「愛犬が水を飲まないけど大丈夫なのかな…」
「水が減っていないけど、どうすれば良いのかわからない」
そんなお悩みをお持ちの飼い主さんも多いのではないでしょうか。
成犬の場合、体の約65%〜75%は水でできているため、人間と同様、水は犬にとっても重要です。
そこで、この記事では、犬が水を飲まない時の理由や対処法、水分不足の方法や水の種類まで詳しく解説します。
結論:犬が水を飲まない理由と対処法
前提として、犬が水を飲まずに水分不足になると、以下のような病気につながる危険性があります。
- 脱水症状
- 尿路結石
- 腎不全
- 便秘
そのため、犬が水を飲まない時は、理由を知って適切な対処法をとることが重要です。
犬が水を飲まない理由と対処法をまとめると、以下のようになります。
理由 | ●フードで水分がとれている ●水が汚れている ●給水容器が気に入らない ●水の温度がちょうど良くない ●体が痛い ●筋力や代謝の低下 ●喉の渇きを感じづらい ●熱中症によるもの ●季節によるもの |
---|---|
対処法 | ①給水容器を工夫する ●給水容器を変える ●循環式給水器を利用する ●給水容器の場所を変える ●給水容器を増やす ●給水容器は清潔に保つ ●蛇口から水を与える ●スポイトなどで与える ●手で水をすくってあげる |
②水を工夫する ●水の種類を変える ●こまめに取り替える ●風味をつけた水分を与える | |
③食事で水分補給する ●水分量が多い食べ物を与える ●ドライフードをふやかす ●ゼリーやペットスウェットを与える ●氷を与える | |
④水が飲みたくなるように工夫する ●室内の温度を快適な温度に設定する ●水を飲んだら褒める ●プールで遊ぶ |
水分不足は病気につながる
水分不足になると、以下のような病気につながることがあります。
- 脱水症状
- 尿路結石
- 腎不全
- 便秘
それぞれ詳しく解説します。
脱水症状
水分不足になると、脱水症状になることがあります。
脱水症状とは、体内の体液(水分とミネラル)が不足した状態です。
具体的には以下のような症状になります。
- 口の中が乾燥する
- 目が乾燥して、くぼんだように見える
- 皮膚の弾力がなくなる
シニア犬の中には、脱水状態になっても水を飲まない犬もいるため、なるべくよく観察しましょう。
尿路結石
水分不足になると、尿路結石(にょうろけっせき)ができやすくなります。
尿路結石とは、尿に含まれるミネラル成分が結晶化し、腎臓・膀胱・尿道などの泌尿器で結石となる病気です。
尿路結石の原因のひとつに、水分不足があります。
水分不足によって尿の回数が減り、尿の濃度が高くなることで結石ができやすくなるのです。
腎不全
水分不足になると、腎不全になりやすくなります。
腎不全とは、腎臓の機能が低下した状態です。
過度な水分不足は腎臓に負担をかけるため、腎不全になりやすくなります。
腎不全には以下の2種類があります。
- 急性腎不全
急激に症状が進行するが、適切に治療すれば回復可能 - 慢性腎不全
徐々に症状が悪化するが、回復が見込めない
便秘
水分不足になると、便秘になりやすくなります。
便秘とは、水分が少ないためウンチが硬くなったり、ウンチをするのが困難またはまれになる状態です。
体内が水分不足になると、体に必要な水分を確保するために排出する水分量を減らそうとします。
ちなみに、成犬の場合は、個体差もありますが一日1~2回程度ウンチする犬が多いです。
水分不足のチェック方法
犬に必要な水の量は、1日に必要なエネルギー量とほぼ等しいとされています。
=体重(kg)×0.75×132(ml)
例えば、体重が5kgの犬なら、1日に必要な水の量は5(kg)×0.75×132(ml)=492(ml)です。
ただし、上記の計算式はあくまでも目安です。
汗をかきやすい夏場はより多くの水分が必要ですし、たくさん運動した時もより多くの水が必要です。
水分不足のチェック方法には以下のようなものがあります。
- 飲んだ水を測定する
- おしっこの回数を見る
- ウンチの硬さを見る
- 首あたりの皮膚をつまむ
それぞれ詳しく解説します。
飲んだ水を測定する
水分不足をチェックするには、どれくらい水を飲んだか測定しましょう。
以下のような手順で測定しましょう。
- 与える前に、水を入れた容器の重さを測る
- ①から容器の重さを引く
- 水を替える時、容器の重さを測る
- ②と③の差が飲んだ水の量
例えば、与える前に500gだった容器が、水を替える時に400gになっていた場合、飲んだ水は100g、つまり100mlです。
重要なのは、犬が健康な時にどのくらい水を飲むかを把握しておくことです。
普段飲む水の量を把握することで、水分不足をすぐに気づくことができます。
おしっこの回数を見る
水分不足をチェックするには、犬のおしっこの回数を見る方法があります。
水分不足の場合、おしっこが濃い黄色になっていたり、量が減ったりします。
また、散歩の時におしっこのポーズをしているのに、おしっこが出ていない時も水分不足の可能性があります。
ウンチの硬さを見る
水分不足をチェックするには、犬のウンチの硬さを見る方法があります。
水分不足の場合、ウンチの水分量が減るため硬くなります。
首あたりの皮膚をつまんでみる
水分不足をチェックするには、首あたりの皮膚をつまむ方法があります。
つまんだ皮膚がすぐに戻る場合は正常ですが、皮膚が戻るのがゆっくりな場合は脱水症状の可能性があります。
ちなみに、皮膚の戻りのことをツルゴール反応といいます。
ツルゴール反応は、痩せすぎや肥満の場合には判断が難しいです。
犬が水を飲まない理由
犬が水を飲まない理由には、以下のようなものがあります。
- フードで水分がとれている
- 水が汚れている
- 給水容器が気に入らない
- 水の温度がちょうど良くない
- 体が痛い
- 筋力や代謝の低下
- 喉の渇きを感じづらい
- 熱中症によるもの
- 季節によるもの
それぞれ詳しく解説します。
フードで水分がとれている
犬が水を飲まない理由として、フードで水分がとれていることが考えられます。
特に、水分量が多いウェットフードを与えている場合は、水分が足りている可能性が高いでしょう。
一度、与えているフードの水分量を確認してみましょう。
水が汚れている
犬が水を飲まない理由として、水が汚れていることも考えられます。
綺麗好きな犬の場合、水に浮いているホコリなどが気になって飲めないことがあります。
また、フードを食べた直後に水を飲むと、食べカスが水の中に入ってしまうため、気になって食べなくなることもあります。
給水容器が気に入らない
犬が水を飲まない理由として、給水容器が気に入らないことも考えられます。
特に、陶器の吸水容器からステンレスやプラスチックの吸水容器に変えると、匂いが気に入らないことが多いようです。
犬が鼻先で吸水容器をどかす仕草をしたり、隠したりする場合は、使用している給水容器が好きではないのかもしれません。
また、下記のようなボールを舌で押して飲むノズルタイプは、水を飲むのが難しく苦手な犬も多いようです。
水の温度がちょうど良くない
犬が水を飲まない理由として、水の温度がちょうど良くないことも考えられます。
好きな水の温度は、犬によって差があるため、水が冷たすぎたりぬるすぎたりして飲まない可能性があります。
体が痛い
犬が水を飲まない理由として、体が痛い可能性も考えられます。
例えば、椎間板(ついかんばん)ヘルニアになると、水を飲む姿勢をとった時に痛みが生じます。
また、歯周病や口内炎など口の中に異常がある場合にも、水を飲むと痛むため、飲まなくなることがあります。
筋力や代謝の低下
犬が水を飲まない理由として、筋力や代謝の低下も考えられます。
シニア犬は筋力や代謝が落ちるため、子犬や成犬に比べて水を飲まなくなります。
また、筋力の低下によって、水を飲むために体を動かすのが億劫になっている場合もあります。
喉の渇きを感じづらい
犬が水を飲まない理由として、喉の渇きを感じづらくなっていることも考えられます。
シニア犬になると、喉の乾きに鈍感になるため、水を飲まなくなることがあります。
脱水症状になっていても、喉の渇きに気づかず飲まないことがあるため注意しましょう。
熱中症によるもの
犬が水を飲まない理由として、熱中症によるものも考えられます。
熱中症になると、体がだるくなり吐き気を催すこともあるため、水を飲まなくなることがあります。
熱中症は急激に体調が悪化するため、すぐに体を冷やすなどの応急処置をしましょう。
季節によるもの
犬が水を飲まない理由として、季節によるものも考えられます。
暑い季節から寒い季節に変わるとは代謝が落ちるため、水を飲まなくなる犬が多いです。
特に、冬は寒いため、冷たい水を好まなくなる犬も多いです。
犬が水を飲まない時の対処法
犬が水を飲まない時の対処法は、以下のようなものがあります。
①給水容器を工夫する | ●給水容器を変える ●循環式給水器を利用する ●給水容器の場所を変える ●給水容器を増やす ●給水容器は清潔に保つ ●蛇口から水を与える ●スポイトなどで与える ●手で水をすくってあげる |
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②水を工夫する | ●水の種類を変える ●こまめに取り替える ●風味をつけた水分を与える |
③食事で水分補給する | ●水分量が多い食べ物を与える ●ドライフードをふやかす ●ゼリーやペットスウェットを与える ●氷を与える |
④水が飲みたくなるように工夫する | ●室内の温度を快適な温度に設定する ●水を飲んだら褒める ●プールで遊ぶ |
対処法①給水容器を工夫する
犬が水を飲まない時の対処法の1つ目は、給水容器を工夫することです。
具体的に見ていきましょう。
給水容器を変える
犬が水を飲まない時は、給水容器を変えてみましょう。
特に、給水容器の深さが深いものを使っている場合は、浅いものに変えると飲むことがあります。
浅い給水容器のほうが、飲みにやすくヒゲが当たらないからです。
また、愛犬が水を飲みにくそうにしている場合は、下記のような給水容器用の机を置いてみましょう。
循環式給水器を利用する
犬が水を飲まない時は、循環式給水器を利用してみましょう。
循環式給水器とは、給水タンクと給水容器がセットになっており、常に水を循環させている給水器です。
犬は動くものに興味を示すため、流れている水を見ると飲むことがあります。
給水容器の場所を変える
犬が水を飲まない時は、給水容器の場所を変えてみましょう。
例えば、犬が好きな場所や一日の大半を過ごす場所に置けば、飲む可能性が高くなります。
室外や廊下、玄関などいつもと違う場所に置くと、好奇心から飲むこともあります。
また、給水容器は以下のような犬が嫌う場所からは遠ざけて置きましょう。
- 遠い
- 近くにトイレなど臭いものがある
- 近くに犬にとって怖いものがある
給水容器を増やす
犬が水を飲まない時は、給水容器の数を増やしてみましょう。
なぜなら、「飲みたい」と思ったタイミングに水がないと、ずっと水を飲まないままの犬もいるからです。
そのため、喉が乾いた時すぐに水が飲めるように、犬の生活空間になるべく多くの吸水容器を置いてみましょう。
ただし、水の新鮮さを保つために、一日に数回交換するのを忘れないようにしましょう。
給水容器は清潔に保つ
犬が水を飲まない時は、給水容器を清潔に保つことも大切です。
犬は鼻が良いため、給水容器に嫌な匂いが漂っていると水を飲まなくなることがあります。
給水容器は、メラミンスポンジなどを使って洗うことで清潔に保ちましょう。
蛇口から水を与える
犬が水を飲まない時は、蛇口から直接水を与えてみましょう。
犬は流れる水が好きなことが多いため、蛇口から流れる水を飲むことがあります。
スポイトなどで与える
犬が水を飲まない時は、スポイトなどを使って与えてみましょう。
犬が嫌がらなければ、スポイトやシリンジを使うことで水分補給ができます。
一時間おきくらいに少しずつ、口角から少しずつ与えるのがポイントです。
手で水をすくってあげる
犬が水を飲まない時は、手で水をすくってあげましょう。
飼い主の手から直接与えることで、安心して水を飲む犬もいます。
ただし、よく洗った清潔な手で与えるようにしましょう。
対処法②水を工夫する
犬が水を飲まない時の対処法の2つ目は、水を工夫することです。
具体的に見ていきましょう。
水の種類を変える
犬が水を飲まない時は、水の種類を変えてみましょう。
水道水を飲まなくても、浄水器の水なら飲むこともあります。
水の種類について、詳しくはこちらの見出しで解説しています。
こまめに取り替える
犬が水を飲まない時は、こまめに水を取り替えましょう。
最低でも一日に2回、朝と夜には水を取り替えることで、新鮮さを保てるため飲みやすくなります。
夏場は水が痛みやすいため、一日に2回以上取り替えると安心です。
風味をつけた水分を与える
犬が水を飲まない時は、風味をつけた水分を与えてみましょう。
以下のような水分は風味がついているため食欲が増し、飲むことがあります。
- 鶏のささみの茹で汁
- 鰹節で取っただし汁
- カフェインレスの麦茶
- コーン茶
火傷しないように、冷ましてから与えましょう。
対処法③食事で水分補給する
犬が水を飲まない時の対処法の3つ目は、食事で水分補給することです。
具体的に見ていきましょう。
水分量が多い食べ物を与える
犬が水を飲まない時は、水分量が多い食べ物を与えてみましょう。
水を飲まなくても、食べ物から水分を摂取することもできるからです。
以下のような食べ物は水分量が多いです。
また、以下のようなウェットフードも多くの水分を含むためおすすめです。
ドライフードをふやかす
犬が水を飲まない時は、ドライフードをふやかしてみましょう。
人肌程度のぬるま湯でふやかすことで、フードから水分を摂取することができます。
ふやかすと香りが引き立つため、犬の食いつきも良くなるでしょう。
ゼリーやペットスウェットを与える
犬が水を飲まない時は、ゼリーやペットスウェットを与えてみましょう。
人間の水分補給と同じく、ゼリーやペットスウェットからも水分補給ができます。
ゼリーは以下のような商品があります。
ペットスウェットは、人間が飲むポカリスウェットの犬用です。
氷を与える
犬が水を飲まない時は、氷を与えてみましょう。
水に濡らした氷をそのまま与えたり、給水容器の中に氷を入れたりすると、興味を示して氷を食べることがあります。
氷の与えすぎは禁物ですが、夏場など暑い時には試してみましょう。
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対処法④水が飲みたくなるように工夫する
犬が水を飲まない時の対処法の4つ目は、水が飲みたくなるように工夫することです。
具体的に見ていきましょう。
室内の温度を快適な温度に設定する
犬が水を飲まない時は、室内の温度を快適な温度に設定しましょう。
なぜなら、犬は暑さを感じやすいため、暑いと何もしたくなくなって水を飲まないことがあるからです。
室内を犬にとって快適な温度に設定することで、水を飲むことがあります。
水を飲んだら褒める
犬が水を飲まない時は、水を飲んだら褒めるようにしましょう。
犬は飼い主から褒められることが大好きです。
「飲みなさい!」とプレッシャーをかけるのではなく、水を飲んだら「えらいね!」と褒めてあげることで飲むこともあります。
プールで遊ぶ
犬が水を飲まない時は、犬をプールで遊ばせましょう。
ストレス発散になるうえ、たくさん遊ぶと疲れて水を飲みやすくなります。
補足:水の種類
水には以下のような種類があります。
- 水道水:最適
- 浄水器の水:おすすめ
- ミネラルウォーター:成分による
- 水素水:与えても良い
- 川や池の水:危険
この見出しでは、それぞれの水について詳しく解説します。
水道水
水道水は、犬に与える水として最適です。
日本の水道水は水質検査が厳しいため、良い品質が保たれているからです。
一般的には水道水をそのまま与えて良いですが、もし水道水の塩素が気になる場合は、一度沸騰させたり、カルキ抜きを行ったりしましょう。
浄水器の水
浄水器の水も、犬に与える水としておすすめです。
浄水器の水は、水道水と異なり塩素の心配がありません。
ただし、ミネラルを添加する機能付きの浄水器の水は、ミネラルの過剰摂取になることがあるため避けましょう。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは、成分によっては犬に与えても良いでしょう。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれていなければ、ミネラルの過剰摂取にならないため与えても問題はありません。
しかし、心配な場合は水道水で十分です。
水素水
水素水は、犬に与えても良い水です。
水素水とは、水素分子や水素イオンを含んだ水です。
犬用の水素水も発売されていますが、水素水の効果は科学的に証明されていません。
そのため、与えても良いですが、良い効果があるとは言い切れません。
川や池の水
川や池の水は、犬に与えることは危険です。
どんなに綺麗に見えても、細菌などが含まれている可能性があります。
そのため、散歩の時に愛犬が川や池の水、水溜りの水などを飲むのは止めましょう。
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まとめ
以上、この記事では、犬が水を飲まない時の理由や対処法、水分不足の方法や水の種類について解説しました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
理由 | ●フードで水分がとれている ●水が汚れている ●給水容器が気に入らない ●水の温度がちょうど良くない ●体が痛い ●筋力や代謝の低下 ●喉の渇きを感じづらい ●熱中症によるもの ●季節によるもの |
---|---|
対処法 | ①給水容器を工夫する ●給水容器を変える ●循環式給水器を利用する ●給水容器の場所を変える ●給水容器を増やす ●給水容器は清潔に保つ ●蛇口から水を与える ●スポイトなどで与える ●手で水をすくってあげる |
②水を工夫する ●水の種類を変える ●こまめに取り替える ●風味をつけた水分を与える | |
③食事で水分補給する ●水分量が多い食べ物を与える ●ドライフードをふやかす ●ゼリーやペットスウェットを与える ●氷を与える | |
④水が飲みたくなるように工夫する ●室内の温度を快適な温度に設定する ●水を飲んだら褒める ●プールで遊ぶ |
水分不足は様々な病気を引き起こすこともあります。
日頃から、愛犬の飲む水の量を把握しておくことが重要です。
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