愛犬にカニを与えても大丈夫なのでしょうか? 答えは条件付きのイエスです。
ドッグフードにカニが使われていることはないと思いますが、カニはとても身近な食材ですよね。冬には鍋に入れて食べることも多いと思います。なので、犬にもカニを与えてもいいのかどうか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にカニを与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
カニの効果効能
まず、カニにはたんぱく質が多く含まれているため、たんぱく質源として有用です。
また、ビタミンB12も多く含まれているため、貧血の予防に効果的です。
そして、ビタミンEによる抗酸化作用も期待できます。
カニの栄養成分
カニ(ずわいがに/生)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
水分 | 84g |
たんぱく質 | 13.9g |
ビタミンB1 | 0.24㎎ |
ビタミンB2 | 0.6㎎ |
ビタミンE | 2.1㎎ |
カリウム | 310㎎ |
ナトリウム | 310㎎ |
カルシウム | 90㎎ |
リン | 170㎎ |
亜鉛 | 2.6㎎ |
銅 | 0.35㎎ |
セレン | 97μg |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。 ビタミンB2は主に皮膚や粘膜の健康を保つのに役立つビタミンです。代謝を支える重要な役割を持っています。活発に運動する犬ほどたくさんのビタミンB2が必要になります。 ビタミンEには抗酸化作用があります。抗酸化作用により、さまざまな病気が予防されます。 カルシウムは骨や歯を形成するために必要不可欠です。また、筋肉を動かすためにも必要です。ただ、過剰に摂取すると逆に骨折などが起こってしまう可能性があります。そのため、適切な量を与えることが重要です。 銅は鉄から血液中にある赤血球が作られるのを助けるミネラルです。赤血球のヘモグロビンは鉄を成分にしていますが、銅にはヘモグロビンをつくるとき、鉄を必要な場所に運ぶ役割を持っているのです。また、酵素の原料にもなり、骨の形成を助ける役割などもになっています。 アスタキサンチンはビタミンEの1000倍の抗酸化作用があると言われています。この抗酸化作用が着目されて、サプリメントとして用いられることもあります。そして、アスタキサンチンは目や皮ふや細胞の健康維持に欠かせません。 タウリンの一番大きな働きは肝臓の働きを活発にすることです。また、他にも血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、血圧を正しく保ったり、肝臓の解毒能力を強化したりする効果があります。 カニは甲殻類の一種です。そして、甲殻類は比較的アレルゲンになりやすい食材です。そのため、カニの場合もアレルギーには注意する必要があります。 カニをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。 そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、甲殻類アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。 また、一度食べて大丈夫でも、一度目食べたときに抗体ができて、二度目にアレルギーを発症してしまう場合もあります。 そして、甲殻類アレルギーは重篤なアナフィラキシーショックが起こりやすいので注意が必要です。 犬は魚介類の消化が苦手です。そのため、カニを与えすぎてしまうと消化不良になり、下痢や嘔吐の原因になってしまう可能性があります。 カニ、イカ、タコなどにはチアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれています。そのため、チアミナーゼを多く摂取するとビタミンB1欠乏症になってしまうかもしれません。このことから、生のカニを犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。 ちなみに、ビタミンB1欠乏症になると、最初のころは食欲が低下したり、よだれが多くなったりします。そして、その後はけいれん発作が起こったり、運動障害が起こったりします。 このような症状が出たら動物病院へ連れていってください。治療すれば1日程度で回復を見込めます。 ただ、チアミナーゼは加熱すれば効果を失います。 みなさんもご存知の通り、甲羅や脚や腱はかたい部分です。そのため、犬がこれらの部分を食べてしまうと、口内を傷つけたり、嘔吐を引き起こしたりするかもしれません。また、消化不良の原因になってしまう可能性もあります。 そして、のどや胃腸に詰まってしまい、呼吸困難や腸閉塞になってしまうかもしれません。そのような場合、動物病院のお世話になることになります。 そのため、犬へカニを与えるときには、あらかじめかたい部分を取り除いてあげましょう。 人がカニを食べるとき、塩やミソなどで味をつけるのが普通だと思います。 しかし、塩ゆでなどをしたカニを犬に与えてしまうと塩分過多になってしまうかもしれません。そして、塩分過多になると心臓や腎臓に負担がかかってしまい、さまざまな病気の原因になってしまう可能性があります。 また、カニをネギなどと一緒に煮込んでいる場合は、ネギのエキスがカニについてしまいます。そして、ネギは犬が絶対に食べてはいけない食品のひとつです。そのため、このようなカニは犬へ絶対に与えないようにしましょう。 犬にカニを与えるなら、味付けをしないのがおすすめ➀たんぱく質
➁ビタミンB2
➂ビタミンE
➃カルシウム
➄銅
➅アスタキサンチン
➆タウリン
カニの注意点
アレルギーに注意!
与えすぎに注意!
生のカニに注意!
甲羅や脚や腱に注意!
味付きのカニに注意!
胃腸の弱い犬・体調の悪い犬には不適
カニは犬にとって消化しにくい食べ物です。そのため、消化器官が弱っていると少量でも下痢や嘔吐をしてしまうかもしれません。
そのため、胃腸が弱い犬や体調の悪い犬にカニを与えるのは避けたほうがいいでしょう。
そして、嘔吐などが続いた場合には、動物病院へ連れていってあげるのをおすすめします。
銅蓄積症に注意!
人の血はヘモグロビンに含まれている鉄分の影響で赤くなっていますが、カニの血液は青くなっています。
これはカニの血液中に赤血球が存在せず、鉄ではなく銅が含まれているからです。
銅が血液中で酸素と結びつき、変色して青色になっているのです。
そして、銅が体内にたまってしまい代謝できなくなってしまうと、銅蓄積症になってしまいます。
ちなみに、銅蓄積症の症状は黄疸、元気消失、食欲減退、嘔吐などです。これらの症状が出てきたら銅蓄積症を疑い、動物病院へ連れていってあげましょう。
そして、銅蓄積症は全然発症しない犬もいますが、遺伝的に発症しやすい犬種もいます。
それはベドリントンテリアとウエストハイランドホワイトテリアです。特にベドリントンテリアについては50%が銅蓄積症の危険因子を持っており、25%がすでに発症していると言われています。
また、ドーベルマン、コッカースパニエル、スカイテリア、ワイアーフォックステリア、エアデールテリア、ダルメシアン、ケリーブルーテリアなども銅との関係性は明らかになっていませんが、肝障害が起こりやすい犬です。
これらの犬を飼っている人は特に注意が必要です。
加工品に注意!
カニの加工品の中には与えるのに注意が必要なものがあります。
カニカマ
カニカマとは色や食感をカニに似せて作ったかまぼこです。そのため、カニは入っていないのが普通です。ただ、たまにカニエキスが含まれている場合はあります。
そして、カニカマの成分に犬にとって悪いものは含まれていませんが、人間用なので塩分が多く含まれています。1本で0.3gほどです。そのため、犬へ与えるのには適していません。
ペット用のカニカマも発売されているため、もし与えるならそちらにするといいでしょう。
カニの与え方
カニは生で与えてはいけない食べ物なので、必ず加熱するようにしましょう。そして、味付けも厳禁です。
具体的には、水だけでゆでるようにするといいでしょう。殻や腱などは取り除いてやり、身だけを与えるようにしましょう。そして、細かくして与えてあげるようにしましょう。そうすれば消化に良くすることができます。
そして、カニは犬にとって消化が難しい食べ物なので、あまり多く与えるのは良くありません。あくまでおやつやトッピングとして与えてあげるのがおすすめです。
ちなみに、具体的な適量は5㎏の犬だったら大さじ2杯分程度です。ただ、適量は個体によって異なり、この量では下痢や嘔吐などをしてしまう犬もいると思います。そのため、はじめはごく少量を与えるようにしてください。
そして、大丈夫そうだったら増やしていき、上記の適量でも大丈夫だったらその量を与えるようにしましょう。
ちなみに、カニの殻の柔らかい部分はフードプロセッサーでくだいてふりかけにし、フードに加えてあげるのもおすすめです。このようにすればカルシウムを補給することができます。
特別な理由がない限り、与えないのが無難なのではないでしょうか。
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