愛犬にエビを与えても大丈夫なのでしょうか? 答えは条件付きのイエスです。
ドッグフードにエビが使われていることはないと思いますが、エビはとても身近な食材ですよね。特にエビの寿司はとてもおいしいと思います。なので、愛犬にもエビを与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にエビを与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
エビの効果効能
まず、エビにはたんぱく質が多く含まれているため、たんぱく質源として有用です。
そして、キチンキトサンが腸内環境を整え、脂肪の排出を促してくれます。
また、ビタミンB12も多く含まれているため、貧血の予防に効果的です。
そして、ビタミンEによる抗酸化作用も期待できます。
エビの栄養成分
エビ(あまえび)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
水分 | 78.2g |
たんぱく質 | 19.8g |
ビタミンB12 | 2.4μg |
ビタミンE | 3.4㎎ |
ナトリウム | 300㎎ |
カリウム | 310㎎ |
リン | 240㎎ |
亜鉛 | 1㎎ |
銅 | 0.44㎎ |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。 ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球の中に含まれているヘモグロビンを作るのに役立っています。また、脳からの指令を体全体に伝える神経を正常に保つ効果もあります。 ビタミンEには抗酸化作用があります。抗酸化作用により、さまざまな病気が予防されます。 85%のリンは体内でカルシウムやマグネシウムと一緒に骨や歯を作る成分になっています。また、15%は筋肉や脳や神経などに存在し、エネルギーを作り出すのに役立ちます。 ただ、リンはとりすぎてしまうとカルシウムを奪ってしまい、骨が弱くなってしまいます。また、腎臓の負担にもなります。 銅は鉄から血液中にある赤血球が作られるのを助けるミネラルです。赤血球のヘモグロビンは鉄を成分にしていますが、銅にはヘモグロビンをつくるとき、鉄を必要な場所に運ぶ役割を持っているのです。また、酵素の原料にもなり、骨の形成を助ける役割などもになっています。 タウリンの一番大きな働きは肝臓の働きを活発にすることです。また、他にも血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、血圧を正しく保ったり、肝臓の解毒能力を強化したりする効果があります。 キチンキトサンは食物繊維の一種です。コレステロールの吸収を妨げ、コレステロール値を値を下げる効果があります。また、さまざまな病気を防ぎ、特にがんの予防には効果があります。 エビは甲殻類の一種です。そして、甲殻類は比較的アレルゲンになりやすい食材です。そのため、エビの場合もアレルギーには注意する必要があります。 エビをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。 そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、甲殻類アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。 また、一度食べて大丈夫でも、一度目食べたときに抗体ができて、二度目にアレルギーを発症してしまう場合もあります。 そして、甲殻類アレルギーは重篤なアナフィラキシーショックが起こりやすいので注意が必要です。 犬は魚介類の消化が苦手です。そのため、エビを与えすぎてしまうと消化不良になり、下痢や嘔吐の原因になってしまう可能性があります。 エビ、イカ、タコなどにはチアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれています。そのため、チアミナーゼを多く摂取するとビタミンB1欠乏症になってしまうかもしれません。このことから、生のエビを犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。 ちなみに、ビタミンB1欠乏症になると、最初のころは食欲が低下したり、よだれが多くなったりします。そして、その後はけいれん発作が起こったり、運動障害が起こったりします。 このような症状が出たら動物病院へ連れていってください。治療すれば1日程度で回復を見込めます。 ただ、チアミナーゼは加熱すれば効果を失います。 エビは犬にとって消化しにくい食べ物です。そのため、消化器官が弱っていると少量でも下痢や嘔吐をしてしまうかもしれません。 そのため、胃腸が弱い犬や体調の悪い犬にエビを与えるのは避けたほうがいいでしょう。 そして、嘔吐などが続いた場合には、動物病院へ連れていってあげるようにしましょう。 エビの殻や尻尾は人でも食べる人と食べない人に分かれますが、犬に与えるときには取り除くようにしましょう。 なぜなら、殻や尻尾は消化しにくく、もし食べてしまうと胃腸に負担がかかってしまうからです。 犬には身だけを与えるようにしましょう。 人の血はヘモグロビンに含まれている鉄分の影響で赤くなっていますが、エビの血液は青くなっています。 これはエビの血液中に赤血球が存在せず、鉄ではなく銅が含まれているからです。 銅が血液中で酸素と結びつき、変色して青色になっているのです。 そして、銅が体内にたまってしまい代謝できなくなってしまうと、銅蓄積症になってしまいます。 ちなみに、銅蓄積症の症状は黄疸、元気消失、食欲減退、嘔吐などです。これらの症状が出てきたら銅蓄積症を疑い、動物病院へ連れていってあげましょう。 そして、銅蓄積症は全然発症しない犬もいますが、遺伝的に発症しやすい犬種もいます。 それはベドリントンテリアとウエストハイランドホワイトテリアです。特にベドリントンテリアについては50%が銅蓄積症の危険因子を持っており、25%がすでに発症していると言われています。 また、ドーベルマン、コッカースパニエル、スカイテリア、ワイアーフォックステリア、エアデールテリア、ダルメシアン、ケリーブルーテリアなども銅との関係性は明らかになっていませんが、肝障害が起こりやすい犬です。 これらの犬を飼っている人は特に注意が必要です。 エビの加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。 エビせんは犬用に作られているものであれば、もちろん与えても問題ありません。➀たんぱく質
➁ビタミンB12
➂ビタミンE
➃リン
➄銅
➅タウリン
➆キチンキトサン
エビの注意点
アレルギーに注意!
与えすぎに注意!
生のエビに注意!
胃腸の弱い犬・体調の悪い犬には不適
殻や尻尾に注意!
銅蓄積症に注意!
加工品に注意!
エビせん
しかし、人間用のエビせんは犬にとって塩分が多すぎるので与えるべきではありません。もし与えてしまうと塩分過多になってしまいます。
また、人間用のエビせんは味が濃く、油も多いので、犬に与えるのに適していません。
桜エビのふりかけ
桜エビのふりかけも犬用のものなら与えても問題ありません。
ただ、桜エビは小さいため、殻ごと食べてしまうのが普通です。そのため、消化能力が弱い犬は下痢や嘔吐などをしてしまう可能性があります。そのような犬には適していません。
エビフライ
これはエビフライに限った話ではありませんが、犬に揚げ物を与えるのは良くありません。脂質の取りすぎで下痢を起こしたり、肥満の原因になったりしてしまいます。
エビチリ
これは言わなくても想像つくと思いますが、エビチリを犬に与えるのは絶対にやめましょう。エビチリに入っている豆板醤は犬にとっては刺激が強すぎますし、エビチリには犬にとっては多すぎる塩分も含まれています。
また、エビチリには犬に絶対に与えてはいけない食材のひとつであるネギ類が使われていることも多くあります。
ちなみに、もし犬がエビチリを食べてしまったらネギ類の中毒症状が出ないか様子を見て、何か異常があるようだったら動物病院へ連れていってあげましょう。
エビの与え方
犬に生のエビを与えてはいけません。そのため、犬にエビを与えるときにはまず加熱するようにしましょう。そして、殻や尻尾などのかたい部分は取り除いてやり、細かく刻んでから与えるといいでしょう。
ただ、味付けはしないようにしましょう。人間にとってはちょうどいい味付けでも、犬にとっては濃すぎるからです。
また、フードプロセッサーなどでペースト状にしてあげるのもおすすめです。そうすればかなり消化を改善することができます。
そして、エビの適量は一概には言えませんが、あくまでおやつやトッピング程度として、少なめがいいでしょう。また、はじめはごく少量にしましょう。
犬がエビにアレルギーを持っている可能性もありますし、体質に合ってない可能性もあるからです。
特別な理由がない限り、与えないのが無難なのではないでしょうか。
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