犬に「生魚」を与えるときの全知識|食べてしまっても大丈夫?

ドッグフードの原材料と成分

愛犬に生魚を与えても大丈夫なのでしょうか? 答えはイエスです。
 
日本人はお寿司や刺身としてよく生魚を食べていますよね。なので、犬にも生魚を与えたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では「犬に生魚を与えるときに必要な知識」について解説していきたいと思います。

生魚の効果効能


これは生魚でも加熱した魚でも同じですが、魚にはDHAやEPAが多く含まれています。そして、DHAやEPAは血液中の中性脂肪の量やコレステロール値を低下させる働きがあり、痴ほう症にも効果があると言われています。

また、生魚にも加熱した魚にも、たんぱく質が豊富に含まれているため、魚はたんぱく質源としても利用することができます。

そして、魚は種類によっては血液をサラサラにする効果があったり、ストレスを緩和する作用があったりします。

 

そして、生魚の最大の特徴は酵素や乳酸菌が含まれている点です。酵素や乳酸菌は熱にとても弱く、加熱すると失われてしまうため、酵素は加熱した魚には含まれていません。

ちなみに、人間も犬ももともと体内に潜在酵素と呼ばれているものを持っていますが、これは体内で増やすことができません。

そして、酵素は2種類あって、それは消化酵素と代謝酵素です。消化酵素は文字通り、体の中に入ってきた食べ物を消化する酵素ですが、代謝酵素とは、細胞を修復したり、生命活動を維持したりする酵素です。

そして、潜在酵素は消化酵素も代謝酵素も作り出しますが、基本的には消化酵素が優先されます。食べ物が消化されずにたまってしまったら大変ですから、当たり前ですよね。

 

そして、犬でも人でも、健康な状態で長生きするためには潜在酵素を代謝酵素に多く回す必要があります。そのためには消化酵素が少量でも食べ物を消化できるようにする必要があります。この時に役立つのが食物の中に含まれている酵素です。

食べ物の中に消化酵素が含まれていれば、より少ない量の消化酵素を作り出すだけで、十分に消化を行うことができるのです。

そして、生魚に含まれている酵素が消化を助け、潜在酵素がより多く代謝酵素を作り出すことができれば、免疫力の向上に役立ちます。

生魚の栄養成分

生魚に含まれている主な栄養素は以下の通りです。

➀たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、生きていく上で特に重要な栄養素です。血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であり、体内で酵素など生命時に欠かせない物質にも変換されます。そして、エネルギー源になることもあります。

➁DHA・EPA

EPAは血液を正常に保ちます。具体的には血栓をできにくくしたり、高脂血症、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などを予防したりします。

また、DHAには血液を正常に保つほか、脳や神経組織を育てたり、機能を正常に保ったりする働きもあります。

➂酵素

生魚には消化を助けてくれる酵素が含まれています。そして、酵素は加熱してしまうと失われてしまうので、酵素を摂取するためには、生のまま食べる必要があります。

ドッグフードの達人
生魚の主成分はたんぱく質や脂質ですが、生魚の場合は消化を助けてくれる酵素が含まれているのが特徴的です。

生魚の注意点

与えすぎに注意!

生魚はカロリーがそこそこあります。

そのため、生肉を与えすぎてしまうと肥満の原因になってしまう可能性があります。

また、生魚だけを食べるような生活を続けてしまうと、栄養も偏ってしまいます。

鮮度が落ちた生魚に注意!

鮮度が落ちた生魚は犬に与えないようにしましょう。もし鮮度が落ちた生魚を犬に与えてしまうと、お腹を壊してしまうかもしれません。

ただ、新鮮でも与えすぎはやめましょう。

川魚に注意!

犬には生の川魚を与えないようにしましょう。なぜなら、川魚に含まれる寄生虫が恐ろしい中毒を引き起こしてしまうかもしれないからです。

ただ、犬は川魚全般を食べてはいけないというわけではありません。加熱した川魚であれば食べても大丈夫です。

生魚の骨に注意!

犬は与えられたものをよく噛まずに飲み込んでしまう性質があります。そして、犬が骨を飲み込んでしまうと、喉に詰まったり腸に詰まったりしてしまうかもしれません。

そして、もしのどに詰まってしまったら呼吸困難の原因になりますし、腸に詰まってしまったら腸閉塞の原因になります。もし腸閉塞になってしまったら手術をして取り出すしかありません。

また、鋭い骨が喉や内臓などに刺さったり突き破ったりしてしまう可能性もあります。そのため、これは生魚に限った話ではありませんが、犬に骨のついた魚をあげるのはやめましょう。

犬に魚をあげる時には、必ず骨を取ってからにするべきです。ただ、もし圧力鍋で柔らかくなるまで加熱した場合には、犬に魚を骨ごと与えても大丈夫です。

味付けした生魚に注意!

人が生で魚を食べる時には醤油やわさびをつけるのが一般的ですが、犬に醤油やわさびをつけた生魚を与えるのはやめましょう。

わさびは犬の胃腸を刺激して下痢の原因になってしまうかもしれませんし、醤油を与えてしまうと塩分の摂りすぎになってしまうかもしれないからです。

そして、犬が塩分を取りすぎてしまうと心臓や腎臓の負担になってしまい、様々な病気の原因になってしまうかもしれません。犬に生魚を与える時には味付けをせずに与えるようにしましょう。

青魚アレルギーに注意!

サバ、アジ、イワシ、などの青魚はアレルギーの原因になることがあります。ちなみに、これは生で与えても加熱して与えても変わりません。

青魚をはじめて与える場合、少量を与えるべきでしょう。

そして、嘔吐、下痢、かゆがる、発疹などアレルギーと思われる症状が出た場合には、青魚アレルギーを疑ったほうがいいかもしれません。

黄色脂肪症に注意!

黄色脂肪症は主に青魚に含まれている不飽和脂肪酸を過剰に摂取することで発症する病気です。そして、黄色脂肪症では脂肪が酸化してしまい、以下のような症状が出てしまいます。

  • 毛のツヤがなくなる
  • おなかの下のほうに脂肪のかたいしこりができてしまう
  • 突っ立ったようなぎこちない歩き方をする
  • 痛いため、おなかを触られるのを極端に嫌がる

これらの症状が出たら、すみやかに動物病院へ連れていってあげましょう。

体質に合わないかも

犬は本来、魚介類の消化が得意ではありません。そのため、お腹が弱かったり、体調が悪かったりする犬に生魚を与えてしまうと下痢や嘔吐の原因になってしまうかもしれません。また、生魚が犬の体質に合っていない可能性もあります。

そして、犬が生魚を食べて下痢や嘔吐をしてしまった場合、次回からは加熱して与えた方がいいでしょう。

寄生虫や細菌に注意!

きちんと鮮度が管理されていない生魚には様々な寄生虫や細菌が付着している可能性もあります。そのため、くれぐれも鮮度の高い生魚を選ぶようにし、保存には注意した方がいいでしょう。

ちなみに、生魚に含まれていることが多い寄生虫や細菌は以下の通りです。

アニサキス

アニサキスによる食中毒はアニサキスという寄生虫の一種を含む食品を摂取してしまうことで発生します。そして、アニサキスはイカ、サバ、イワシ、サンマ、アジなどの魚介類の内臓に寄生すると言われています。

しかし、内臓を食べていないからといって安心することはできません。アニサキスは寄生している魚の鮮度が落ちてくると内臓から筋肉に移動してしまうからです。

そして、アニサキスが寄生している魚介類を生で食べてしまうとアニサキスが腸壁や胃壁に侵入してしまい、食中毒を引き起こしてしまいます。症状は嘔吐や激しい痛みなどです。

 

ちなみに、アニサキスは熱に弱いため、煮たり焼いたりするとほぼ死滅します。具体的には60℃以上で1分以上で死滅すると言われています。

また、アニサキスは低温にも弱い寄生虫です。そのため、-20℃で24時間冷凍する方法でも死滅させることができます。

カンピロバクター

カンピロバクターは家畜の腸や生殖器に感染する細菌です。そして、カンピロバクターは室温では長く生きることができませんが、温度が低く酸素に晒されない環境では長い間生きることができます。

そのため、冷蔵庫の中はカンピロバクターにとって過ごしやすい環境と言えるでしょう。

そして、カンピロバクターの主な症状は胃腸炎です。また、下痢、腹痛、嘔吐、頭痛、悪寒などの症状が出ることもあります。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は人を始め川の中などの自然界に広く生息している細菌です。牛肉、豚肉、鶏肉などの肉や卵から感染することが多いでしょう。

そして、サルモネラ菌には乾燥に強い性質があります。そして、サルモネラ菌に感染すると吐き気、腹痛、発熱、下痢などの症状が出てきます。

ヒスタミン食中毒に注意!

ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンを含む魚を摂取することで起こる中毒です。

魚にはもともとヒスチジンという成分が含まれていますが、これが細菌の持っている脱炭素酵素と反応してしまうと魚肉内でヒスタミンが生まれてしまいます。そして、ヒスタミンが中毒を引き起こしてしまうのです。

つまり、生魚を生のまま常温で放置してしまうと細菌が増えてしまってヒスタミンの量が増加してしまい、中毒になる確率が高くなってしまいます。

そして、ヒスタミンは熱に強いため、一度生成されてしまうと熱で無毒化するのは困難です。

 

ただ、生魚に含まれている細菌を増やさないでおけば、ヒスタミンの中毒は発生しません。そのため、新鮮な生魚を買うようにし、常温での放置は行わないようにしましょう。

ちなみに、ヒスタミンで中毒になってしまうと2~3時間ほどで症状が現れてきます。具体的には、舌や顔のしびれ、じんましん、めまいなどの症状が起こると言われています。

イカ・エビ・カニ・タコに注意!

イカやエビやカニやタコは刺身になることもありますが、犬に与えるのはやめたほうがいいでしょう。なぜなら、これらは犬にとって特に消化がしにくい食べ物だからです。

ちなみに、もしどうしてもイカやエビやカニやタコを与えたい場合には、細かく切って味付け程度の少量を与えるようにしましょう。

チアミナーゼに注意!

生魚にはチアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれています。そのため、チアミナーゼを多く摂取するとビタミンB1欠乏症になってしまうかもしれません。

ただ、刺身を一切れ食べたくらいではまず起こりません。継続的に摂取することがなければビタミンB1欠乏症になることはないと思います。

ちなみに、ビタミンB1欠乏症になると、最初のころは食欲が低下したり、よだれが多くなったりします。そして、その後はけいれん発作が起こったり、運動障害が起こったりします。このような症状が出たら動物病院へ連れていってください。治療すれば1日程度で回復を見込めます。

ただ、チアミナーゼは加熱すれば効果を失います。

リケッチアに注意!

サケやニジマスはリケッチアという寄生性の細菌に感染している可能性があります。リケッチアに感染した魚を生で与えてしまうと「サケ中毒」と呼ばれる中毒を引き起こしてしまいます。

そして、サケ中毒の症状は嘔吐、下痢、血便、発熱、衰弱、リンパ節の腫れなどです。ちなみに、リケッチアは熱に弱いため加熱することで無毒化することができます。

そして、人間用に加工された刺身ならリケッチアの心配はほぼ必要ありません。しかし、川で釣ってきた場合や加熱用の生魚を生のまま与えてしまった場合などにはリケッチアに感染しているリスクがあるので、注意する必要があるでしょう。

 

そして、上記のような症状が出たらサケ中毒を疑い動物病院へ連れて行ってあげるようにしましょう。

ちなみに、動物病院へ連れて行ってあげる時には、いつ何をどのくらい食べたのか説明できるようにしてあげると速やかで正確な診療に役立ちます。また、食べてしまったもののパッケージを持って行ってあげるとより丁寧でしょう。

生魚の与え方


生魚を与えるなら、マグロ、ブリ、タイ、カンパチ、ヒラメ、カレイなどがおすすめです。味付けはしないで与えるようにしましょう。これらの魚の刺身を細かく切って与えるといいでしょう。

そして、はじめて与えるときにはごく少量にしましょう。アレルギーの可能性もありますし、その魚、もしくは生魚自体が犬の体質に合ってない可能性もあるからです。

そして、だんだんと量を増やしていくのがおすすめです。最終的な与える量の目安は5㎏の犬なら30g、10㎏なら50g、20㎏なら90gくらいでしょう。

ただ、適量であっても毎日のように与えるのは避けるようににしましょう。機会があったら与えるくらいにするのがおすすめです。なぜなら、生魚を継続的に摂取するとチアミナーゼによりビタミンB1欠乏症が引き起こされてしまう可能性があるからです。

ドッグフードの達人
生魚は大量に与えるのは良くありませんが、適量なら良いたんぱく質源になります。

ただ、注意が必要な魚は多いので、きちんと魚は選ぶようにしましょう。

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