愛犬にぶどうを与えてはいけません。
ぶどうはとても身近な果物で、日常的に食べている人も多いと思います。しかし、ぶどうは犬に与えてはいけない食べ物として有名です。
そこで、この記事では「犬にぶどうを与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
下痢、嘔吐、急性腎不全などの恐れ
犬がぶどうを食べてはいけない理由はよくわかっていません。
しかし、犬がぶどう中毒を起こすと、食べてから2時間から3時間後から腹痛が出始め、下痢や嘔吐を繰り返すようになります。
そして、最悪の場合、ぶどうを食べてから2~3日で急性腎不全を起こして死んでしまいます。
もし愛犬が誤ってぶどうを食べてしまったら、動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
犬にぶどうを与えるのはなぜダメ?
実は、犬がぶどうを食べてはいけない理由はよくわかっていません。農薬、殺虫剤、カビなどの汚染、ブドウの未知の毒性成分などの原因が疑われていますが、どれも決定打はありません。
現在わかっているのは、ぶどうの実自体よりも皮のほうが危険性が高いということだけです。
ぶどうの中毒量
ぶどうの中毒量は体重1㎏あたり32gが目安です。ただ、個体差を考えると中毒量は3g~57gなので、犬によって中毒量はかなり異なります。
ちなみに、通常売られている巨峰はひとつぶあたり15g程度なので、犬によっては巨峰をひとつぶ食べただけでもぶどう中毒になる可能性があります。
そして、致死量に関しては未解明です。さらなる研究が待たれます。
ぶどうを食べたときの症状
犬がぶどう中毒を起こすと、食べてから2時間から3時間後から腹痛が出始め、下痢や嘔吐を繰り返すようになります。
そして、最悪の場合、ぶどうを食べてから2~3日で急性腎不全を起こして死んでしまいます。もともと腎疾患を持っている犬の場合、ふつうの犬よりも死のリスクが高めです。
ちなみに、急性腎不全とは、腎臓が何らかの原因で破壊され、尿から老廃物を外に排出できなくなる状態のことです。具体的には尿を作る機能が低下するので、尿が少なくなったり、出なくなったりします。
また、急性腎不全では嘔吐、無気力、食欲不振、意識レベルの低下、呼吸が荒くなる、元気がない、腎臓やそのまわりが痛むのでそれをこらえるため背中を丸めてじっとしている、などの症状が出ることもあります。
そして、急性腎不全が進行して腎不全になってしまった場合、逆におしっこの量は増え、水を飲む量も増加します。そして、腎不全を放置すると高カリウム血症や尿毒症などにより死んでしまう可能性もあります。
また、犬がぶどう中毒になった場合、無気力、食欲不振、アレルギー反応、水を飲む量の増加、元気がなくなりぐったりする、などの症状が出る場合もあります。
ぶどうを食べたときの対処法
愛犬が誤ってぶどうを食べてしまったら、動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。基本的には病院へ連れて行って、そこで処置が行われることになります。ちなみに、病院では自分の犬の状態を正確に伝えることが大切です。ぶどうを食べた時間、食べた量、皮ごと食べたかどうかなどをできるだけ詳しく説明できるようにしておきましょう。
ぶどうを食べてしまってから2~3時間以内の場合、動物病院ではまず吐かせる処置を行います。中毒の原因物質を外に出すのが一番大切だからです。
そして、食べてから少し時間がたってしまい、吐かせることができなかった場合、胃洗浄を行います。胃洗浄とは、胃の中のものを洗い出す処置のことです。
中毒症状が出ていない場合はこれらの処置で終わることが多いです。ぶどう中毒の原因はよくわかっておらず、解毒剤などあるはずもないからです。ただ、中毒症状が出ている場合には対症療法を行います。
具体的には嘔吐や下痢などで失われた水分を補うために点滴が行われたりします。
ちなみに、検査の結果、腎不全を起こしていることが明らかになった場合、入院して処置を行うことになります。その場合、入院費用も含めて5~10万円ほどかかります。
また、深夜などに愛犬がぶどうを食べてしまって、動物病院がやってないという場合もあると思います。その場合には飼い主が吐かせる処置を行うことになります。
ちなみに、吐かせる方法としては塩水を使用する方法が知られていますが、これはあまりおすすめできません。塩を摂取しすぎて塩中毒になってしまう可能性があるからです。
犬に吐かせる処置を行うなら、オキシドールを使いましょう。オキシドールも胃の中に傷がある場合はおすすめできませんが、塩よりはずっとましな吐かせ方です。
そして、オキシドールを使って吐かせる場合、まずは体重5㎏あたり11mlのオキシドール(3%)を用意します。そして、これを犬の舌の奥のほうに流し込みます。そうすると15分ほどで吐いてくれることが多いです。もし吐かなかった場合、水を飲むと吐きやすくなります。
ただ、20分たっても吐かない場合もあります。その場合には同じことを再度行いましょう。
しかし、オキシドールによる吐かせる処置は犬に意識や反応がなかったり、犬が興奮状態になっている場合には行うべきでありません。また、1時間以内に吐かせる必要があり、それ以降は吐かせても意味がありません。
そして、応急処置を行った後、動物病院が営業している時間になったら、必ず愛犬を連れて行くようにしましょう。
愛犬が平気そうにしていても、突然中毒症状が出てくる場合もありますし、腎臓は一度ダメージを受けてしまうと二度と機能が回復しません。平気そうな場合でも、食べてから2~3日は注意深く様子を見るようにしましょう。
ぶどうの加工品について
ぶどうは加工品であっても、同じように中毒症状が出てしまいます。それぞれ見てきましょう。
ぶどうジュース
ぶどうジュースであっても、犬がぶどう中毒を起こすことに変わりはありません。特に果汁100%の場合には注意が必要です。
また、果汁が低めの場合、砂糖が多く使われているので、肥満や歯周病、糖尿病などの原因になってしまう場合があります。ぶどうが含まれているのは同じなので、これは二重の意味で犬に与えるべきではありません。
レーズン
レーズンはぶどうを乾燥させたものです。レーズンにはぶどうの成分が濃縮されているので、普通のぶどうよりも危険性はさらに上です。そして、レーズンの中毒量の目安は体重1㎏あたり11g~30gくらいです。ちなみに、レーズンはひとつぶあたり0.6gです。
レーズンは単独で食べることよりも、お菓子やパンなど加工されたものを食べることのほうが多いと思います。その場合にも、犬が食べると中毒を起こしてしまうので注意が必要です。
ぶどうを誤って食べてしまうケース
この項では犬がぶどうを誤って食べてしまうケースについて解説していきたいと思います。あてはまるものがある場合には改善してみてください。
犬が届く場所にぶどうがあった
犬の手が届く場所にぶどうがあった場合、犬が食べてしまう場合があります。例えばテーブルの上などは注意が必要です。犬は鼻がいいので、見えていなくてもにおいで食べ物を探し当てて、食べてしまうかもしれません。犬が届く場所にはぶどうを置かないようにしましょう。
ちなみに、犬が誤食するのはお留守番のときが多いです。お留守番の時には特に注意が必要です。誤食を防ぐためにも、お留守番のときにはケージに入れてしまうのも手でしょう。
人間が食べてて落としたぶどうを食べてしまった
犬がぶどうを誤食するケースには、人間が食べてて落としてしまったぶどうを食べられてしまった、というものもあります。犬は人間が食べているものに魅力を感じるものなので、機会があったら食べてしまうものなのです。そして、この場合、人間が食べものを落とさないように努力するのには限界があります。
この場合の誤食を防ぐためにはしつけが重要です。きちんとしつけがされていれば、犬は落ちてきたものを食べるより、飼い主の言うことを聞くほうが重要だと考えるため、誤食しなくなります。
誤食を防ぐためにも、きちんとしたしつけが必要なのです。
散歩途中にあるぶどうや、自分の庭で栽培されているぶどうを食べてしまった
いくら家の中で注意していても、散歩しているときに愛犬がぶどうを食べてしまう場合もあります。これは散歩コースでぶどうがなっている場所をあらかじめ把握しておいて、近づかないようにするのが一番有効な対策でしょう。
また、この場合もしつけをきちんとしていれば、誤食することはなくなるでしょう。
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