愛犬に水を与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
人間と同じように、犬にも水分補給は欠かせません。そして、犬にはよい水を与えてあげたいですよね。
そこで、この記事では「犬に水を与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
犬と水
人間の60%ほどは水でできているという事実は知っている人が多いと思いますが、それは犬でも大きく変わりません。成犬の場合、65%は水分で構成されていると言われています。そして、犬の体内に含まれている水分のうち、2/3は細胞の中にあります。
細胞内の水は細胞が代謝や複雑な化学反応を行うのに重要な役割を果たしています。
また、残りの1/3は血液やリンパ液の中にあり、酸素、二酸化炭素、栄養素、抗体、白血球などを運んでいます。そして、酵素によって食べ物を消化したり、体温調整したりするためにも水は欠かせません。
ちなみに、動物は体脂肪のほとんどを失っても生きていられますし、たんぱく質も50%以上失っても生きていられます。しかし、水分は20%が失われただけで死んでしまいます。それだけ水分は重要なのです。
そんな水分ですが、尿、ふん、唾液などによって常に失われていっています。なので、水は飲み物を飲んだり、食事を食べたりすることで常に補給していく必要があります。
そして、水分が排出される量よりも補給される量のほうが少なくなると、だんだん脱水症状になってきてしまいます。
ちなみに、犬に必要な水分の量は気温、運動量、食事に入っている水分量などによって異なります。暑ければそれだけ水分を補給する必要がありますし、運動したらより多くの水分が必要ですし、ドライフードとウェットフードでは含まれている水分の量が異なりますよね。
水の注意点
与えすぎに注意!
水分をとりすぎてしまうとおなかがゆるくなってしまい、下痢をしてしまったり軟便になってしまったりするかもしれません。
特に温度の低い水を飲むと下痢や軟便のリスクが高くなるので注意が必要でしょう。
炭酸水に注意!
炭酸水はふつう、水に二酸化炭素を含ませて作ります。そのため、犬にとって害になる成分は含まれていません。ただ、炭酸水は刺激が強い飲み物なので、人間の中にも苦手な人がいます。
炭酸水は犬にとっても刺激が強すぎる飲み物なので、与えるのはおすすめできません。
また、市販の炭酸水の場合にはさらにおすすめできません。なぜなら、市販の炭酸水には砂糖が含まれている場合が多いからです。犬が飲んでしまうと糖分のとりすぎになってしまいます。
そして、犬が糖分のとりすぎになってしまうと肥満や歯周病や糖尿病の原因になってしまう可能性があります。
水の種類
ひとくちに水と言っても、水道水、ミネラルウォーター、浄水器の水などさまざまな種類があります。そこで、この項では、犬にはどの水が適しているか解説していきたいと思います。
水道水
水道水は犬に与える水として一番おすすめできます。日本の水道水は厳しい水質検査が行われており、よい水質に保たれているからです。犬にも安心して与えることができます。また、値段も安いのでコストの面でもおすすめできます。
ただ、水道水には塩素が含まれているので、それが気になるという人もいるでしょう。もし塩素が気になるという場合には、沸騰させたり浄水器を使ったりするとカルキ抜きを行うことができます。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは犬に与えてはいけないと思われがちですが、それは成分によりけりです。
ちなみに、ミネラルウォーターが犬にとって良くないと言われているのは、ミネラルウォーターにカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれているからです。
ミネラルウォーターを日常的に摂取するとカルシウムやマグネシウムの量が過剰になってしまい、結石の原因になってしまうと考えられているのです。
しかし、結石の根本的な原因は細菌に感染することであり、摂取するカルシウムやマグネシウムの量と結石との関係は薄いと言われています。そのため、ミネラルウォーターを与えているからといって、結石のリスクが上がるとはあまり言えないのです。
ただ、ミネラルウォーターを与える際、硬水を選ぶのはやめておいたほうがいいでしょう。硬水にはミネラルが多めに含まれており、ミネラルの過剰になりやすいからです。犬にミネラルウォーターを与えるなら軟水にしましょう。
このように、世間で言われているほどデメリットはないミネラルウォーターですが、犬に与えるのはあまりおすすめできません。確かにそれほど害はないのですが、ミネラルウォーターを与えたからと言ってメリットがあるわけではありません。
しかも、ミネラルウォーターは水道水よりずっと高価です。わざわざ与えるものではないでしょう。
水素水
水素水とは、水に一定以上の量の水素が含まれている水のことです。抗酸化作用があると言われているため、女性を中心にブームになっています。
そして、なんと水素水は犬用のものも発売されています。しかし、水素水の効果は科学的に証明されているわけではなく、疑問が残ります。
また、もちろんそれなりに値段もかかります。そのため、わざわざ与えるほどのものではないでしょう。
浄水器の水
浄水器の水も犬に与える水としてはおすすめできます。
浄水器の水は塩素の心配が少なく、ミネラルの心配も無用です。ただ、浄水器にはミネラルを添加する機能があるものもあるので、そのような浄水器は避けたほうがいいでしょう。
そして、水質としてはこれまでに紹介してきた水の中で犬に一番適していますが、値段は水道水よりもかかるので注意が必要でしょう。
給水器について
犬の給水器にはケージに設置するノズルタイプと器から自動的に給水する自動給水タイプがあります。
そして、犬はふつう、舌の裏を使って水を飲みますが、給水器が高すぎたり低すぎたりするとむせたり、首に負担がかかって頸椎を痛めたりしてしまうかもしれません。そのため、給水器の高さには注意する必要があります。
ちなみに、給水器の適切な高さは個体によって異なりますが、ノズルタイプは4本足で立った時に口の正面に来る高さに設置するといいでしょう。
また、自動給水タイプは4本足で立った状態で下を向いたら水を飲める位置に置くといいでしょう。
ちなみに、ノズルタイプは水が少しずつしか出てこないため、犬がストレスを感じてしまうかもしれません。そのため、給水器は自動給水タイプのほうがおすすめです。
また、現在では自動で水が循環するタイプも発売されています。このタイプは常に新鮮な水を供給できるので犬にとても適していますが、電力を使う必要があります。
そのため、犬がコードをかみちぎって感電したり、コードを誤飲したりしてしまうかもしれません。なので、もしこのタイプを買うなら対策が必要でしょう。
そして、いずれのタイプを選ぶにしろ、犬にとって適したものにしてあげるのが大切です。
水の与え方
犬に水を与えるときに気を付けるべきことは主に2つあります。それは水の鮮度と容器の清潔さです。
まず、水の鮮度についてですが、これはとても大切です。鮮度が低い水を与えてしまうとさまざまな病気の原因になってしまうかもしれません。
1日に数回は水を取り換えて鮮度をキープするようにしましょう。
次に容器の清潔さですが、やはりいくら水の鮮度が高くても容器が汚れていては意味ありません。水を入れている容器は毎日洗うようにしましょう。
また、浄水器の手入れや衛生管理には気をつかうようにしましょう。
ちなみに、水は犬がいつでも飲めるようにしておくべきですが、水を意識的に与えるべきタイミングもあります。
そして、1日でもっとも水を飲ませたいタイミングは散歩前です。散歩はもちろん運動なので体力を使い、水分も失います。また、散歩をした後にも飲ませたほうがいいでしょう。人間は運動をした後に水分を飲みますが、それと同じです。
そして、夏場は特に水分不足で脱水症状になりやすいので、水分補給には気を付ける必要があります。
ちなみに、食事の前に水を飲ませてあげるとおなかが水で満たされ、食べすぎの防止をすることができます。そのため、犬にダイエットをさせたい場合には特におすすめです。
そして、1日に飲む水の量の適量はありませんが、最低限飲むべき量はあります。
犬に最低限必要な水分量は体重(g)×0.05~0.07と言われています。例えば、体重が5㎏の犬であれば250ml~350mlほどです。そして、最低限必要な水分量より100mlくらいは多くの水を飲んでも大丈夫です。
そして、これより100ml以上飲んでいるようだったら、それは少し飲みすぎです。
犬が水を飲まない?
犬が水を飲まない場合、のどに炎症が起こっている、食道がなんらかの原因で閉塞している、腎臓に関する疾患が起こっている、などの原因が考えられます。
そのため、犬が水を飲まなくなってしまった場合、動物病院へ連れていってあげるようにしましょう。水だけでなくて食べ物も食べないという場合にはさらに良くありません。
また、もともと水をあまり飲まない犬もいると思いますが、水分補給は生命を維持するために重要です。そして、犬に水分を補給するよう説得することはできないので、与え方を工夫する必要があります。
具体的に犬に水を飲ませてあげる方法は3つほどあります。
まず1つ目は水に風味のある食材を加えてあげることです。例えば、肉をゆでた後の煮汁や鰹節で取っただし汁などを与えてあげると食欲がそそられ、犬が飲んでくれやすいのでおすすめです。
ちなみに、煮汁やだし汁はふだんは冷蔵庫に入れておくようにし、いざ与えるときには人肌程度に温めてあげるといいでしょう。与えるときに温度が高すぎるとやけどの原因になってしまうので、温めすぎないのも大切です。
また、ドライフードを食べている場合はドライフードを水でふやかしてから与えたり、手作りフードの場合はフードに水を加えてあげたりすると犬が水を飲んでくれやすくなります。
次に2つ目は水の温度を変えてあげることです。犬の中にはぬるま湯が好きな個体もいますし、冷たい水が好きな個体もいます。そのため、温度を変えると飲んでくれる場合があります。
そして、ぬるま湯を与えるときには人肌程度に温め、冷たい水を与えるときにはキンキンに冷やしすぎないようにしましょう。水を冷やしすぎてしまうと犬がおなかを壊してしまう可能性があります。
そして3つ目は水に粉ゼラチンを加えて水ゼラチンにすることです。具体的にはお湯に粉ゼラチンを加え、冷やして固めてあげると作ることができます。
水ゼラチンにするとゼラチンで風味が変わったり、食感が変わったりするのでおやつ気分で水を飲んでくれるかもしれません。
犬が水を飲みすぎる?
水は飲まなすぎるのも問題ですが、飲みすぎるのも問題です。犬が水を飲みすぎているときには犬の体の中で良くないことが起こっている可能性があるからです。
ただ、水を多く飲んでいるときが運動後だったり、夏の暑い時期だったりする場合には問題ありません。私たち人間も運動した後には多くの水を飲みますし、暑い時期にはこまめに水分補給を行いますよね。
しかし、犬がこれ以外の場合で異常に水を飲んでいる場合、腎臓病などの病気の可能性もあります。もし気になる場合には動物病院へ連れていってあげましょう。
犬が水を飲むとむせる
犬が水を飲んでむせる場合、主に3つの原因が考えられます。まず1つ目は給水器の高さが合っていないことです。この場合、給水器の高さを調整してあげれば改善することができます。
次に2つ目は食道に異物が詰まっている場合で、3つ目は歯周病になっている場合です。これらが原因の場合には、動物病院へ連れていってあげましょう。
そして、犬に与える水は常に新鮮なものにし、容器の清潔さを保つことも大切です。
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