愛犬に砂糖を与えるのはおすすめできません。
砂糖はとても便利なものなので、さまざまな料理に使われていますし、甘くておいしいですよね。しかし、砂糖は犬にあまり与えるべきではないものとして知られています。
そこで、この記事では「犬に砂糖をおすすめできない理由」について解説していきます。
犬に砂糖を与える必要はない
基本的にワンちゃんには、砂糖をはじめ、人間が好んで食べるおやつなどの甘味を与える必要がありません。
砂糖がワンちゃんにとって、特別危険な食べ物というわけじゃなく、与える必要がない食べ物です。
そもそも、砂糖に含まれている糖質は、ワンちゃんにとって大切な栄養素の1つにカウントされており、タンパク質や脂質よりも早い段階でエネルギー源になります。
しかし、糖質は、総合栄養食であるドッグフードから十分な量が摂取できます。
糖質は、砂糖に限らず、米などの穀物やサツマイモなどの芋類、リンゴやバナナなどの果物にも含まれています。
そのため、副食やトッピングなどとして、ワンちゃんに砂糖を与える必要がないのです。
犬に与える砂糖の適正量
結論から言うと、砂糖の適量は定められていません。これは人間でも犬でも同じです。
まず、アメリカでペットフードの栄養基準を公表しているAAFCO(全米飼料検査官委員会)は犬の糖分の摂取量の基準を公開していません。
また、人間についてはWHO(世界保健機関)が糖分は1日の摂取量の5%以下に抑えるべきであると定めていますが、これはとても厳しい基準で、缶コーヒーを1本飲んだだけで超えてしまいます。
そして、この基準には科学的な根拠がありません。そのため、人間でも犬でも、糖分の摂取量に関してきちんとした基準はありません。
犬にとって理想的な栄養バランス
ただ、ワンちゃんにとって理想的な栄養バランスは存在します。
それはたんぱく質と脂質が合わせて50%、糖質は25%、残りの25%はミネラルや繊維質にするべき、というものです。
そのため、糖質は1日に摂取するカロリーの25%程度にするべきですが、糖質はさまざまな食べ物に含まれていますし、もちろんドッグフードにも適切な量が含まれています。
そのため、普通は糖分が不足することはありません。
このことから、糖質は普段の食事からとれる分だけで十分であり、特別に補給する必要はないと言えるでしょう。
犬が砂糖を食べてしまうケース
飼い主が注意していても、飼い主が目を離したすきに犬が砂糖を食べてしまうことがあります。
そのため、この項ではよくあるケースとその対策について解説していきたいと思います。
こぼしてしまった砂糖を食べられてしまった
この場合、こぼしてから犬が食べてしまうまで時間が空いていた場合には対策は簡単です。砂糖をこぼしてしまったら、すぐにふくようにすればいいのです。
しかし、こぼしてしまった次の瞬間には食べられていた、という場合は別の対策が必要です。その対策は主に2つあります。
まず1つ目は、飼い主が料理しているときには犬をケージに入れておくようにするというものです。犬が料理をしている飼い主のそばに来れないようにすれば、誤食が起こることはありませんよね。
また、しつけをしっかりと行うのも大切です。しつけがきちんとされている犬にとっては、食べ物を食べることよりも、飼い主の言うことを聞くほうが大事だからです。
飼い主が席を離れたすきに、砂糖が含まれるものを食べてしまった
このような場合には、少し席を離れるだけのときであっても、犬が届くところに砂糖が含まれているものを置かないという対策が有効です。
また、しつけをしっかり行うのも重要です。
犬が砂糖を食べてしまうことで発症する病気
砂糖には、ワンちゃんの命を危険にさらすような毒性はありませんが、微量の砂糖をなめただけで体調を崩してしまう子もいます。
また冒頭でも紹介したように、砂糖を継続的に食べてしまうと肥満の原因になるほか、様々な病気を将来的に発症する恐れがあります。
ここでは、砂糖の摂り過ぎで肥満になったワンちゃんが発症する恐れがある病気について解説します。
下痢や嘔吐の発症
人間の味覚とワンちゃんの味覚は異なり、ワンちゃんの味覚は人間より鈍いですが、ワンちゃんは甘味を敏感に感じ取ることができます。そのため、ワンちゃんにとっても人間が食べているようなお菓子は魅力的です。
なので、人間がすきを見せてしまうと砂糖を食べられてしまうことがありますし、飼い主も愛犬のおねだりに負けて砂糖が含まれているお菓子を与えてしまうかもしれません。
そして、砂糖にはすぐさま犬の健康を損ない、中毒を引き起こすような成分は含まれていませんが、大量に摂取してしまうと下痢や嘔吐を引き起こしてしまうこともあります。
そのため、ワンちゃんが下痢や嘔吐をしてしまったら、動物病院へ連絡するようにしましょう。
そして、いつ何をどのくらい食べてしまったのか説明できると、獣医師が正確な指示を行うことができるでしょう。
糖尿病
糖尿病は、体内にあるインスリンが減少して、血液中の血糖値が上昇してしまう状態です。
高血糖の状態が続くと、食欲の低下や下痢や嘔吐を発症するほか、神経障害や昏睡状態になる恐れがあります。
糖尿病の完は難しいうえ、初期症状が現れにくい病気でもあります。
しかし、以下の症状が診られた場合、ワンちゃんが糖尿病を発症している可能性があります。
- 多飲多尿
- 食欲の増進
- 体重の減少
中でも、食欲があるにもかかわらず、体重が減っているのは異常事態といえます。
ワンちゃんが糖尿病を発症してしまうと、長い闘病生活が始まるので、日々の食事で健康管理に努めましょう。
高血圧
ワンちゃんをはじめ、人間にとって心臓は、血液を全身に送り届ける役割を担っています。
もし肥満が原因で高血圧を発症すると、心臓にかかる負担が大きくなるほか、うっ血性心不全につながる可能性があります。
また高血圧が原因で、網膜剥離や痙攣発作、心不全、不整脈などを誘発する恐れがあります。
高血圧の治療は、血圧を下げる薬を与えながら進めていきます。
脳梗塞
肥満が原因で高血圧や動脈硬化を発症してしまうと、脳梗塞を発症するリスクが高まります。
脳梗塞は、脳卒中の1種で、脳に血液を供給している動脈が詰まってしまうことで発症する病気です。
ワンちゃんの場合、肥満が原因で発症する場合と、年齢による発症、甲状腺機能低下症や敗血症などの基礎疾患が原因で発症する可能性があります。
犬が砂糖を口にしてしまった時の対処方法
砂糖そのものに危険性はありませんが、一度に大量の糖分を摂取してしまうと、肥満や糖尿病の原因になるほか、下痢や嘔吐を発症する危険性があります。
ここでは、ワンちゃんが大量の砂糖を口にしてしまった時の対処方法を2つ紹介します。
水を飲ませる
ワンちゃんが砂糖を誤食してしまったら、大量の水を飲ませてあげましょう。
ワンちゃんが砂糖を大量に食べてしまうと、人間同様が胃もたれを起こします。
この状態でドッグフードなどの固形物を与えてしまうと、気持ち悪さから、胃の内容物を吐き出す恐れがあります。
水を飲ませた後、嘔吐する様子もなくご飯を欲しがるそぶりを見せたら、お湯でふやかしたドッグフードを与えて様子を伺いましょう。
なお、与える量は、普段の1/4程度にとどめてあげましょう。
動物病院に連れて行く
冒頭でも紹介したように、ワンちゃんが砂糖を誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
水を飲ませた後も、嘔吐や下痢を繰り返す場合は、かかりつけの動物病院に連れていきましょう。
その時、砂糖をいつ口にしたのかや、どれくらいの量を食べたのかを獣医師に伝えましょう。
情報を伝えることで、獣医師も砂糖を誤食してしまったワンちゃんに適切な処置を施すことができます。
キシリトールに注意!
犬が低血糖状態になってしまったとき、砂糖水を与えるという方法があるようですが、この時に何を使うかには注意したほうがいいでしょう。
犬に糖分を与えたいからといって、人工甘味料のひとつであるキシリトールを含むものを与えるのは絶対にやめましょう。
なぜなら、犬がキシリトールを摂取してしまうとインスリンが急激に放出されてしまい、低血糖状態になってしまうからです。つまり、全くの逆効果になってしまいます。
そして、キシリトールは10㎏の犬に対して1gを摂取させただけでも危険だと言われています。犬にとって特に危険なものなのです。
もし犬が砂糖を過剰に摂取してしまうと肥満や糖尿病などの原因になってしまうかもしれません。
砂糖は犬に与える必要のない食べ物
砂糖に含まれている糖質は、脳を活性化させるのに必要なエネルギー源ですが、ワンちゃんは、この糖質を毎日食べているドッグフードから補えます。
そのため、わざわざ人の手で砂糖をドッグフードに混ぜたりする必要がありません。
むやみに砂糖をはじめ、人間が食べる甘味料を与えてしまうと、糖尿病や肥満などにかかる恐れがあります。
ワンちゃんの健康を管理する身である以上、むやみやたらに、健康に悪影響を及ぼすものを与えないようにしましょう。
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