愛犬が水を飲まないことってありますよね。犬を説得して水を飲んでもらうことはできないので、愛犬が水を飲まなくて困っている人は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では犬が水を飲まない理由と、その対策について解説していきます。
犬が水を飲まない理由
犬が水を飲まない場合、以下のような理由が考えられます。
①体が痛い
体が痛い時には犬が水を飲まなくなるかもしれません。たとえば、ヘルニアなどの病気になっている場合には、飲む姿勢を取ると痛みが生じてしまうので、水を飲まなくなってしまいます。
また、歯周病や口内炎など口の中に疾患がある場合にも、水を飲むと痛むので水を飲まなくなるでしょう。
体が痛そうにしている場合には、動物病院へ連れていってあげるようにしましょう。
②食事で十分水が取れてる
ドライフードと違って、ウェットフード、手作りフード、生食などには多くの水分が含まれています。そのため、食事だけで多くの水分を摂取することができます。
そのような場合には、わざわざ水を飲むことは少なくなるでしょう。
③シニア犬
シニア犬になるとのどのかわきに鈍感になったり、代謝が落ちてあまり水の飲まなくなったりしてしまうかもしれません。
体の衰えで水を飲みに行くのがおっくうになっている場合も考えられます。
④夏バテや熱中症
夏バテや熱中症になっている時は体がだるく、吐き気などの不快感もあるため水を飲みたくなくなります。ただ、これらの場合には水分不足になりやすいので、すぐに対策を行ってあげる必要があります。
[kanren postid=”16238″]⑤温度が低い
冬などで寒く、温度が低い場合には、人間でも犬でも水を飲む機会が減ります。しかし、冬でも水分不足が起こることは多いので、あまりにも飲まない場合には対策を行ったほうがいいでしょう。
犬の水の摂取量の目安
犬が飲む水の量に適量はありませんが、最低限飲むべき量には目安があります。それは以下の計算式で算出することができます。
最低限飲むべき水の量(ml) = 体重(kg)×10~12ml
たとえば、体重が5kgの犬の場合には、最低限飲むべき量は50~60ml程度になります。この最低量に加えて100ml程度は多く飲んでいても問題ありません。ちなみに、犬がどれだけ水を飲んでいるかは簡単に測ることができます。
まず、朝水を飲む容器に水を入れた後、はかりで重さを測り、重さを記録しておきます。1日の終わりにまた重さを測り、差を出します。なお、水は1gで1mlです。
たとえば、朝容器に水を入れた後の重さが500gで、1日の最後に400gになっていた場合、犬が1日で飲んだ水は100ml程度ということになります。
水の種類
ひとくちに水と言っても、水道水、ミネラルウォーター、浄水器の水などさまざまな種類があります。そこで、この項では、犬にはどの水が適しているか解説していきたいと思います。
水道水
水道水は犬に与える水として一番おすすめできます。日本の水道水は厳しい水質検査が行われており、よい水質に保たれているからです。犬にも安心して与えることができます。また、値段も安いのでコストの面でもおすすめできます。
ただ、水道水には塩素が含まれているので、それが気になるという人もいるでしょう。もし塩素が気になるという場合には、沸騰させたり浄水器を使ったりするとカルキ抜きを行うことができます。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは犬に与えてはいけないと思われがちですが、それは成分によりけりです。
ちなみに、ミネラルウォーターが犬にとって良くないと言われているのは、ミネラルウォーターにカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれているからです。
ミネラルウォーターを日常的に摂取するとカルシウムやマグネシウムの量が過剰になってしまい、結石の原因になってしまうと考えられているのです。
しかし、結石の根本的な原因は細菌に感染することであり、摂取するカルシウムやマグネシウムの量と結石との関係は薄いと言われています。そのため、ミネラルウォーターを与えているからといって、結石のリスクが上がるとはあまり言えないのです。
ただ、ミネラルウォーターを与える際、硬水を選ぶのはやめておいたほうがいいでしょう。硬水にはミネラルが多めに含まれており、ミネラルの過剰になりやすいからです。犬にミネラルウォーターを与えるなら軟水にしましょう。
このように、世間で言われているほどデメリットはないミネラルウォーターですが、犬に与えるのはあまりおすすめできません。確かにそれほど害はないのですが、ミネラルウォーターを与えたからと言ってメリットがあるわけではありません。
しかも、ミネラルウォーターは水道水よりずっと高価です。わざわざ与えるものではないでしょう。
水素水
水素水とは、水に一定以上の量の水素が含まれている水のことです。抗酸化作用があると言われているため、女性を中心にブームになっています。
そして、なんと水素水は犬用のものも発売されています。しかし、水素水の効果は科学的に証明されているわけではなく、疑問が残ります。
また、もちろんそれなりに値段もかかります。そのため、わざわざ与えるほどのものではないでしょう。
浄水器の水
浄水器の水も犬に与える水としてはおすすめできます。
浄水器の水は塩素の心配が少なく、ミネラルの心配も無用です。ただ、浄水器にはミネラルを添加する機能があるものもあるので、そのような浄水器は避けたほうがいいでしょう。
そして、水質としてはこれまでに紹介してきた水の中で犬に一番適していますが、値段は水道水よりもかかるので注意が必要でしょう。
川・池の水
散歩に行くと、愛犬が川や池の水を飲み始めてしまうことがあるかもしれません。しかし、川や池の水はきれいに見えても、どんな細菌などが含まれているかわかりません。
もし愛犬がこれらの水を飲み始めてしまったら、すぐにやめさせて持参の水を飲ませるようにしましょう。
犬に水を飲ませる15の方法
犬に水を飲ませる15の方法を解説します。それぞれ見ていきましょう。
①水の新鮮さを保つ
食後に水を飲むと食べ物のカスが水の中に入ってしまい、水を汚してしまう場合があります。そうすると水を飲む気が失せてしまうかもしれません。
1日に何度か水を変えて新鮮さを保ってあげると、飲んでくれる可能性が高まるでしょう。
②少量をスポイトなどで与える
愛犬が嫌がらないのであれば、1時間おきくらいに少量の水をスポイトなどで与えると水分補給になります。少量を何回も与えるのがコツです。
③飲みやすい環境を作る
愛犬が水を飲みやすい環境を作ることは想像以上に大切です。たとえば、愛犬があまり動かず、1日の大半を過ごす場所がある場合、そこに水を用意してあげると飲んでくれる可能性が高まります。
また、飲み水が犬にとって飲みやすい位置にあるかどうかもよく確認する必要があるでしょう。水のある位置が低すぎたり高すぎたりすると、水が飲みにくいので飲んでくれない場合があります。
④水の容器はよく洗い清潔に保つ
水の容器をよく洗わずに使っていると嫌なニオイがついてしまい、犬が水を飲んでくれなくなる場合があります。犬は鼻が利くので、ニオイには注意が必要です。
水の容器は頻繁に洗い、清潔に保つようにしましょう。
⑤水の温度を変える
犬の中にはぬるま湯が好きな個体もいますし、冷たい水が好きな個体もいます。そのため、温度を変えると飲んでくれる場合があります。
そして、ぬるま湯を与えるときには人肌程度に温め、冷たい水を与えるときにはキンキンに冷やしすぎないようにしましょう。水を冷やしすぎてしまうと犬がおなかを壊してしまう可能性があります。
⑥ドッグフードを水でふやかす
これはウェットフードを与えるのと似た方法ですが、犬が水を飲まない時にはドッグフードを水でふやかしたりして食事の水分量を増やしましょう。
ドッグフードをふやかすと自然に水分の摂取量を増やすことができますし、香りが引き立つので食い付きも良くなる場合があります。
⑦氷を与える
与えすぎは禁物ですが、水を飲んでくれないのであれば氷を与えるのも手です。特に夏は暑いので、熱中症対策としてもおやつとして氷を与えるのはおすすめです。興味を持って食べてくれる場合があります。
氷だけを与えるのもいいですし、水の入った容器に氷を加えてあげるのもおすすめです。ちなみに、氷を単独で与える場合には、必ず水に濡らしてからにしましょう。そのまま与えると氷が犬の下にくっついてしまう可能性があります。
⑧トイレと水を飲む場所を離す
犬は悪臭のする場所を嫌う傾向があります。そして、人間が感じ取れないニオイでも敏感に感じ取ります。そのため、水を飲む場所の近くにトイレがあると水を飲んでくれない場合があります。
水を飲む場所とトイレは離すようにしましょう。
⑨水の種類を変えてみる
ひとくちに水と言っても水道水、ミネラルウォーター、水素水、浄水器の水などさまざまな種類があります。水の種類を変えてみると飲んでくれる場合があります。
⑩給水容器を増やす
水を飲みたいと思ったタイミングを逃すと、そのまま水を飲まなくなる犬もいます。そのため、のどがかわいた時にすぐに水が飲めるよう、生活空間に多めに給水容器を設置するのも手です。
この場合も、水を1日に何回か交換して新鮮さを保つと、さらに飲んでくれる可能性が高まります。
⑪水ゼラチンにする
水ゼラチンを作ると犬が水を飲んでくれる場合もあります。具体的にはお湯に粉ゼラチンを加え、冷やして固めてあげると作ることができます。
水ゼラチンにするとゼラチンで風味が変わったり、食感が変わったりするのでおやつ気分で水を飲んでくれるかもしれません。
⑫水に風味のある食材を加える
水に風味のある食材を加えるのは良い方法です。例えば、肉をゆでた後の煮汁や鰹節で取っただし汁などを与えてあげると食欲がそそられ、犬が飲んでくれやすいのでおすすめです。
ちなみに、煮汁やだし汁はふだんは冷蔵庫に入れておくようにし、いざ与えるときには人肌程度に温めてあげるといいでしょう。与えるときに温度が高すぎるとやけどの原因になってしまうので、温めすぎないのも大切です。
⑬ウェットフードを与える
水は飲まなくてもフードは食べるという犬は多いのではないでしょうか。その場合にはウェットフードを与えるのがおすすめです。なぜなら、ウェットフードは70%程度が水分でできていて、これを食べると水を多く摂取することができるからです。
また、フードも食べない犬であっても、ウェットフードは食い付きが良いので、食べてくれる場合があります。与えるウェットフードはできたら普段から与えているもののほうがいいでしょう。
なぜなら、普段から与えているものなら食べてくれる可能性が高いですし、食べ慣れていないフードにより下痢などが引き起こされてしまう可能性も減るからです。
ウェットフードはカナガンがおすすめ
ウェットフードにはさまざまな種類がありますが、その中でもカナガンは特におすすめできます。
ウェットフードには保存料などの添加物が含まれていることがとても多いのですが、カナガンドッグフードチキン ウェットタイプには合成ビタミンと合成ミネラル以外の添加物が含まれていません。
栄養もしっかり整っていて、トッピングとしてだけではなく、主食としても用いることができます。
チキンの生肉が65%も含まれているため、食い付きにも定評があるドッグフードです。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
⑭浅い皿にする
犬に水を与える容器を工夫すると水を飲んでくれる場合があります。特に深い容器を使っている場合、浅い容器にすると水を飲んでくれる場合があります。なぜなら、浅い容器ならひげが当たらず、犬が水を飲みやすくなるからです。
⑮循環式流水器を利用する
循環式流水器とは、噴水などのように水を循環させて動物に給水してもらう機械のことです。猫ほどではないにしろ、犬も動くものには興味を持つ傾向にあるので、水が流れていると飲んでくれる場合があります。意外と安く購入することができるのでおすすめです。
まとめ
犬が水を飲まない時には、以下のような対策を行ってあげると飲んでくれない場合があります。
- 水の新鮮さを保つ
- 少量をスポイトなどで与える
- 飲みやすい環境を作る
- 水の容器はよく洗い清潔に保つ
- 水の温度を変える
- ドッグフードを水でふやかす
- 氷を与える
- トイレと水を飲む場所を離す
- 水の種類を変えてみる
- 給水容器を増やす
- 水ゼラチンにする
- 水に風味のある食材を加える
- ウェットフードを与える
- 浅い皿にする
- 循環式流水器を利用する