愛犬がドッグフードを噛まずに飲み込むと、「消化に良くないのでは?」と心配になりますよね。
実は、犬が食べ物を噛まずに飲み込むのは自然なことなのです。
ただし、消化器官が衰えている危険性もありますので、適切な対策をとりましょう。
そこで、この記事では犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由に加えて、対策や犬の消化の仕組みを詳しく解説します。
結論:犬がドッグフードを噛まずに飲み込むのは自然
結論から述べると、犬がドッグフードを噛まずに飲み込むのは自然なことですので、基本的に心配はいりません。
なぜなら、犬は以下のような理由によって食べ物を噛まずに飲み込むからです。
- 歯の構造
- 群れの習性
- 唾液で消化できない
ただし、子犬シニア犬は十分に消化できないことがあるため注意しましょう。
具体的な対策には以下のようなものがあります。
- 小粒のフードを与える
- フードをふやかす
- フードを砕く
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由には以下のようなものがあります。
- 歯の構造
- 群れの習性
- 唾液で消化できない
それぞれ詳しく解説します。
理由①歯の構造
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由に、歯の構造によるものが挙げられます。
犬の歯は全て、先端が鋭く尖っているため、引き裂くことには適していますが、噛んですり潰すことには適していません。
犬の歯は以下のような構造になっています。
用途 | 本数 | |
---|---|---|
切歯(せっし) | 前歯。かじったり噛み切ったりするために使う | 上顎に6本 下顎に6本 |
犬歯(けんし) | 最も長く先端が鋭い | 上顎に2本 下顎に2本 |
前臼歯(ぜんきゅうし) | 平べったく、引き裂くのに使う | 上顎に8本 下顎に8本 |
後臼歯(こうきゅうし) | 上面がすりこぎ状になっている | 上顎に4本 下顎に6本 |
犬は元々肉食だったため、肉を引き裂くことができるように、歯が鋭くなったのです。
理由②群れの習性
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由に、群れの習性によるものも挙げられます。
犬はかつて、祖先である狼と同じように群れで行動していました。
動物の群れでは、早く獲物を食べないと、同じ群れの動物に横取りされる危険性があります。
そのため、犬は他の動物に横取りされないように、獲物を丸ごと飲み込んで食べる習性があるのです。
理由③唾液で消化できない
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由に、唾液で食べ物を消化できないことも挙げられます。
人間と異なり、犬の唾液には消化酵素であるアミラーゼが含まれていないため、噛んでも食べ物を消化することはできません。
そのため、唾液を出しても特にメリットがないため、よく噛む必要性がないのです。
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む時の対策
犬がドッグフードを噛まずに飲み込むのは自然なことですので、基本的に心配はいりません。
ただし、消化器官が未発達な子犬や衰えたシニア犬の場合は、十分に消化できないことがあるため注意しましょう。
具体的な対策には以下のようなものがあります。
- 小粒のフードを与える
- フードをふやかす
- フードを砕く
それぞれ詳しく解説します。
対策①小粒のフードを与える
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む時の対策には、小粒のフードを与えることが挙げられます。
特に、トイプードルやチワワなどの小型犬は口も小さいため、小粒のフードを与えることで、飲み込んでも喉に詰まらせる危険性が下がります。
ただし、小型犬であっても大粒のフードが飲み込めないわけではありません。
小型犬の場合、口に入りきらない大きなおもちゃを与えることで誤飲を防ぐことができます。
対策②フードをふやかす
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む時の対策には、フードをふやかすことも挙げられます。
ふやかしたフードは一気に飲み込みにくいため、喉に詰まるのを防ぐことができます。
ふやかす時は、ぬるま湯に10〜15分間つけましょう。
対策③フードを砕く
犬がドッグフードを噛まずに飲み込む時の対策には、フードを砕くことも挙げられます。
大粒のフードを与えている場合は、ミキサーを使ったり、フードを袋に入れて棒で叩いたりすることで細かくしましょう。
一般的に、小粒のフードは直径が8㎜以下です。
犬の消化の仕組み
犬は、ドッグフードを飲み込んでも消化できる体のつくりになっています。
犬の消化の仕組みは以下の通りです。
| |
---|---|
口 | 食べ物を体内に入れるために歯で噛み切る |
食道 | 食べ物を胃に運ぶ 筋肉がコントロールできるため意識的に吐き出せる |
胃 | 食べ物を消化する |
小腸 | 栄養素の消化や吸収をする |
大腸 | 電解質や水分を吸収する 便をためておく |
犬は人間よりも早く食べ物を消化することができます。
健康な成犬の場合、消化が良いもので約3時間、悪いものでも約12時間で消化できます。
消化がうまくできない時の危険性
消化器官が未発達な子犬や衰えたシニア犬の場合、消化がうまくできないことがあります。
消化がうまくできないと、以下のような症状になる危険性があります。
- 食道が傷つく
- 喉に詰まる
- 嘔吐
犬が飲み込んだ食べ物をそのまま吐き出すことは、珍しいことではありません。
食べ物が消化される前の状態を保っていたり、吐き出した後にまた食べようとしたりすれば、心配する必要はありません。
ただし、食べ物を与えてから1時間以上経過し、吐き出したものが消化されている状態の場合は内臓疾患の可能性があります。
早めに動物病院に連れて行きましょう。
そのため、食べてからすぐに散歩や運動をさせるのは避けましょう。
胃で消化する前に激しい運動をすると、胃がねじれてしまう胃捻転(いねんてん)が起こる危険性が高くなります。
ドッグフードを詰まらせた時の応急処置
犬がドッグフードを喉に詰まらせた時は、呼吸を確保するために素早く対処しましょう。
- 犬の体を固定する
- 犬の口を開け、手で舌を引き出し気道を開く
- 口の中に光を当て、詰まったものの位置を確認する
詰まったものが見えるようであれば、ピンセットなどでゆっくりと喉から取り除きます。
取り除くのが難しい場合は、背中を軽く叩いたり、足の付け根をもって逆さまにして背中を叩いたりして吐き出させます。
吐き出さない場合は、前足を高く持ち上げた状態で喉を強く上下にさすり、食べものを胃に移動させます。
補足:注意したい食べ方
犬がドッグフードを噛まずに飲み込むことは自然なことです。
噛まずに飲み込むことよりも、以下のような食べ方に注意しましょう。
- 早食い
- よく噛んで食べる
それぞれ詳しく解説します。
早食い
注意したい食べ方に、犬が食べ物を早く食べる「早食い」が挙げられます。
早食いは、以下のような症状になる危険性があります。
- 喉に詰まる
- 胃捻転
- 満腹感を感じにくくなる
特に、以下のような犬種は食欲が旺盛なことが多いため、早食いする傾向があります。
- コッカー
- ゴールデンレトリバー
- コーギー
- ビーグル
- フレンチブルドッグ
対策①食事の回数を増やす
犬が早食いする場合は、1回に与える食事量を減らして、回数を増やしましょう。
食事の間隔を狭めることで、食事量が同じでも空腹を感じにくくなることがあります。
基本的に、1歳以上の成犬は一日に2回食事を与えますが、早食いする場合は一日に3回にしましょう。
対策②(多頭飼いの場合)食事中は個別にケージに入れる
犬を2匹以上飼っている多頭飼いで、犬が早食いする場合は、食事中は犬をケージに入れましょう。
犬は食事中、そばに他の動物がいると、横取りされないように早く食べる傾向があります。
そのため、2匹のお皿の場所を離したり、1匹をケージに入れたりして、安心して食べられるようにしましょう。
対策③早食い防止のお皿を使う
犬が早食いする場合は、以下のようにフードを入れる箇所が工夫されているお皿を使ってみましょう。
以下のように、迷路型になっているお皿もあります。
また、以下のようにボールのような球体のフードボウルは、犬が食べようとすると揺れるため早食いを防止することができます。
よく噛んで食べる
注意したい食べ方に、食べ物をよく噛んで食べることが挙げられます。
なぜなら、犬は基本的に食べ物を噛まずに飲み込んで食べるからです。
犬が食べ物をよく噛んで食べる場合は、以下のような症状がある可能性があります。
- 歯や口の中に疾患がある
- 好きでないものを無理やり食べている
- 食べることに集中できない
- 遊び食い
まとめ
以上、この記事では、犬がドッグフードを噛まずに飲み込む理由に加えて、対策や犬の消化の仕組みについて解説しました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
噛まずに飲み込む理由 | ①歯の構造 ②群れの習性 ③唾液で消化できない |
---|---|
対策 | ①小粒のフードを与える ②フードをふやかす |
犬は、食べ物をそのまま噛まずに飲み込む食べ方をするのです。
そのため、愛犬がドッグフードをよく噛まずに食べても、飼い主さんのしつけ不足ではありません。
ただし、喉に詰まらせることのないように、食事中は適度に見守りましょう。
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