愛犬にそばを与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
ドッグフードにそばが使われていることはないと思いますが、そばは身近な食材ですよね。年越しそばを毎年食べているという人も多いと思います。なので、愛犬にもそばを与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では「犬にそばを与えるときに必要な知識」について解説していきます。
犬にそばを与えても大丈夫
結論を申し上げると、ワンちゃんにそばを与えても問題はありません。
そばには、玉ねぎやチョコレートなどの食べ物とは違ってワンちゃんの健康を害する成分が含まれていません。
それどころか、お米やうどんなどの植物性の食材から作られた加工品の中でも低カロリーで犬の健康を維持するために必要なビタミンやミネラル、たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB2、鉄分などが含まれて豊富です。
しかし、与える時に気を付けなければならないことが多々あります。
その中でも、そばアレルギーの発症リスクに気を付けなければなりません。
ワンちゃんがそばアレルギーを持っていること自体稀ですが、もしもアレルギーを発症すれば、口や目の周りを掻き出したり、下痢や嘔吐を繰り返して体外に排出しようとします。
またそばを与える時に添えるそばつゆには、多量な塩分を含んでいるので、そばつゆに漬けたものを与えるのは控えましょう。
これらを踏まえて、犬に与えるそばは、無添加でかつ適量であることが重要です。
そして、初めて与える場合や何か異常を感じた場合には、必ず獣医に相談しましょう。
そばに含まれている栄養成分
そばに含まれている主な栄養素は以下の通りです。
成分名 | 成分量(100gあたり) |
---|---|
水分 | 33g |
たんぱく質 | 9.8g |
炭水化物 | 54.5g |
食物繊維 | 2.7g |
ビタミンB1 | 0.19㎎ |
ビタミンB2 | 0.09㎎ |
ビタミンE | 0.2㎎ |
カリウム | 160㎎ |
マグネシウム | 65㎎ |
鉄分 | 1.4㎎ |
亜鉛 | 1㎎ |
マンガン | 0.86㎎ |
[出典:食品成分データベース(文部科学省)]
➀たんぱく質
たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。
➁炭水化物
炭水化物は脂肪やたんぱく質と並んで三大栄養素のひとつです。犬は人間と比べて必要な炭水化物の量が少ないですが、決して不要なわけではありません。
そして、炭水化物は犬の体内で主にエネルギー源として利用されます。また、すぐ使わない分は体脂肪として蓄積されます。
➂食物繊維
食物繊維には腸内環境を整える作用があります。具体的には、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌や毒素を排出してくれます。
➃ビタミンB1
ビタミンB1は糖質からエネルギーを生産したり、皮膚や粘膜の健康を保つのを助けたりする役割があります。ビタミンB1が欠乏すると食欲がなくなったり、疲れやすくなったりします。
➄カリウム
カリウムは体内で水分の調整を行っています。体内で増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きもあります。また、心臓や筋肉の働きを調節したりする役割も持っています。
➅マグネシウム
マグネシウムは体内で骨や歯をつくるために使われています。そして、マグネシウムは体内で不足すると骨から遊離して神経の興奮を抑えたり、エネルギを作ったり、血圧を維持したりするのに利用されます。
➆鉄分
鉄分は血液のヘモグロビンの中に含まれ、酸素を運ぶために必要です。また、エネルギーを作り出すためにも必要です。
➇亜鉛
亜鉛は体内で作り出すことができないため、食事で摂取する必要があります。
そして、亜鉛には体内のさまざまな働きをサポートして正常に保つ役割があります。具体的には味覚を正確に保ったり、免疫力を向上させたり、新陳代謝を活性化させたり、毛並みや肌の健康を保ったり、抗酸化作用を活性化したりします。
➈ポリフェノール
ポリフェノールはほとんどの植物に存在する苦味や色素のもとです。ポリフェノールは強い抗酸化作用を持っており、犬の体を健康に保つのに役立ってくれます。
➉コリン
コリンは体の中にある毒素を排出するのに重要な役割を果たしている肝臓の機能をサポートする役割があります。また、脂質の代謝を促して体脂肪の分解を助け、コレステロール値を下げる効果もあります。
⑪ルチン
ルチンには毛細血管を強く丈夫にする作用があります。また、血管を修復して血流をスムーズにしたり、血圧を下げたりする効果もあります。
また、ルチンはビタミンCの吸収を促進するため、抗酸化作用があり、肌の老化予防にも役立ちます。
そばの注意点
ワンちゃんの健康にいい成分を含んでいるそばですが、与え方を見誤ればワンちゃんの健康を損ねてしまうおそれがあります。
ここでは、ワンちゃんにそばを与える時に気を付けることを紹介します。
そばアレルギー発症リスク
世の中にあるあらゆる物質はアレルゲンになる可能性があります。そのため、そばの場合もアレルギーには注意する必要があります。しかも、そばは比較的アレルゲンになりやすく、しかもアレルギーを持っていると微量で重篤な症状を引き起こします。
多く食べてしまうとアナフィラキシーショックで命を落としてしまう可能性もあります。
そばをはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。
そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、そばアレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。
与えすぎは消化不良の原因になる
そばには食物繊維が豊富に含まれています。そのため、そばを与えすぎると消化不良の原因になってしまい、下痢や嘔吐などが引き起こされてしまう可能性があります。
また、そばにはマグネシウムも豊富に含まれています。そのため、マグネシウムにより下痢げ引き起こされてしまう場合もあります。
そして、そばは100gあたり274kcalで高カロリーな食品です。そのため、そばを与えすぎてしまうと肥満になってしまうかもしれません。
そばつゆには過度な塩分が含まれている
私たち人間はそばつゆにつけてからそばを食べますが、犬にそばつゆがついたそばを与えるのは良くありません。そばつゆは犬にとって塩分が濃すぎるからです。
また、そばつゆには薬味などとして犬が絶対に食べてはいけない食品であるネギが加えられている場合があります。その場合には、絶対にそばつゆを与えないようにしましょう。
小麦入りのそばは小麦アレルギー発症リスクを高める
スーパーで売っている生そばには小麦が含まれている場合もあります。小麦は犬が絶対に食べてはいけない食材というわけではありませんが、おすすめはできない食材です。
小麦はアレルゲンになるリスクが高く、小麦に含まれているグルテンは大変消化に悪いからです。
そのため、必ず成分表を確認し、小麦が含まれていないそばを買ってくるようにしましょう。
加工品は極力与えない
そばの加工品の中には、与えてもいいものと、与えるべきではないものがあります。それぞれ見ていきましょう。
そばの実
そばの実は犬に与えても問題ありません。
そば茶
そば茶はお茶ですが、カフェインは含まれていないため、犬に与えても問題ありません。ただ、そば茶を水の代わりとして飲ませるのは問題です。
そして、そば茶は犬に与えても問題ありませんが、同時にメリットもありません。
ちなみに、そば茶にはカリウムが多く含まれています。そのため、腎臓が悪い犬には与えないようにしましょう。腎臓が悪い犬にカリウムを多く含む食品を与えてしまうと高カリウム血症になってしまうリスクがあるからです。
玄そば
玄そばは、からがついたままのそばの実のことです。健康志向のドッグフードに含まれていることがあります。そして、玄そばは犬に与えても問題のない食品です。
ちなみに、玄そばにはルチンやビタミンB群などが豊富に含まれています。
犬に与えてもいいそばの1日の適量
ワンちゃんに与えるそばの量は、その犬の体重や活動量、全体の食事量、そばを含む食事の頻度などによって変わります。
これは、そばが犬の主食になるべきではなく、あくまで健康的な補完食として与えられるべきだからです。
ワンちゃんの全体の食事量のうち、そばが占める割合は一般的には10%以下とされます。
例えば、体重10kgの犬の場合、1日の食事量が約300gとすると、そのうちの30gまでがそばとなる計算になります。
以下は、1日に与えてもいいそばの適量を犬種ごとにまとめたものになります。
犬種 | 体重(kg) | 1日の食事量(g) | そばの量(g) |
---|---|---|---|
チワワ | 2 | 60 | 6 |
シーズー | 6 | 180 | 18 |
ビーグル | 10 | 300 | 30 |
ゴールデンレトリバー | 30 | 900 | 90 |
シンバーナード | 50 | 1500 | 150 |
ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の健康状態や活動量によって調整する必要があります。
また、初めてそばを与える際や何か異常を感じた場合には、必ず獣医に相談しましょう。
そばの与え方
そばは犬にとって必ず必要な食べ物というわけではありません。そのため、あくまでトッピングやおやつ程度として与えるのがおすすめです。
そして、そばを犬に与えるときには、ゆであがったそばを少し冷ましてあげるようにしましょう。
熱いまま与えてしまうと犬がやけどをしてしまう可能性があります。
ちなみに、人はそばをすすって食べますが、犬はすするのが苦手です。
そのため、そばは長いまま与えるのではなく、適度な長さにカットして与えるようにしましょう。
また、現在では犬用のそばも売られているので、そちらを用いるのもおすすめです。
犬にそばを食べさせてもいいが適量は守ること
そばには、ワンちゃんの健康維持に欠かせないタンパク質やビタミンB1、B2、鉄分など、様々な栄養が含まれています。
総合栄養食のドッグフードだけでは、不足しがちな栄養を補給するには最適な食べ物といえますが、与えすぎは栄養の偏りや消化不良、そばアレルギー発祥のリスクを高めてしまう恐れがあります。
またそばつゆや天ぷらなどの添え物と一緒に、そばをワンちゃんに食べさせるのは非常に危険です。
ワンちゃんにそばを食べさせるときは、ドッグフードの副菜やトッピングとして与えるのが最適です。
もしワンちゃんがそばを口にして、体調不良を起こしたら、すぐに掛かりつけの動物病院に連れていきましょう。
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