定する
  • おしっこをチェックする

それぞれ詳しく解説します。

飲んだ水を測定する

犬が水を飲みすぎかどうかは、飲んだ水を測定することでチェックできます

犬に必要な水の量は、1日に必要なエネルギー量とほぼ等しいとされています。

犬に必要な1日あたりの水の量(ml)
=体重(kg)×0.75×132(ml)

例えば、体重が5kgの犬なら、1日に必要な水の量は5(kg)×0.75×132(ml)=492(ml)です。

必要な水の量の100ml以上飲んでいる場合、飲みすぎの可能性が高いです。

ただし、上記の計算式はあくまでも目安です。

暑い時や運動した後に、水をたくさん飲むこともあります。

水を多く飲むことが、ずっと続くかどうかがポイントです。

おしっこをチェックする

犬が水を飲みすぎかどうかは、おしっこをチェックすることで判断できます

犬が水を飲みすぎている場合、以下のような症状になることがあります。

  • お漏らしをする
  • おしっこをする時間が長い
  • おしっこの回数が多い
  • おしっこの色が薄い
  • ペットシーツのおしっこの広がりが今までより大きい

水の飲みすぎによって、尿の量が増えるのです。

【病気】犬が水を飲みすぎる原因

水の飲みすぎを引き起こす病気には以下のようなものがあります。

  • 慢性腎臓病
  • 子宮蓄膿症
  • 糖尿病
  • クッシング症候群
  • アジソン病
  • 尿崩症

それぞれ詳しく解説します。

原因①慢性腎臓病

犬が水を飲みすぎの時に疑いのある病気に、慢性腎臓病があります

慢性腎臓病は、腎臓の機能が徐々に悪化していく病気です。

腎臓の機能が悪化して尿の量が増えるため、水を多く飲むようになります。

症状 元気がない
食欲不振
体重が減る
尿の色が薄い
毛にツヤがなくなる
嘔吐
治療法 薬で症状の進行を遅らせる
点滴で毒素を薄める
かかりやすい犬 5歳以上の犬
ホルモン関連の病気がある犬

慢性腎臓病は、症状がかなり進行しないと、血液検査や尿検査の結果で異常が判明しないため、発見した時点でかなり悪化している場合があります。

原因②子宮蓄膿症

犬が水を飲みすぎの時に疑いのある病気に、子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)があります

子宮蓄膿症は、子宮の中に細菌が入り込み、毒素を排出して腎臓の機能が低下する病気です。

腎臓の機能が悪化して尿の量が増えるため、水を多く飲むようになります。

症状 元気がない
食欲不振
お腹が膨らむ
隠部をしきりに舐める
陰部から膿が出る
治療法 子宮卵巣の全摘出
注射薬による内科治療
かかりやすい犬 避妊をしていない中~高齢のメス
出産経験のないメス

子宮蓄膿症は、毒素が全身に回ると短期間で命に関わる可能性が高いため、早期発見が重要です。

原因③糖尿病

犬が水を飲みすぎの時に疑いのある病気に、糖尿病があります

糖尿病は、体内のインスリンが十分に作用しないことで、血液中のブドウ糖が増える病気です。

血糖値が高くなって尿の量が増えるため、水を多く飲むようになります。

症状 元気がない
食欲不振
食欲はあるのに体重が減る
下痢や嘔吐
治療法 注射で血糖値をコントロールする
かかりやすい犬 8歳以上のシニア犬
メス
肥満体型
ミニチュアシュナウザー、ミニチュアピンシャー、ビーグル、ダックスフンド、プードル

糖尿病は、発症すると完治することはありませんので、悪化しないようにする必要があります。

原因④クッシング症候群

犬が水を飲みすぎの時に疑いのある病気に、クッシング症候群があります

クッシング症候群は、別名・副腎皮質機能亢進(こうしん)症ともいいます。

クッシング症候群は、腎臓のそばにある副腎皮質からコチルゾールというホルモンが過剰分泌される病気です。

コチルゾールの過剰分泌によって、体に様々な不調をきたすため、水を多く飲むようになります。

症状 元気がない
食欲増加
お腹が膨れる
左右対称に毛が抜ける
治療法 ステロイドの投与などの投薬
放射線治療
脳外科手術
かかりやすい犬 8歳以上のシニア犬
長期間ステロイドを投与されていた犬
プードル、ダックスフンド、ボストンテリア、ボクサー

クッシング症候群は、症状が老化と似ているため、気がつきにくい病気です。

コルチゾールは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、ストレスを受けた時に分泌が増えます。

原因⑤アジソン病

犬が水を飲みすぎの時に疑いのある病気に、アジソン病があります

アジソン病は、別名・副腎皮質機能低下症ともいいます。

アジソン病は、腎臓のそばにある副腎皮質からコチルゾールというホルモンが不足れる病気です。

コチルゾールの不足によって、体に様々な不調をきたすため、水を多く飲むようになります。

症状 食欲不振
体重が減る
あまり動こうとしない
震え
下痢や嘔吐
治療法 ホルモン補充療法
かかりやすい犬 4歳~7歳
7歳~8歳のメス

原因⑥尿崩症

犬が水を飲みすぎの時に疑いのある病気に、尿崩症(にょうほうしょう)があります

尿崩症は、体内の水分量を調節する抗利尿ホルモンが分泌異常を起こす病気です。

腎臓から水分が再吸収されなくなり、尿の量が増えるため、水を多く飲むようになります。

症状 元気がない
体重が減る
脱水症状
治療法 薬剤の投与
かかりやすい犬 全ての犬種

尿崩症になると、多飲多尿になるため、脱水症状を起こしやすくなります。

【病気以外】犬が水を飲みすぎる原因

病気のほかに、犬が水を飲みすぎる原因には以下のようなものがあります。

  • 気温や湿度が高い
  • フードによるもの
  • ストレス
  • 薬の副作用

それぞれ詳しく解説します。

原因①気温や湿度が高い

犬が水を飲みすぎる原因には、気温や湿度が高いことが挙げられます

なぜなら、気温や湿度が高くなると、犬は体温を下げるためにパンティングをするからです。

パンティングとは、舌を出して呼吸すること体温調節です。

パンティングには多くの水分が必要なため、水を飲む量が増えるのです。

原因②フードによるもの

犬が水を飲みすぎる原因には、フードによるものも挙げられます

るウェットフードからドライフードに変えた場合、フードに含まれる水分量が減るため、水を飲む量が増えることがあります。

また、ビーフジャーキーなどのおやつを与えた後は、たくさん水を飲む傾向があります。

なぜなら、おやつは塩分が多いため、喉が渇くからです。

原因③ストレス

犬が水を飲みすぎる原因には、ストレスも挙げられます

環境が変化したり、飼い主とのコミュニケーションが不足したりすると、水を飲むことでストレスを解消しようとします。

犬がストレスを感じている仕草には以下のようなものがあります。

  • あくび
  • 顔や目をそらす
  • 身体をブルブルと震わせる
  • 運動後でもないのにハァハァする
  • 無駄に吠える
  • 尻尾が下がる
  • 同じ場所をグルグルする
  • 身体を舐めたり尻尾を噛んだりする
  • 食欲不振
  • 下痢や嘔吐
  • 季節の生え変わりではない脱毛

上記のうち、下の仕草ほどストレスを感じている可能性が高いです。

原因④薬の副作用

犬が水を飲みすぎる原因には、薬の副作用も挙げられます

例えば、アトピーのかゆみ止めとして使用されるステロイド剤や、心臓病の治療として使用される利尿剤は尿の量を増やします。

そのため、水分を摂取しようとして水を飲む量が増えるのです。

水の飲みすぎによって引き起こされる病気

水の飲みすぎによって引き起こされる病気には以下のようなものがあります。

  • 胃拡張
  • 胃捻転
  • 水中毒

それぞれ詳しく解説します。

胃拡張

水の飲みすぎによって引き起こされる病気には、胃拡張があります

胃拡張は、胃にガスと液体が溜まった状態です。

吐きたくても吐けないため、よだれが大量に出ます。

胃捻転

水の飲みすぎによって引き起こされる病気には、胃捻転(いねんてん)もあります

胃捻転は、胃の中で空気が膨張して、胃がねじれる状態です。

特に大型犬で起こりやすく、短時間で命に関わるため注意が必要です。

水中毒

水の飲みすぎによって引き起こされる病気には、水中毒もあります

水中毒は、血液中のナトリウムイオンの濃度が低下する状態です。

軽度の場合はふらつきや大量のよだれが見られ、重度の場合は命に関わります。

犬が水を飲みすぎる時の注意点

犬が水を飲みすぎる時の注意点には以下のようなものがあります。

  • 水を減らさない
  • 飲んだ量を記録する

それぞれ詳しく解説します。

水を減らさない

犬が水を飲みすぎる時は、飲み水を減らさないようにしましょう

無理に飲み水を減らすと、脱水症状を起こす危険性があるからです。

早めに動物病院に連れて行きましょう。

飲んだ量を記録する

犬が水を飲みすぎる時は、飲んだ量を記録しておきましょう

動物病院に連れて行く前に、犬がどれくらい水を飲んだのか記録しておくことで、症状の説明がスムーズになるからです。

以下のように、どれくらい水を飲んだかがわかる給水容器もあります。

補足:水遊びでの水分摂取にも注意

犬を川や海などで遊ばせる場合、過剰な水分摂取に注意しましょう

なぜなら、犬が口に何かをくわえたまま水遊びをすると、無意識に大量の水を飲み込む危険性があるからです。

ホースから水を大量に与えたり、プールに潜って遊ばせたりする時には、適度な休憩をとるなど注意しましょう。

まとめ

以上、この記事では、犬が水を飲みすぎる時に考えられる病気と、病気以外の原因に加え、注意点について解説しました。

最後にポイントをおさらいしましょう。

病気 慢性腎臓病
子宮蓄膿症
糖尿病
クッシング症候群
アジソン病
尿崩症
病気以外の原因 ①気温や湿度が高い
②フードによるもの
③ストレス
④薬の副作用

少しでも気になることがあれば、動物病院に連れて行きましょう。

しかし、飼い主として、愛犬のためにできることを知っておくことも大切ですね。

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