愛犬に蜂蜜(はちみつ)を与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
ドッグフードにはちみつが含まれていることはまれですが、犬用のおやつにははちみつが含まれていることがあります。また、はちみつは身近な食材なので、多くの人は食べたことがあると思います。
なので、犬にはちみつを与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にはちみつを与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
はちみつの効果効能
はちみつには消化や吸収に優れた糖分が含まれているので、エネルギー補給をしたいときや、疲れたときに適しています。
そして、砂糖の1/3で同じ甘さになり、カロリーも控えめなので、砂糖を与えるよりもダイエットに適しています。
また、はちみつには抗炎症作用があり、毛のツヤが良くなり、毛並みも豊かになると言われています。
はちみつの栄養成分
はちみつに含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
水分 | 17.6g |
炭水化物 | 81.9g |
ナイアシン | 0.3㎎ |
ナトリウム | 2㎎ |
カルシウム | 4㎎ |
カリウム | 65㎎ |
鉄分 | 0.2㎎ |
マグネシウム | 2㎎ |
マンガン | 0.21㎎ |
果糖 | 39.7g |
ブドウ糖 | 33.2g |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] 炭水化物は脂肪やたんぱく質と並んで三大栄養素のひとつです。犬は人間と比べて必要な炭水化物の量が少ないですが、決して不要なわけではありません。 そして、炭水化物は犬の体内で主にエネルギー源として利用されます。また、すぐ使わない分は体脂肪として蓄積されます。 ナイアシンはビタミンB群の仲間です。そして、ナイアシンは細胞で糖質や脂質やたんぱく質からエネルギーを作り出すときに役立ちます。また、皮ふや粘膜の健康を維持する役割もあります。 カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。 鉄分は血液のヘモグロビンの中に含まれ、酸素を運ぶために必要です。また、エネルギーを作り出すためにも必要です。 果糖は炭水化物のひとつで、フルクトースと呼ばれます。そして、炭水化物の中でも、単糖類に分類されています。そして、果糖の一番大きな役割は体や脳を動かすためのエネルギー源になることです。ちなみに、果糖は比較的はやく消化吸収される糖類なので、疲労をはやく回復させることができます。 ただ、摂取しすぎると肥満につながるので注意が必要です。 ブドウ糖は炭水化物のひとつで、グルコースとも呼ばれます。そして、ブドウ糖は脳や体でエネルギー源として使用されています。 しかし、摂取しすぎると肥満の原因になってしまいます。 ポリフェノールはほとんどの植物に存在する苦味や色素のもとです。ポリフェノールは強い抗酸化作用を持っており、犬の体を健康に保つのに役立ってくれます。 人間でも1歳未満の赤ちゃんははちみつを食べてはいけないと言われていますが、これははちみつにボツリヌス菌が含まれている場合があるからです。腸内細菌が整っていない赤ちゃんは、ボツリヌス菌に感染してしまう可能性があるのです。 これは犬の場合も同じで、子犬はもちろん、感染症への抵抗力が落ちている老犬や弱っている犬などにもはちみつを与えないようにしましょう。 ちなみに、ボツリヌス菌は自然界に広く存在している細菌の一種です。まれに魚や野菜やビン詰めなどに混入している場合があります。そして、ボツリヌス菌は食中毒を引き起こしてしまう可能性があります。 ちなみに、ボツリヌス菌の初期症状は腹痛や吐き気や嘔吐などであると言われています。 そして、はちみつは特にボツリヌス菌に感染している場合が多く、日本で出回っているはちみつのうち、5%はボツリヌス菌に感染していると言われています。 ただ、腸内細菌の環境が整っている人や動物なら、ふつうボツリヌス菌が体内に侵入しても、感染することはありません。 ちなみに、ボツリヌス菌の毒素は熱に弱く、80℃で30分以上、もしくは100℃で10分以上熱すると死滅すると言われています。 ただ、芽胞(がほう)というボツリヌス菌の種のようなものは少し厄介で、上記の方法では死滅しません。そして、芽胞が体内に入ると大量の毒素を排出し、ボツリヌス菌に感染してしまう可能性があります。 芽胞まですべて死滅させるためには、120℃で4分以上加熱する必要があります。 はちみつ自体でアレルギー反応が出ることはほぼないと言われています。しかし、はちみつを食べると花粉のアレルギーが出る可能性があります。 なぜなら、はちみつはそもそも蜂が花の蜜を集めて巣に貯め、それを加工したものだからです。はちみつには少量の花粉が含まれていることがあるのです。 そして、犬が花粉のアレルギーを持っていた場合、症状は主に皮ふに出ます。 具体的には、体を壁にこすりつけたり、涙が出たり、顔をかきむしったり、発疹が起こったり、外耳炎になったりします。 また、目の周辺が赤くなったり、目の周辺の毛が抜けたりすることもあります。 はちみつは砂糖よりカロリーが低いとはいえ、食品全体で見ればカロリーは高めです。また、糖分も多く含まれています。そのため、与えすぎると糖分のとりすぎになり、肥満や歯周病や糖尿病の原因になってしまう可能性があります。 また、はちみつは糖分が高くて水分は少なめです。そのため、糖分を分解する能力が低い犬の場合、はちみつを与えすぎると軟便や下痢になってしまうかもしれません。 犬は甘味に敏感なので、はちみつが大好きになってしまう場合があります。 それ自体はあまり問題ないのですが、はちみつを好むあまり、ふだんのフードなどを食べなくなってしまう場合もあります。 はちみつの加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。 はちみつ入りクッキーやボーロは、犬用のものであればもちろん与えても問題ありません。 しかし、人間用のものを与えるのはおすすめできません。なぜなら、脂肪や砂糖が多く、肥満の原因になりやすいからです。 レモンの皮にはソラレンという有害な物質が含まれています。そのため、犬にはちみつレモンを与えるのはやめておきましょう。 はちみつキャンディに限らず、キャンディは溶けるまでに時間がかかります。そして、犬がはちみつキャンディを与えられると舐めるのではなく、丸呑みしてしまう可能性が高いです。 また、はちみつキャンディには糖分が多く含まれているので、肥満や歯周病や糖尿病の原因になってしまう可能性があります。 そのため、はちみつキャンディを犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。➀炭水化物
➁ナイアシン
➂カリウム
➃鉄分
➄果糖
➅ブドウ糖
➆ポリフェノール
はちみつの注意点
ボツリヌス菌に注意!
アレルギーに注意!
与えすぎに注意!
食性が変わってしまうかも
加工品に注意!
はちみつ入りクッキー・ボーロ
はちみつレモン
はちみつキャンディ
はちみつの与え方
上記のように、はちみつを犬に与える場合、メリットよりもデメリットのほうが多いです。そのため、犬にはちみつを与えても問題ありませんが、積極的に与えるものでもありません。
ただ、どうしても与えたいという場合もあるでしょう。なので、この項でははちみつの与え方について解説していきたいと思います。
犬にはちみつを与える場合、ボツリヌス菌に感染するリスクを排除するために、まずは加熱するべきでしょう。120℃で4分以上加熱すれば芽胞も含めてボツリヌス菌は死滅します。
そして、ヨーグルトにかけたり、水で薄めてあげたりして与えるのがいいでしょう。フードにトッピングしたり、手作りのクッキーに混ぜたりするのもおすすめです。
ちなみに、そのまま与えると甘味が強すぎるためおすすめできません。
そして、はちみつを与えたら、その後には必ず歯磨きをするようにしましょう。糖分を多く含む食品を食べた後に何もしないと、歯周病などになってしまうリスクが高まるからです。これは人間と同じですね。
ちなみに、はちみつを使って犬にうまく薬を飲んでもらうことができます。
つぶして粉々にした薬をはちみつと混ぜ合わせると、犬が素直に薬を飲んでくれるのです。ただ、この方法は多用すると糖分のとりすぎになってしまうため、どうしても薬を飲んでくれないときにだけ行いましょう。
そして、はちみつの適量はティースプーン1杯くらいです。くれぐれも1日の総カロリーの20%は超えないようにしましょう。
ただ、適量は個体によって異なります。与えたら次の日は便を確認するようにしましょう。便を確認して、もし緩くなっていたり、下痢になったりしたら、それは与えすぎです。量を減らすようにしましょう。
また、はじめて与えるときにはごく少量にしましょう。アレルギーがあるかもしれませんし、はちみつが犬の体質に合っていない可能性もあるからです。
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