犬に「マグロ」を与えるときの全知識|塩分は大丈夫?

ドッグフードの原材料と成分

愛犬にマグロを与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
 
マグロはドッグフードに含まれていることもあり、私たちも寿司などとして食べることがありますよね。なので、愛犬にマグロを与えたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では「犬にマグロを与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。

そもそもマグロって何?

そもそもマグロとは、サバ科マグロ属の魚で、日本人にも馴染みの深い赤身魚です。そして、日本では寿司や刺身などとして食べられることが多いでしょう。

ちなみに、マグロなどの魚が赤身魚と呼ばれているのは、身の筋肉が色素たんぱく質の影響で赤く見えるからです。マグロなどの赤身魚は寝ている間も常に泳ぎ続けていないと生きていくことができません。そのため、持久力が必要です。

そして、そのためにはヘモグロビンやミオグロビンなどの赤色をした色素たんぱく質が必要なのです。

 

ちなみに、日本ではクロマグロを食べることが多いですが、他にはミナミマグロ、メバチマグロなどが有名です。

そして、魚は全般的にカロリーが低いと思われがちですが、マグロは意外とカロリーの高い魚なので、食べすぎには注意が必要です。

マグロの効果効能


マグロには良質なたんぱく質が多く含まれており、赤身の場合は脂質がかなり少なめです。そのため、犬にとって適したたんぱく質源と言えるでしょう。

また、オメガ3脂肪酸が多く含まれているため、アレルギーの抑制に効果があり、善玉コレステロールを増やす働きもあります。

そして、メチオニンというアミノ酸が脂肪肝の予防に効果があり、トリプトファンは神経伝達物質の原料になり、精神を安定させてくれます。

マグロの栄養成分

マグロ(くろまぐろ/赤身)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。

成分名 成分量(100gあたり)
水分 70.4g
脂質 1.4g
たんぱく質 26.4g
ビタミンB6 0.85㎎
ナトリウム 49㎎
カリウム 380㎎
リン 270㎎
鉄分 1.1㎎

[出典:食品成分データベース(文部科学省)]

➀たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。

➁ビタミンB6

ビタミンB6はたんぱく質をエネルギーに変換したり、筋肉や血液などを作ったりするときに働いています。なので、たんぱく質を多くとるほどたくさんのビタミンB6が必要になり、皮ふや粘膜の健康維持にも役立っています。

➂カリウム

カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。

➃リン

85%のリンは体内でカルシウムやマグネシウムと一緒に骨や歯を作る成分になっています。また、15%は筋肉や脳や神経などに存在し、エネルギーを作り出すのに役立ちます。

ただ、リンはとりすぎてしまうとカルシウムを奪ってしまい、骨が弱くなってしまいます。また、腎臓の負担にもなります。

➄鉄分

鉄分は血液のヘモグロビンの中に含まれ、酸素を運ぶために必要です。また、エネルギーを作り出すためにも必要です。

ドッグフードの達人
マグロの赤身にはたんぱく質が豊富に含まれており、脂質は少なくなっています。

また、ビタミンB6などのビタミンや、リンや鉄分などのミネラルも多く含まれています。

マグロの注意点

アレルギーに注意!

世の中にあるあらゆる物質はアレルゲンになる可能性があります。そのため、マグロの場合もアレルギーには注意する必要があります。

マグロをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。

そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、マグロアレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。

与えすぎに注意!

マグロには他の魚よりも多くの水銀(メチル水銀)が含まれています。そのため、人間の場合にもそうですが、犬の場合にも食べすぎると中枢神経に障害が与えられてしまう可能性があります。

ちなみに、メチル水銀はすべての魚介類に平等に含まれているわけではありません。海の食物連鎖で上位にいて、なおかつ寿命が長い魚ほど高濃度のメチル水銀を含んでいます。

そのため、人間の場合にも、マグロなどメチル水銀の濃度が高い食材は週に2回以上は食べないようにすることが推奨されています。犬の場合にも、毎日のように与えるのは避けたほうがいいでしょう。

 

また、先ほども述べましたが、マグロはそこそこのカロリーがある食べ物です。ちなみに、カロリーは部位によって異なりますが、クロマグロだと赤身は100gあたり125kcalで脂身は344kcalです。

そのため、マグロを食べすぎてしまうと肥満の原因になってしまうかもしれません。

また、マグロだけでおなかがいっぱいになってしまうと普段のフードを食べなくなってしまう可能性もあります。その場合には栄養が偏ってしまうことになります。

骨に注意!

マグロにも骨がありますが、骨は食べてしまうと消化管を傷つけてしまう可能性があります。そのため、必ず取り除くようにしましょう。

生のマグロに注意!

生のマグロには2つのリスクがあります。それはヒスタミン食中毒とチアミナーゼによるビタミンB1欠乏症です。それぞれ見ていきましょう。

ヒスタミン食中毒

ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンを含む魚を摂取することで起こる中毒です。

魚にはもともとヒスチジンという成分が含まれていますが、これが細菌の持っている脱炭素酵素と反応してしまうと魚肉内でヒスタミンが生まれてしまいます。そして、ヒスタミンが中毒を引き起こしてしまうのです。

例えば、さんまを生のまま常温で放置してしまうと細菌が増えてしまってヒスタミンの量が増加してしまい、中毒になる確率が高くなってしまいます。

そして、ヒスタミンは熱に強いため、一度生成されてしまうと熱で無毒化するのは困難です。

 

ただ、マグロに含まれている細菌を増やさないでおけば、ヒスタミンの中毒は発生しません。そのため、新鮮なマグロを買うようにし、常温での放置は行わないようにしましょう。

ちなみに、ヒスタミンで中毒になってしまうと2時間~3時間ほどで症状が現れてきます。具体的には、舌や顔のしびれ、じんましん、めまいなどの症状が起こると言われています。

チアミナーゼ

生の魚や甲殻類にはチアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれています。そのため、チアミナーゼを多く摂取するとビタミンB1欠乏症になってしまうかもしれません。このことから、生の貝類を犬に与えるのは避けたほうがいいでしょう。

ちなみに、ビタミンB1欠乏症になると、最初のころは食欲が低下したり、よだれが多くなったりします。そして、その後はけいれん発作が起こったり、運動障害が起こったりします。

このような症状が出たら動物病院へ連れていってください。治療すれば1日程度で回復を見込めます。

ただ、チアミナーゼは加熱すれば効果を失います。

加工品に注意!

マグロの加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。

ツナ缶

これはご存知ない人もいるかもしれませんが、ツナはマグロから作られています。そして、市販のツナ缶には塩分が多く使われていることが多いので、犬には適していません。

犬が塩分過多になってしまうと心臓や腎臓に負担がかかってしまい、さまざまな病気の原因になってしまうかもしれません。

そのため、もし犬にツナ缶を与えるなら、塩分フリーで添加物も含まれていないものがおすすめです。

マグロ節

マグロ節にはたんぱく質が豊富に含まれていますが、リンも多く含まれています。そのため、マグロ節は少量なら犬に与えても問題ありませんが、与えすぎると腎不全になってしまう可能性もあるので注意が必要です。

マグロ節をどうしても与えたい場合には、マグロ節のゆで汁をフードにかけてあげるのがいいのではないでしょうか。

マグロの油

マグロの油とは、文字通りマグロを絞ってできた油です。健康によい不飽和脂肪酸が多く含まれており、抗酸化作用のあるビタミンEも含まれているため、酸化しにくい油です。

そのため、マグロの油は犬のフードに加えてあげるのがおすすめです。

ただ、もし与えるなら少量にしましょう。いくら健康によいからといって、与えすぎてしまうと肥満や膵炎の原因になってしまいます。

マグロの部位

この項では、マグロの部位ごとの特徴について解説していきたいと思います。

赤身

マグロの赤身にはたんぱく質が多く含まれており、その量は魚の中では一番と言われています。また、脂肪は少なく比較的低カロリーです。

そのため、赤身は犬に与えるなら一番おすすめできる部位と言えるでしょう。

血合い

血合いとは、マグロの筋肉を作る細胞の中でも、赤色の筋繊維が多く含まれている部分のことで、黒ずんだ赤い色をしています。そして、血合いはマグロの体の側面や背骨の近くなどから多く取ることができます。

そして、血合いには鉄分が多く含まれており、タウリンやビタミンEも豊富です。そのため、貧血気味の犬などに向いているのではないでしょうか。

トロ

トロはマグロのおなかの部分の肉でマグロの中では脂肪分が多めの部位です。そして、赤身の3倍のカロリーがありますが、その分EPAやDHAなどの宝庫です。

また、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなども赤身より多く含まれています。

マグロの与え方


マグロは赤身やトロの刺身などを生で与えても問題ありませんが、ビタミンB1欠乏症などリスクを考えれば、加熱して与えるのが無難でしょう。

マグロのたたきなどを少しゆでるなどして加熱することで歯ざわりが良くなり、犬が好んで食べてくれるようになります。ただ、加熱はしすぎてしまうと栄養素が流れ出てしまったり、壊れてしまったりするので、さっと加熱するのがポイントです。

そして、たたきではなく赤身やトロなどを加熱して与える場合、細かくしてから与えてあげるといいでしょう。そうすれば消化に良くなります。

また、マグロを焼いて与える場合、油は使用しないようにしましょう。マグロは素焼きでもしっかり焼くことができますし、油を加えてしまうとどうしてもカロリーが高くなってしまい、肥満になってしまうリスクなどが高まります。

 

ちなみに、上でも述べましたが、骨は必ず取り除くようにしましょう。骨を誤飲してしまうと消化器官を傷つけてしまったりします。

そして、水銀の心配もあるので、マグロは日常的に主食として与えるのではなく、おやつ程度がいいでしょう。ちなみに、おやつとして与える場合には、1日の摂取カロリーの20%は超えないようにしましょう。これを超えてしまうと肥満になってしまうリスクが高まります。

また、はじめはごく少量を与えるといいでしょう。マグロが体質に合ってない可能性もありますし、アレルギーを持っている可能性もあるからです。

ちなみに、マグロが体質に合ってなかった場合、下痢や嘔吐などが起こってしまうかもしれません。そのような場合にはマグロを与えないようにしたほうがいいでしょう。

 

そして、現在では犬用のまぐろのおやつも発売されているので、それを用いるのもいいのではないでしょうか。例えば、マグロジャーキーなどが発売されています。ちなみに、犬用のマグロのおやつを選ぶなら、無添加で国産のものがおすすめです。

また、ドッグフードの中にはマグロが主原料として用いられていることもあります。ちなみに、マグロを使ったフードにはドライタイプのものもありますが、缶詰タイプのものやパウチタイプのものもあります。

犬にマグロを食べさせたいなら、これらの手段を用いるのもありなのではないでしょうか。

マグロの骨のおやつについて

マグロの骨は犬のおやつにピッタリです。ちなみに、骨の形をしたおやつは牛の皮で出来ていることが多いですが、最近ではマグロの骨で出来ているものも増えてきています。

マグロは大きな体をしている個体が多いので、そのままの状態でも犬のおやつとして十分なサイズの骨を持っているのです。

 

そして、犬はもともと物をかむ生き物ですが、人間と生活する上で物をかむことが禁止されることが多くなっています。そのため、犬に骨のおやつを与えてあげると存分にかむことができ、ストレス発散につながります。

また、骨をかむとカルシウムの補給にも役立ちます。

ただ、犬が骨をのどに詰まらせてしまったら大変です。骨のおやつは飼い主の目が届くところであげるようにしましょう。

ドッグフードの達人
マグロは犬にとって高たんぱく低カロリーのよいたんぱく質源になります。

そして、生で与えるのもいいですが、加熱して与えるのがおすすめです。

また、犬用のおやつやフードにもマグロが入っていることがあるので、それらを使うのもいいのではないでしょうか。

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