愛犬に海苔を与えても大丈夫なのでしょうか? 答えは条件付きのイエスです。
海苔がドッグフードに含まれていることはまれですが、海苔はとても身近な食材なので、愛犬に与えてもいいのかどうか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬に海苔を与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。
海苔の種類について
ひとくちに海苔と言ってもいろいろな種類があります。
まず、海苔の中でも有名なのはアオクサノリやスサビノリなどです。これらはおにぎりや巻き寿司にも使われるので、ふだん見る機会も多いのではないでしょうか。
また、お好み焼きなどで使われる青海苔も、海苔の一種です。ちなみに、青海苔にはほかの海苔と同じように多くのビタミンやミネラルが含まれていますが、マグネシウムも多く含まれています。ちなみに、マグネシウムは体内のバランスを調整してくれますが、下痢気味のときには症状を悪化させてしまう可能性もあります。
そして、オニアマノリは韓国海苔で使われていることで有名です。
海苔の効果効能
海苔にはミネラルが豊富に含まれているため、ミネラル補給として適しています。そして、βカロテンやビタミンCの働きにより、抗酸化作用も期待できます。つまり、犬の体を若々しく保つのに役立つのです。
海苔の栄養成分
海苔(あまのり/焼き海苔)に含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
たんぱく質 | 41.4g |
炭水化物 | 44.3g |
食物繊維 | 31.2g |
βカロテン | 38㎎ |
ビタミンA | 3.6㎎ |
ビタミンB2 | 2.68㎎ |
ビタミンC | 160㎎ |
カリウム | 3.1g |
ナトリウム | 610㎎ |
カルシウム | 140㎎ |
鉄分 | 10.7㎎ |
ヨウ素 | 1400μg |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)] たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。 炭水化物は脂肪やたんぱく質と並んで三大栄養素のひとつです。犬は人間と比べて必要な炭水化物の量が少ないですが、決して不要なわけではありません。 そして、炭水化物は犬の体内で主にエネルギー源として利用されます。また、すぐ使わない分は体脂肪として蓄積されます。 食物繊維には腸内環境を整える作用があります➀たんぱく質
➁炭水化物
➂食物繊維
➃βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換されます。そして、抗酸化作用や免疫力を上昇させる効果があります。また、ビタミンAとして発育を促進したり、粘膜に働いて細菌から体を守るなど、たくさんの重要な役割を持っています。
➄ビタミンA
ビタミンAとはレチノール、レチナール、レチノイン酸の総称です。このうち、ビタミンAの主要な成分であるレチノールには目や皮ふの粘膜を健康に保ったり、細菌などに対する抵抗力を高めたりする働きがあります。また、薄暗いところで視力を保つ働きもあります。
➅カリウム
カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。
➆ナトリウム
ナトリウムはカリウムとともに体内の水分バランスなどを維持しています。また、栄養素の吸収や輸送、血圧の調整などにも関与しています。また、ナトリウムは胆汁、膵液、腸液などの原料でもあります。
➇カルシウム
カルシウムは骨や歯を形成するために必要不可欠です。また、筋肉を動かすためにも必要です。ただ、過剰に摂取すると逆に骨折などが起こってしまう可能性があります。そのため、適切な量を与えることが重要です。
➈鉄分
鉄分は血液のヘモグロビンの中に含まれ、酸素を運ぶために必要です。また、エネルギーを作り出すためにも必要です。
➉ヨウ素
からだに取り入れられたヨウ素のほとんどは甲状腺に取り込まれます。そして、甲状腺ホルモンを作る原料になります。そして、甲状腺ホルモンは発達と成長を促進する効果を持っています。
海苔の注意点
与えすぎに注意!
海苔には食物繊維が豊富に含まれています。そのため、海苔を与えすぎると消化不良の原因になってしまい、下痢や嘔吐などが引き起こされてしまう可能性があります。
また、海苔にはマグネシウムも豊富に含まれています。そして、マグネシウムを過剰に摂取してしまうとストルバイト結石の原因になってしまう可能性があります。
ちなみに、結石とは尿の通り道に結石という小さな石のかたまりができてしまい、尿が体外に出せなくなってしまう病気です。そして、ストルバイト結石は結石のうちでも尿がアルカリ性に近づいてしまい、マグネシウムなどが固まって石のようになってしまいます。
結石が起こってしまうと尿により老廃物が体外に排出できなくなってしまうので、老廃物を体外に排出する役割を担っている腎臓に大きな負担がかかってしまいます。
そして、最悪の場合には腎臓が機能しなくなってしまい、対外へ老廃物や毒素を排出できなくなる尿毒症になってしまいます。その場合には、命を落としてしまう可能性もあります。
ちなみに、腎臓の不調は気づきにくいものですが、結石になると、以下のような症状が出てくると言われています。
- 頻尿
- 排尿の体勢になってから尿が出てくるまでに時間がかかる
- おしっこのとき痛そう
- 血尿
これらの症状が出たら結石を疑い、動物病院へ行くようにしてください。
ちなみに、以下の犬種はとくに結石ができやすいと言われています。
- パグ
- ペキニーズ
- ヨークシャーテリア
- ビーグル
- コーギー
- ミニチュアダックスフンド
- ブルドッグ
これらの犬種を飼っている人は特に注意したほうがいいでしょう。
のどにくっつきやすいので注意!
みなさんも経験したことがあると思いますが、海苔は口などにくっつきやすい食べ物です。そして、犬の場合、口の中にくっついてしまう場合もありますが、のどにくっついてしまう場合もあります。
そうなってしまったら窒息死の原因になってしまう可能性もあります。海苔は必ず細かくしてから与えるようにしましょう。
ちなみに、のどに詰まってしまった場合には、まずは犬を横に寝かせて首を伸ばしましょう。そして、頭を少し後ろにそらした状態で舌を引っ張り出してすぐに海苔を取り出しましょう。
持病を持っている犬には不適
まず、海苔にはヨウ素が多く含まれています。そのため、甲状腺疾患を持っていてヨウ素の摂取量に制限がある犬に海苔は適していません。
また、海苔にはカリウムも豊富に含まれています。そのため、腎臓病になっていて、カリウムの摂取量に制限がある犬にも海苔は適していません。
加工品に注意!
海苔の加工品の中には、与えるべきではないものがあります。
味付け海苔
味海苔には塩分が多く含まれています。そのため、犬に味付け海苔は与えるべきではありません。
そして、コンビニで販売されているおにぎりについている海苔は、味付け海苔であることが多いので、注意が必要です。
海苔の与え方
味がついていない海苔であっても、犬にとっては塩分が多すぎである場合があります。そのため、犬に海苔を与えるときには塩抜きをするべきでしょう。以下に塩抜きのやり方を解説します。
まず、なべにお湯と海苔を入れて、海苔をドロドロに溶かします。そして、ザルにとってしっかりとしぼりましょう。このようにすると塩分を減らすことができます。
そして、目の細かいザルの上などに薄く延ばして乾燥させるとシート状の海苔に戻すことができます。これをトースター上などで少し加熱すると、パリッとしたおいしい海苔になります。
これを細かくちぎり、フードの上にパラパラ散らすといいのではないでしょうか。窒息の危険があるので、大きい一枚のまま与えるのはやめたほうがいいでしょう。
また、海苔をぬるま湯に入れて溶かしたものをフードにかけてあげると、海苔が口の中やのどにはりつくのを防ぐことができます。
そして、海苔の適量は犬の体重によって異なります。まず、5㎏の犬の場合、1日当たりの海苔の適量は0.5gになります。これは大判の海苔1/4弱くらいになります。また、10㎏なら0.8g、20㎏なら1.5gくらいです。
これより少ない量を与えているのに便がゆるくなったり、下痢をしたりした場合には、犬の体に合っていないのかもしれません。その場合には与えるのを控えたほうがいいでしょう。
そして、はじめはごく少量から始めるのがおすすめです。犬が海苔にアレルギーを持っている可能性もあるからです。
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