愛犬にハムを与えるのはおすすめできません。
ハムはとても身近な食材ですよね。洋風の朝食だとよく玉子焼きの付け合わせとして使用されると思います。
なので、犬にもハムを与えてもいいのかどうか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にハムをおすすめできない理由」について解説していきたいと思います。
塩分や添加物が多い
ハムには多くの塩分と添加物が含まれているため、犬には適していない食材です。
ただ、どうしても与えたい場合には、犬用のハムにしましょう。また、人間用のハムを買ってきて塩抜きをするのもいいと思います。
そもそもハムって何?
みなさんはハムの定義を答えられるでしょうか。これは意外と知らない人が多いと思います。特にハムとベーコンの違いは難しいですよね。そこで、この項ではハムとはいったいどのようなものなのか解説していきたいと思います。
まず、ハム原料は豚のモモ肉であることが多いです。つまり、後ろ足の肉を使っていることが多いのです。
そして、モモ肉から作られたハムの中でも骨がついてないものはボンレスハムと呼ばれ、骨がついているものは骨付きハムと呼ばれます。
また、ロース肉を使ったらロースハム、肩肉を使ったらショルダーハムに、バラ肉を使ったらベリーハムになります。
そして、ハムはまず原料を塩漬けにし、熟成させた後に、型に詰めたり糸で巻いたりしてからさらに燻製させます。そして、仕上げにスチームで蒸したり、ボイルしたりして完成です。
そのため、ほとんどのハムはすでに加熱されていますが、生ハムの場合には燻製はしていますが、加熱はしていません。
そして、ハムはジューシーで柔らかいのが特徴です。
ちなみに、ハムはサラダなどでそのまま食べられることが多いという特徴もあります。
犬にハムを与えるのはなぜ良くない?
ハムは人間用の加工食品です。そのため、与えるとたんぱく質源にはなるものの、犬の健康に良くない調味料や塩分などが多く含まれています。
ちなみに、塩分はロースハムなら1枚当たり0.5g、生ハムなら0.55g、熟成生ハムなら1.1g含まれています。そして、犬の塩分の適正量は体重1㎏あたり0.127gです。そのため、4㎏の犬の場合、生ハムを1枚食べただけで適正量を超えてしまうことになります。
そして、犬が塩分をとりすぎてしまうと心臓や腎臓に負担がかかってしまい、さまざまな病気の原因になってしまうかもしれません。
また、人間用に作られているハムは、犬にとっては味が濃すぎます。そのため、犬がハムを食べてしまうとハムの濃い味に慣れてしまい、いつものフードを食べなくなってしまう可能性もあります。そうなると栄養が偏ってしまうことになります。
ハムの注意点
アレルギーに注意!
ハムは豚肉から作られています。そのため、豚肉アレルギーに注意する必要があります。
ハムをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。
そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、豚肉アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。
与えすぎに注意!
ハムなどの加工肉には普通の豚肉よりも多くの脂肪分が含まれています。そのため、ハムを与えすぎてしまうと脂肪のとりすぎになってしまい、肥満や膵炎の原因になってしまう可能性があります。
また、ハムには塩分も多く含まれているため、塩分のとりすぎにも注意が必要です。
がんに注意!
ハムなどの加工肉は大腸がんのリスクを上昇させるという研究があります。これは確定ではありませんが、可能性は高いです。
そのため、ハムを日常的に与えるのは、がんを予防するためにもやめたほうがいいでしょう。
添加物に注意!
ハムなどの加工肉には添加物が含まれている場合が多いですが、添加物は犬の体に悪い影響を与える場合も多くあります。
そこで、この項ではハムに含まれている代表的な添加物について解説していきたいと思います。
亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムは見た目を良くするために使用されます。
しかし、亜硝酸ナトリウムは体内でニトロソアミンという発がん性物質に変化してしまい、がんリスクを高めてしまいます。
着色料(赤色2号など)
着色料は見た目を良くするために使用されます。ちなみに、ハムには赤色の着色料が使われていることが多いでしょう。
そして、着色料はアレルギーやがんのリスクを高めてしまうと言われています。
ソルビン酸カリウム
ソルビン酸カリウムは保存料として使用されている添加物です。安いドッグフードなどには使われている場合がありますが、発がん性があると言われており、免疫障害や成長不順のリスクもあります。
ただ、ハムに含まれているソルビン酸カリウムの量は一生食べ続けたとしても健康に問題がないレベルであると言われています。
リン酸塩
リン酸塩はハムの形を保ったり、食感を良くしたりするために添加されます。リン酸塩が入っている食品を食べるとリンがたくさん摂取されることになるので、リンの過剰摂取になってしまう恐れがあります。
そして、カルシウムの吸収を妨げるので、骨トラブルのリスクを高めてしまいます。
もしハムを与えたいなら
以上のように、犬にハムを与えるのはあまりおすすめできませんが、どうしても与えたい場合には、犬に対するデメリットが少しでも減るように努力して、少量だけ与えるようにしましょう。
まず、犬にハムを与えるなら塩分の対策をする必要があります。
具体的には、ゆでて塩抜きをする必要があります。そのためにはまず、ハムを細切りにし、ハムの倍の量の水を沸騰させて、そこにハムを投入するようにしましょう。そしたら火を止め、1分待ちます。
ちなみに、この時火をつけたままゆでてしまうとうまみが逃げやすくなってしまいます。そして、1分が経過したらハムをザルにあげ、水で引き締めます。ちなみに、水で引き締めると食感がぷりぷりになっておいしいです。そして、水気を取ったら完成です。
このように塩抜きをすることで、塩分を70%減らすことができます。
また、自宅でハムから添加物を抜くことはできないので、犬にハムを与えるなら、できるだけ添加物が含まれていないものを買うようにしましょう。無添加のものがベストです。
ちなみに、ハムは犬用のものを与えるという選択肢もあります。犬用のハムは塩分が抑えられているので塩抜きをする必要はありませんが、添加物は入っていることがあります。
そのため、犬用のハムを買うときにもできるだけ無添加のものを選ぶようにしましょう。そして、犬用のハムの場合、与える量は目安に従いましょう。
ただ、どうしても与えたい場合には、犬用のハムにしましょう。また、人間用のハムを買ってきて塩抜きをするのもいいと思います。