近隣住民から犬がうるさいと通報された際、「通報されたらどうなるのか」不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
犬が吠えているのを放置してしまうと、注意されるだけでなく損害賠償が発生する可能性があるのです。
そこで本記事では、犬がうるさいと通報された際に何が起こるのか紹介したうえで、具体的な対処法を紹介します。
通報されるリスクを減らせる見込みがあるおすすめのグッズも紹介するので、参考にしてください。
犬がうるさいと通報されるとどうなる?
近隣住民から「犬がうるさい」と通報されてしまった場合、何かしらの処罰があるのか、気になるものです。
実際に通報された際、以下のような状況になる可能性があります。
- 愛犬が吠えるだけでは罪にはならないが、地域によって条例がある
- 損害賠償を求められる可能性がある
- 電話か文書などで注意喚起される
愛犬が飼い主に何かを伝える目的から吠えているのに、通報されてしまうと不安に感じる方も少なくありません。
ここからは、通報されたあとに起こり得る状況を順番に紹介していきます。
「自分は悪くない」と思い、何も行動に移さないとトラブルに発展する可能性もあるので、参考にしてください。
愛犬が吠えるだけでは罪にはならないが、地域によって条例がある
犬がうるさいと通報されただけでは、罪に問われはしません。
しかし、動物愛護管理法7条1項には、飼い主は周りに迷惑をかけないよう記載されています。
第七条 動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
上記で書かれている内容は、あくまで「飼い主の努力」によるものです。
一方で自治体によっては、「迷惑防止・騒音防止条例」をもとに罰則規定を定めている場合があるので注意しましょう。
とはいえ、一度の通報ですぐに罰則につながるわけではありません。
多くの場合で、以下の段階を踏んで罰則につながります。
- 改善勧告
- 改善命令
- 罰則
つまり、犬がうるさいと何度も通報されても改善されなかった場合、罰則があるのです。
損害賠償を求められる可能性がある
犬がうるさいと通報された背景に、近隣住民の健康や精神的な被害があった際は損害賠償を求められる可能性があります。
前述で紹介した「迷惑防止・騒音防止条例」が住んでいる地域に罰則規定がなかったとしても安心できません。
なぜなら、民法718条1項には下記のように記載されているからです。
第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
引用:民法
実際にも、横浜地判昭和61年2月18日の事案において、30万円の慰謝料請求が発生したケースがあります。
状況としては、連日深夜帯や早朝に犬が吠えている状況が続き、飼い主の「保管義務違反」が認定された事案です。
ほかの事案でも、深夜帯や早朝に吠えている状況に対して通報があり、損害賠償が発生したケースがあります。
「迷惑防止・騒音防止条例」が住んでいる地域に罰則規定がなかったとしても、注意しておきましょう。
電話か文書などで注意喚起される
近隣住民が通報した場所によって、注意喚起の方法が異なります。
通報先によって異なる対応方法は、下記の通りです。
通報先 | 対応方法 |
マンションなどの管理会社 ・大家さん | 回覧板や掲示板で注意 改善が見られなかった場合、電話対応 |
保健所 | 電話で注意・指導など |
自治体・市町村役場の窓口 | 回覧板もしくは電話対応 |
警察 | 直接現場へ足を運んで注意 |
動物愛護センター | 電話で改善要請 改善が見られなかった場合、勧告や命令 |
犬がうるさいと通報された際、つい不安になってしまうものです。
前述で紹介したように、初回の通報では処罰を受けないので、落ち着いて対応しましょう。
犬がうるさいと通報された際の対処法
近隣住民から犬がうるさいと通報された際、「誰が通報したんだ」と考える前に、以下の対処をするのが重要です。
- 改善に努めるようにする
- 防音対策を講じる
- 愛犬が吠える原因を突き止める
- 愛犬を室内飼いにする
- 無駄吠えしないようにトレーニングをおこなう
- ブリーダーやドッグトレーナーに相談してみるのもひとつ
近隣住民に、今後迷惑をかけないよう、飼い主としてできるところから対処していきましょう。
改善に努めるようにする
犬がうるさいと通報された際、まずは改善に努めようとする真摯な姿勢が重要です。
真摯に受け止めていないと、通報がきっかけにトラブルが起きかねないからです。
そもそも犬の鳴き声は、環境省が定めている騒音基準に「騒音に該当する」と記載されています。
引用:環境省
人によっては、「愛犬が通報の対象になった」と衝撃的に感じる方もいるでしょう。
しかし、近隣住民によっては、犬の鳴き声でストレスを感じてしまう方がいると把握しておきましょう。
特に、前述で紹介した通り、深夜帯や早朝に犬が吠えている状況が続いてしまうと、健康・心理的な被害が発生する可能性があります。
また、夜勤明けの方もいると把握しておく必要があります。
まったく犬が吠えないようにするのは難しかったとしても、後述する対策を講じていきましょう。
防音対策を講じる
近隣住民から犬がうるさいと通報されたら、防音対策を実施するために以下の点を振り返りましょう。
- 何時頃によく吠えているのか
- 何が理由で吠えているのか
- 吠えている場所はどこなのか
上記の点は、後述する対策を練るために重要な内容になります。
まず、ここで紹介する「防音対策」については、防音グッズの購入で大きく変化します。
たとえば、下記のグッズがおすすめです。
- 防音(または厚めの)カーテン
- 窓に遮音性の高いパネル取り付け(または防音ガラスに交換)
- 壁に防音ボード
また、マンションの場合は下の階に響かないように、遮音性の高いカーペットを敷くのも効果的です。
愛犬を室内で飼っている方は、防音対策を十分に取り入れて、通報されないよう改善に努めていきましょう。
愛犬が吠える原因を突き止める
愛犬が吠える原因を突き止められれば、吠える回数を減らせる可能性があります。
なぜなら、犬が吠える行為そのものは、あくまで何かを伝えようとしているからです。
犬が吠える原因の代表的な例として挙げられるのは、ストレスや不安、興奮状態などです。
時間的に余裕がある方は、犬がよく吠えるタイミングを記録しておくと、何か原因が突き止められる可能性があります。
よく吠えるタイミングや状況を洗い出していけば、「来客時」「おやつの時間」などが明らかになってくるものです。
たとえば、来客時に犬がよく吠えているなら、訪問者と出会わないようゲージに入れるなどの対応で対策できる可能性があります。
また、おやつの時間でよく吠えている場合、「吠えればおやつを出してくれる」と認識している恐れがあります。
おやつの時間を変えたりコミュニケーションを多めに取ったりしつつ、原因の究明や対策を講じていきましょう。
愛犬を室内飼いにする
外飼いしている愛犬がうるさいと通報された際、室内飼いにするのを視野に入れましょう。
リビングや寝室に入られると困る場合、玄関の内側でも十分防音対策できます。
しかし、外飼いから急に室内飼いに変えるのは、犬にとって大きなストレスを与えるものです。
犬によってはストレスが原因になり、これまで以上に吠える回数が増えてしまう恐れがあるので注意が必要です。
とはいえ、室内飼いに変えるだけでメリットもあります。
たとえば、騒音問題の軽減はもちろん、犬にとっても外部からの刺激も軽減できるのです。
また、外飼いでは犬が吠えているのに気づかなかったとしても、室内飼いであればすぐに気づけます。
最初のうちは、犬がストレスを感じてしまい、これまで以上に吠えたとしても多くの場合で不安が原因になっています。
休日など、時間が取れるタイミングで、犬とのコミュニケーションを増やして、不安を減らしていきましょう。
無駄吠えしないようにトレーニングをおこなう
犬がうるさいと通報された際、防音対策と同時に無駄吠えしないようなトレーニングを実施しましょう。
犬が無駄吠えする背景には、何かが癖づいてしまっている可能性があります。
ここで重要なのが前述で紹介した「吠える原因の突き止め」です。
吠える原因を突き止めずに、無駄吠えしないようトレーニングしても逆効果です。
たとえば、空腹状態をアピールする目的で吠えているのに、散歩に連れて行こうとすると、最悪の場合健康被害になる恐れがあります。
つまり、無駄吠えしないようなトレーニングにおいて、犬が吠える原因と合った環境作りが重要です。
飼い主として、トレーニングを失敗しない状況を作ると同時に、成功した際は犬にご褒美をあげるようにしましょう。
ブリーダーやドッグトレーナーに相談してみるのもひとつ
犬がうるさいと通報されて、十分な対策を取っても改善されない場合、専門家に相談するのもおすすめです。
前述で紹介したように、犬が吠える原因の突き止めやトレーニングは、難しいものです。
通報された回数によっては、注意から命令になり最悪の場合、損害賠償を請求されるので不安に感じる方もいるでしょう。
愛犬のトレーニングが難しいと感じた場合、専門家に相談すると答えが見つかる可能性があります。
最近では、出張したうえでトレーニングを実施してくれるブリーダーや、オンラインで相談を受け付けているサービスが充実しています。
トレーニングの成果が感じられない方は、一度ブリーダーやドッグトレーナーなどの専門家に相談するのを視野に入れておきましょう。
無駄吠えさせないためにできること
前述で紹介した通り、無駄吠えさせないためには、原因の突き止めが必要なものの、時間がかかるものです。
「また通報されないか不安」と感じる方に向けて、トレーニングの成果が得られるまでの応急処置ができるグッズを紹介します。
今回紹介するグッズは応急処置を含めてしつけができるものを4つ紹介します。
- 超音波のなるグッズを設置する
- 防音効果のあるゲージを使う
- 不快な臭いで愛犬を落ち着かせる
- 口の開く幅を狭くして無駄吠えを抑える
トレーニングの成果が得られるまで時間がかかるものなので、これから紹介するグッズを活用して、改善に努めていきましょう。
グッズごとにメリットやデメリットをまとめているので、参考にしてください。
超音波のなるグッズを設置する
設置タイプのグッズで、無駄吠えを自動で感知してくれる優れものです。
超音波を発信して、犬にとって嫌がる環境を作り出せます。
メリット |
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デメリット |
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犬によっては、音に慣れてしまい効果がなくなる場合があります。
また、飼い主にとっても不快に感じてしまう恐れがあるので注意しましょう。
とはいえ、自動感知できるうえに無害なのはメリットです。
防音効果のあるゲージを使う
防音効果のあるゲージには、ゲージ自体が防音室になっている「防音室タイプ」とゲージに被せる「カバータイプ」の2種類あります。
それぞれのメリットやデメリットは、下記の通りです。
防音室タイプ | カバータイプ | |
メリット |
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デメリット |
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防音室タイプは、防音性の高さが魅力的な反面、閉鎖空間なのでより一層無駄吠えが増えてしまう恐れがあります。
一方でカバータイプは、お手軽な価格設定で気軽に試せるメリットはありますが、夏場は注意が必要なグッズです。
どちらかを試したい方は、カバータイプから試してみるのがおすすめです。
不快な臭いで愛犬を落ち着かせる
犬が無駄吠えした際に、スプレーを吹いて対策するグッズです。
ものによっては、不快な臭いがするスプレーやアロマの香りでリラックス効果が見込めるものなど、充実しています。
メリット |
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デメリット |
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前述で紹介したカバータイプのものよりもお手軽価格なので、安さを重視している方におすすめです。
口の開く幅を狭くして無駄吠えを抑える
犬の口につける口輪タイプで、無駄吠え対策を兼ねたしつけグッズです。
口輪タイプなので、無駄吠え以外の対策もできます。
具体的には、下記の通りです。
メリット |
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デメリット |
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価格設定も比較的安いものが多い反面、かえってストレスを感じる可能性が高いので注意しましょう。
一方で、口輪タイプは無駄吠え以外にも噛み癖がある犬に対してもおすすめなグッズです。
噛み癖があると、近隣住民に怪我を負わせてしまう恐れがあります。
つまり無駄吠え以外にも、しっかり対策したい方におすすめなグッズです。
犬が吠える原因とは?
犬が吠える代表的な原因は、下記の通りです。
- 警戒・不安を感じているから
- 飼い主に要求している
- 認知症になっている可能性も
前述で紹介した通り、犬がうるさいと通報された際、吠える原因の突き止めが重要になります。
犬がよく吠えるタイミングや状況を洗い出し、原因を突き止める際の参考にしてください。
警戒・不安を感じているから
犬が何かに警戒していたり不安に感じていたりすると、吠えてアピールしている可能性があります。
犬は縄張り意識が強い傾向にあるので、不審に感じる人や物を見つけると、つい吠えてしまう物です。
たとえば、犬にとって苦手なものが設置されていたり、怪しい人物が右往左往していたりするのも発見すると、吠えてきます。
また、飼い主とのコミュニケーション不足が原因になっている可能性もあります。
引っ越しなどで環境が変化した場合、積極的に犬とコミュニケーションを取って、不安が減らせるよう努めましょう。
散歩をしている状況でよく吠えている場合は、散歩の時間帯を変えるのもおすすめです。
飼い主に要求している
飼い主に何かを要求する目的から、犬が吠えている可能性があります。
たとえば下記の原因から、犬は吠えています。
- お腹が減っている
- 喉が渇いている
- 遊んでほしい
上記のような理由から、犬が吠えて飼い主に要求しているのです。
つまり、犬が吠えているのは、何かしらの理由があると把握するのが重要です。
また、犬が吠えたあと飼い主自身の行動も整理しておきましょう。
犬によっては「吠えたから遊んでくれた」などと認識しているから吠えている可能性があります。
トレーニングには時間がかかってしまうものの、成果を得たい場合は「吠えても無駄」と感じさせるタイミングも必要です。
認知症になっている可能性も
犬の年齢によっては、認知症が原因で吠えている可能性があります。
認知症になってしまった犬は、下記のような状況が考えられます。
- 昼や夜の感覚が認識できなくなる
- トイレの場所を間違えてしまう
- 隙間から出られなくなる
上記のような状況が見られた際は、獣医に相談しながらケアをしていきましょう。
何かに警戒していたり不安を感じていたりするなら、対象になるものを排除すれば対策できます。
また、何かを要求しているなら、適切なタイミングで要求に応えれば無駄吠え対策できるものです。
一方で認知症が原因になっている場合は、認知症そのものが原因で無駄吠えしている可能性があります。
獣医と相談して適切なケアを踏まえた管理策を講じていきましょう。
犬がうるさいと通報されたら真摯な対応とトレーニングが大切!
犬がうるさいと通報された際、真摯な姿勢を持って防音対策をしつつトレーニングしていくのが重要です。
犬が無駄吠えしているのを放置してしまうと、自治体によって定められた条例や民法をもとに、損害賠償が発生する恐れがあります。
今回紹介した無駄吠え対策グッズを取り入れたり、飼う環境を変えたりしておけば、近隣住民とのトラブルを抑えられる見込みがあります。
次から通報されないように防音対策を講じつつ、無駄吠えしないようなトレーニングを並行していきましょう。
近隣住民と良好な関係が築けるよう、今回紹介した対処法を参考にしてください。
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