愛犬に亜硝酸ナトリウムが含まれているドッグフードを与えるべきではありません。
亜硝酸ナトリウムは安いドッグフードの保存料として用いられています。そして、危険性は広く知られていると思いますが、その理由まで知っている人はなかなかいないのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬に亜硝酸ナトリウムを与えてはいけない理由」について解説していきたいと思います。
発がん性物質を作ることもある危険な食品添加物
亜硝酸ナトリウムにはボツリヌス菌や大腸菌O157などの増殖を防ぐ効果があるため、保存料として用いられることが多いです。
しかし、加工肉やソルビン酸カリウムと一緒に摂取してしまうと強力な発がん性物質が作られてしまうので注意が必要です。
そもそも保存料って何?
そもそも保存料とは、食品の腐敗や味の変化などの原因となる微生物の増殖を抑え、より長い間保存できるようにするために添加される物質のことです。
ちなみに、微生物を殺すことが目的ではないので、すでに微生物が繁殖してしまった状態では意味がありません。微生物が増えてしまう前に添加される必要があります。
そして、ドッグフードは比較的長期間保存する必要がある食べ物なので、安いドッグフードには保存料が使われていることが多いです。
しかし、保存料は犬の体にとって必要のないものです。保存料の中には危険性の高いものと低いものがありますが、どちらが添加されていたとしても、そのドッグフードを選ぶのはやめておいたほうがいいでしょう。
亜硝酸ナトリウムとは
亜硝酸ナトリウムは保存料などとして用いられる添加物のひとつです。亜硝酸ソーダと呼ばれることもあります。詳しく見ていきましょう。
亜硝酸ナトリウムは白もしくは黄色の結晶であり、水によく溶ける物質です。そして、亜硝酸ナトリウムの水溶液はアルカリ性になります。
そんな亜硝酸ナトリウムは金属の表面処理のために用いられたり、発泡剤として用いられたりすることもありますが、食品添加物として使用されることもあります。
具体的には、ボツリヌス菌や大腸菌O157などの増殖を防ぐ効果があるため、保存料として用いられています。
そして、日本においては肉の加工品に用いられることが多いでしょう。特に非加熱のソーセージの場合、細菌の繁殖を抑制するために亜硝酸ナトリウムの添加が義務付けられています。
また、亜硝酸ナトリウムは発色剤として使用されることもあります。発色剤とは、食品の色を鮮やかにするために使用される添加物のことです。私達がふだん食べているソーセージやハムなどの色は、亜硝酸ナトリウムによって作り出された不自然なものなのです。
ちなみに、亜硝酸ナトリウムは厚生労働省が使用を認めている食品添加物ですが、使用する量については規制があります。
亜硝酸ナトリウムが使われる犬用食品
亜硝酸ナトリウムは缶詰タイプのドッグフードや、犬のおやつの発色剤や保存料として用いられることが多いでしょう。
ちなみに、AAFCOでは、亜硝酸ナトリウムの使用量を20ppm以下に制限しています。
ppmとは100万分の1という意味です。例えば、1トンの原料の中には20g以上の亜硝酸ナトリウムを添加してはいけません。
AAFCO
AAFCOとは日本語では米国飼料検査官協会と呼ばれる組織で、ペットフードの栄養に対する厳格な基準や、ラベルの表示のルール、添加物の使用量などを定めている団体です。
ちなみに、AAFCOの基準を満たしているとプレミアムフードを名乗ることができます。
亜硝酸ナトリウムの危険性
亜硝酸ナトリウムは加工肉に使用したときの発がん性が指摘されています。
具体的には、加工肉の中に含まれているアミンという物質と亜硝酸ナトリウムが胃の中で化学反応を起こし、ニトロソアミンという発がん性物質が作られてしまいます。
そして、ニトロソアミンは発がん性物質の中でも特に強力だと言われています。
ただ、ニトロソアミンの発生はビタミンCと一緒に摂取すると防ぐことができます。
また、亜硝酸ナトリウムはソルビン酸カリウムと一緒に摂取するとさらに危険性が増すと言われています。
亜硝酸ナトリウムとソルビン酸カリウムを同時に摂取すると、化学反応で強力な発がん性物質であるエチニル酸という物質が作られてしまうのです。
ちなみに、ソルビン酸カリウムもハムやソーセージなどの加工肉に使われていることが多いです。 ですので、ハムやソーセージなどの加工肉には特に注意が必要です。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは細菌や酵母の増殖を防ぐ働きがあるため、ドッグフードなどの保存料として用いられています。
しかし、ソルビン酸カリウムは細胞の遺伝子を突然変異させたり、染色体異常を引き起こしたりすることが分かっています。
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