夏になると夏バテになる人は多いですよね。人にも多い夏バテですが、犬も夏バテになります。
犬が夏バテになると元気がなくなってしまったり、ごはんをあまり食べなくなってしまったりして心配ですよね。そこで、この記事では犬の夏バテの原因や症状から対策まで詳しく解説しています。
犬の夏バテとは
そもそも夏バテとは、夏の暑さで自律神経が乱れてだるくなったり、食欲が落ちたり、便秘になったりすることです。人間だけではなく、犬でも夏バテは起こります。
夏バテは気温が上がる5月~6月にかけて起こり始め、気温が一番高くなる頃にピークになります。暑い日が続くようになってきたら、夏バテに要注意です。
犬の夏バテの原因
夏バテの原因は、夏の暑さで自律神経に乱れが生じることです。犬は体表に汗腺が少ないため、汗で体温を調整するのが難しく、厚い毛に覆われているため体に熱がたまりやすく、暑さに弱い生物です。
犬は舌を出して「ハアハア」と息をするパンティングによる気化熱で体温を下げる努力をしています。しかし、日本の夏は湿度が高いためこの方法では熱を逃がしにくい気候になっています。
そのため、日本では夏に犬の夏バテが起こりやすいのです。犬の健康のためにも暑さ対策はきちんと行ったほうがいいでしょう。
犬の夏バテの症状
犬の夏バテでは以下のような症状が起こります。
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 睡眠時間が長くなる
- 散歩の時歩くスピードが遅い
ただ、4月などまだ暑くない時期からこれらの症状が続いている場合には夏バテが原因でないかもしれません。春先と比べて判断するようにしましょう。
そして、夏バテが重度になると以下のような症状が出てきます。
- 体重の変化
- 脱水症状
- ぐったりして動こうとしない
- 腎臓病など臓器の機能障害
夏バテは緊急の対応を要するものではないですが、これらの症状につながる前にきちんと対策を行いましょう。これらの症状が出てしまったら動物病院へ連れて行ってあげるのも大切です。
夏バテになりやすい犬の特徴
以下の項目に当てはまる犬は、特に夏バテになりやすいです。注意しましょう。
ダブルコートの犬種
ダブルコートとは春と秋の2回毛が生え変わることを表します。ダブルコートの犬には夏毛と冬毛があるのです。ダブルコートの犬は寒さに強く、暑さに弱い傾向があります。夏バテには特に注意が必要でしょう。
特にシベリアンハスキーは寒い国が原産の犬種なので、ふさふさの豊かな毛を持っており、体の中に熱がこもりやすいので注意が必要です。
短頭種
短頭種とは、鼻が短い犬種のことを表します。鼻が短いと鼻呼吸がうまくできないため、パンティングが多くなります。パンティングは体内の熱を逃がすのに有効ですが、やりすぎると心臓や呼吸器に大きな負担をかけてしまい、かえって体温を上げてしまいます。
そのため、短頭種は夏バテになりやすいと言われています。以下の犬種は短頭種なので、夏バテには特に注意が必要でしょう。
- ブルドッグ系
- ボストンテリア
- シーズー
- パグ
- ペキニーズ
- チャウチャウ
また、以下の犬種は短頭種ではありませんが、比較的鼻が短いので注意が必要です。
- チワワ
- マルチーズ
- ポメラニアン
- ヨークシャーテリア
子犬・シニア犬
子犬は体が十分に出来上がっていないため、夏バテに弱い傾向があります。また、体に衰えが出てくるシニア犬も夏バテになりやすいでしょう。
肥満気味の犬
肥満気味の犬は体内に熱をためやすいため、夏バテに弱いという特徴があります。暑さが厳しくなる前にダイエットをするのがおすすめです。
筋肉質な中大型犬
中大型犬は体表の面積に対する体積が大きいので熱が体にこもりやすく、夏バテに弱いという特徴があります。筋肉は多いほど発散する熱の量は多くなるので、筋肉質の中大型犬は夏バテに注意が必要でしょう。
犬の夏バテの6つの対策
犬の夏バテには以下の6つの対策が有効です。それぞれ見ていきましょう。
①飲み水をこまめに替える
パンティングには多くの水が必要です。飲み水をこまめに取り替えて、犬がいつでも新鮮な水を飲めるようにしましょう。こまめに水を替えると脱水症状の予防にもつながるのでおすすめです。
また、水に小さじ1杯ほどのスポーツドリンクを加えるのもおすすめです。
②温度・湿度管理の徹底
犬を室内飼いしている場合、クーラーなどを使って温度を管理してあげると、夏バテの予防に大きく役立ちます。シングルコート(毛が生え変わらない)の犬の場合22~25℃、ダブルコート(春秋2回毛が生え変わる)の犬の場合23~26℃くらいの温度がちょうどいいと言われています。
朝涼しかったとしても日中になると急に気温が上がってしまうかもしれません。気温は常にチェックしておくようにしましょう。特に留守番の場合には注意が必要です。
また、そこまで暑くなくてもジメジメしている場合には夏バテの危険性が高いです。その場合にはエアコンの除湿機能を使うのがおすすめです。
ただ、クーラーの冷気は下にたまりやすく、気がついたら犬が寒そうにしているかもしれません。部屋の上のほうと下のほうで温度が変わらないようにしたい時にはサーキュレーターなどを使うといいでしょう。
室外で犬を飼っている場合には、できるだけ風通しが良い日陰にいさせてあげるようにしましょう。
③散歩の時間帯を調整
気温が高い日中に散歩を行うと夏バテの原因になってしまうかもしれません。散歩は朝や夜の涼しい時間帯に行うようにしましょう。
もし暑い時に散歩を行う場合にはコンクリートの上は避け、なるべく日陰を選んであげるようにしましょう。暑い日のコンクリートはとても熱いからです。
そして、調子が悪そうな時には無理に散歩に連れて行かないようにしましょう。そのような時には涼しい場所で様子見するのがおすすめです。
④直接体を冷やす
夏バテで具合が悪そうな時には風通しが良くて涼しい場所に移動させましょう。そして、タオルに包んだ保冷剤を首、脇、後ろ足の付け根などに当てて体を冷やすと効果的です。
⑤ウェットフードを取り入れる
夏は体から水分が失われやすいため、普段より多くの水分が必要です。そのため、水分も多く摂取できるウェットフードがおすすめです。また、夏バテでは食欲が落ちるため、普段ドライフードなどを与えている場合、食が進まない可能性があります。
ウェットフードはドライフードに比べて食いつきが良いため、食欲が落ちた犬でも食べてくれる場合があります。
ウェットフードはカナガンがおすすめ
ウェットフードにはさまざまな種類がありますが、その中でもカナガンは特におすすめできます。
ウェットフードには保存料などの添加物が含まれていることがとても多いのですが、カナガンドッグフードチキン ウェットタイプには合成ビタミンと合成ミネラル以外の添加物が含まれていません。
栄養もしっかり整っていて、トッピングとしてだけではなく、主食としても用いることができます。
チキンの生肉が65%も含まれているため、食い付きにも定評があるドッグフードです。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
⑥夏バテ対策グッズを使う
犬用にさまざまな夏バテ対策グッズが発売されています。主なものは以下のとおりです。
- 水でぬらして犬の首にまくバンダナ
- 冷感マット
- クール素材のベッド
- 水分補給用ゼリー
これらのグッズを用いて夏バテ対策をするのもおすすめです。
おすすめの水でぬらして犬の首にまくバンダナ
おすすめの水でぬらして犬の首にまくバンダナはWOOCEから発売されているペット用ネッククーラーです。この商品は素材が冷感素材でできているため、夏バテに効果的です。通気性も抜群なのでムレないのもいいですね。
リードの通し穴もあるため、首輪として用いることもできます。以下のような3つのサイズが用意されているため、愛犬に適したものを選んであげることができます。
サイズ | 首周り | 幅 |
---|---|---|
S | 35cm | 11cm |
M | 45cm | 13cm |
L | 55cm | 16cm |
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おすすめの冷感マット
RioRandから発売されている冷感マットは特におすすめできます。この商品は冷感ジェルでできていて、高い保冷効果があります。大きさは50cm×65cmで、きれいに半分に折りたたむことができるため、収納も簡単です。
簡単には破けない素材からできているため、引っかかれても安心です。柔らかい布で軽くふくだけでいいので、お手入れも簡単です。防水素材からできているため、愛犬がおしっこをもらしても安心です。
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おすすめのクール素材のベッド
おすすめのクール素材のベッドはアイリスオーヤマが発売しているペット用クールソファベッドです。この商品はもちろんひんやりとした接触冷感があり、しかもふかふかです。
そして、ソファの端は少し固めになっているため、頭やあごが乗せやすくなっており、犬の寝心地にも配慮しています。
SMLの3サイズから選ぶことができるため、愛犬に適したサイズを選んであげることができます。ちなみに、Sサイズは超小型犬、Mサイズは小型犬、Lサイズは中型犬用になっています。
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おすすめの水分補給用ゼリー
水分補給用ゼリーとしておすすめできるのはPET SWEATが発売しているベットスエットゼリークランベリープラスです。
ベットスエットゼリークランベリープラスは犬の体液に近い水分補給ゼリーになっているため、失われた水分や電解質をすばやく補給することができます。オリゴ糖が含まれているため、腸内環境のサポートをすることもできます。
ミルク風味になっているため、愛犬も喜んでたべてくれることでしょう。クランベリー抽出物が下部尿路の健康維持にも役立ちます。使いやすい小分けタイプなので、持ち運びにも便利です。
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犬の夏バテを放っておくと
夏バテは緊急の対応が必要なわけではありません。しかし、放っておくのもまた問題です。夏バテを放置すると、以下のようなことが起こってしまうかもしれません。
栄養が不足しがちに
夏バテでは消化器系に不調が出てしまいます。また、夏バテでは食欲が落ちます。そのため、夏バテになっているといつもより吸収できる栄養が少なくなってしまい、栄養が不足しがちになります。
そして、栄養が不足してしまうと免疫力が落ちてしまい、体調不良が起こりやすくなります。持病がある場合には症状の悪化を招いてしまう場合もあるでしょう。
夏以降にダメージが残る場合も
夏バテという名前からして、夏が終われば自然と症状が回復すると考えている人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
症状が残る場合もありますし、症状がおさまってもダメージが残ってしまう場合があります。ダメージが残ると体調不良や病気になりやすくなるので、きちんと夏バテをケアするのが大切です。
まとめ
夏バテとは、夏の暑さで自律神経が乱れてだるくなったり、食欲が落ちたり、便秘になったりすることです。人間だけではなく、犬でも夏バテは起こります。
夏に犬の元気がなくなったり、食欲が落ちたりしてきたら、夏バテを疑ったほうがいいでしょう。特にダブルコートの犬種や短頭種、子犬やシニア犬などは夏バテになりやすいので注意が必要です。
愛犬が夏バテになってしまったら、以下のような対策を行うといいでしょう。
- 飲み水をこまめに替える
- 温度・湿度管理の徹底
- 散歩の時間帯を調整
- 直接体を冷やす
- ウェットフードを取り入れる
- 夏バテ対策グッズを使う