結論から述べると、犬に牛乳は与えないほうが良いです。
飼い主として、間違ったものを愛犬に与えたくないですよね。
そこで、この記事では、牛乳の危険な量の目安や、愛犬が牛乳で体調を崩した時の対処法、どうしても犬に牛乳を与えたい時の方法などを詳しく解説します。
前提として、犬にはドッグフードを与えることが基本です。ドッグフードには、犬に必要な栄養素が含まれているからです。
また、どんな食べ物でも、犬が体を痒がっていたり、下痢や嘔吐をしたりする場合は与えるのをやめて動物病院に行きましょう。
牛乳はNG!お腹を壊しやすい
最初にも述べた通り、牛乳は、犬に与えないほうが良い飲み物です。
牛乳自体には、犬に有害な成分は含まれていません。
ただし、ほとんどの犬は牛乳を消化する酵素のラクターゼが少ない「乳糖不耐症」であるため、牛乳をうまく消化できずにお腹を壊す可能性があります。
そのため、犬には牛乳を与えないほうが良いとされています。
ラクターゼを持っている犬であれば、牛乳を与えても何も問題がないこともあります。
犬に危険な牛乳の量
犬がどのくらいの牛乳を飲むと危険なのか、正確にはわかっていません。
ただし、体が大きいほど、摂取しても問題ない牛乳の量は多くなります。
犬に危険な牛乳の量の目安は以下の通りです。
体重 | 危険な量 |
---|---|
5kgの犬 | |
10kgの犬 | |
20kgの犬 |
大さじ1杯が15ml(15g)ですので、少し舐めた程度では問題ないことがわかります。
犬が牛乳で体調を崩した時の対処法
犬が牛乳を飲んでも、少量なら、基本的に何も症状は出ません。
ただし、犬が乳糖不耐症の場合には、以下のような症状が起こることがあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚に発疹
下痢が長引く場合は、飼い主にできる応急処置はほとんどありませんので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
病院での処置
下痢や嘔吐などの症状が重い場合、病院では以下のような処置を行います。
- 血液検査
- レントゲン検査
- 注射治療
病院に連れて行くのが難しい場合
すぐに動物病院に連れて行くことが難しい場合、犬用の下痢止めの薬を飲ませましょう。
それでも下痢が続く場合は、1日フードをあげるのをやめて、消化器官を休ませることも必要です。
また、下痢が続くと水分が失われるため、脱水症状にならないように水分補給をしましょう。
ただし、基本的にはすぐに動物病院に連れて行くのが望ましいです。
早めに病院に連れて行くのが大事なのだ。
牛乳を与える時の注意点
すでに解説した通り、犬に牛乳を与えると、お腹を壊す危険性があります。
他にも、犬に牛乳を与える時には、以下のような注意点があります。
- アレルギーに注意
- 与えすぎに注意
- 虫歯に注意
- 持病がある場合は注意
それぞれ詳しく解説します。
注意点①アレルギーに注意
どんな食べ物や飲み物にも言えることですが、犬に牛乳を与えるとアレルギーの症状を起こす可能性があります。
牛乳は乳製品のため、乳製品アレルギーを起こす可能性があります。
犬が牛乳を飲んで以下のような症状になった時は、乳製品アレルギーの可能性があります。
- 元気がない
- 皮膚が荒れる
- 皮膚が腫れる
- 皮膚が赤くなる
- 体を痒がる
- 毛が抜ける
- 鼻炎
- 口の周りがかぶれる
- 目の充血
- 湿疹・じんましん
- 下痢・嘔吐
体が痒くなると、以下の部位を擦ったり舐めたりすることが多いです。
- 顔まわり
目や口や耳の周りなど - 体の末端
足先、足裏、尻尾、背中など - 皮膚と皮膚が触れ合う部位
脇、内股、肘裏、膝裏、指や肉球の間など
特に、子犬やシニア犬は成犬よりもアレルギー反応を起こす可能性が高いため注意しましょう。
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注意点②与えすぎに注意
犬に牛乳を与える時は、与えすぎに注意しましょう。
牛乳は100gあたり61kcalと、飲み物としてはカロリーが高めです。
そのため、牛乳を飲みすぎると肥満になる可能性や、お腹いっぱいになって他の食べ物を食べなくなる可能性があります。
注意点③虫歯に注意
犬に牛乳を与える時は、虫歯に注意しましょう。
牛乳に含まれる乳糖は、虫歯の原因になることがあります。
そのため、犬が牛乳を飲んだら歯磨きをしたり、口内ケアをしたりする必要があります。
注意点④持病がある場合は注意
犬に持病がある場合、牛乳を与えないように注意しましょう。
以下のような持病がある場合は注意が必要です。
肥満 | 牛乳は脂肪が高いため |
---|---|
膵炎(すいえん) | 牛乳は脂肪が高いため |
お腹を壊しやすい | 牛乳には下痢になりやすい乳糖が含まれるため |
上記の他にも、療養食を食べている場合は、獣医に相談してから与えましょう。
牛乳をどうしても与えたい時は
前提として、牛乳は、犬には与えないほうが良い飲み物です。
どうしても牛乳を犬に与えたい時には、以下のような方法で注意して与えましょう。
- 犬用ミルクを代用
- ヤギのミルクを代用
- 低脂肪牛乳にする
- 常温で少量与える
- 水で薄める
- フードをふやかす
- 子犬の時から与える
それぞれ詳しく解説します。
どうしても与えたい時にだけ参考にしてほしいのだ。
与え方①犬用ミルクを代用
犬に牛乳を与える時は、犬用ミルクを代用しましょう。
ワンラック・ドッグミルクは、子犬用やシニア用など種類が豊富なのが特徴です。
オランダ産ヤギミルクは、犬にも猫にも飲ませられます。
わんちゃんの国産低脂肪牛乳は、ペット用品やペット食品を扱うドギーマンが販売しているミルクです。
与え方②ヤギのミルクを代用
犬に牛乳を与える時は、ヤギのミルクを代用しましょう。
ヤギミルクは犬の母乳に成分が近く、アレルギーも起こしにくいため、代用としてよく使われます。
与え方③低脂肪牛乳にする
犬に牛乳を与える時は、低脂肪牛乳にしましょう。
市販の牛乳には、以下の6種類があります。
牛乳 | 原料が生乳100%で、殺菌したもの |
---|---|
特別牛乳 | 牧場でつくられた通常よりも濃度が高いもの |
成分調整牛乳 | 牛乳から乳成分(脂肪・ミネラル・水分など)の一部を取り除いたもの |
低脂肪牛乳 | 成分調整牛乳の脂肪分を0.5%~1.5%にしたもの |
無脂肪牛乳 | 成分調整牛乳の脂肪分を0.5%未満にしたもの |
加工乳 | 乳製品に生乳を加えて濃厚や無脂肪にしたもの |
乳飲料 | 生乳や乳製品を主原料に、乳製品以外を加えたもの |
犬に与える時には、肥満を防ぐためになるべく低脂肪牛乳を選びましょう。
与え方④常温で少量与える
犬に牛乳を与える時は、常温にして少量だけに留めましょう。
ただでさえ牛乳は下痢を起こしやすいですが、キンキンに冷えていると余計に下痢を起こす可能性が高くなるからです。
与え方⑤水で薄める
犬に牛乳を与える時は、水で薄めて与えましょう。
牛乳を水で薄めることには、以下のような2つの意見があります。
薄める派 | 水で薄めることで、摂取する牛乳の量が減り、乳糖の量も減る |
---|---|
薄めない派 | 薄めても乳糖の量は変わらないから意味がない |
実際には、牛乳を水で薄めても摂取する乳糖の数は変わりません。
しかし、一度に大量に飲む場合などには、水で薄めたほうが良いでしょう。
与え方⑥フードをふやかす
犬に牛乳を与える時は、フードをふやかすのに使うのも良いでしょう。
夏場など水以外からも水分補給したい時や、突然フードを食べなくなった時などに、ドライフードをぬるま湯でふやかすことがあります。
ふやかす時に、ぬるま湯ではなく牛乳を使うのもひとつの手です。
ただし、牛乳は嗜好性が高いため、牛乳でふやかしたものでないと食べなくなってしまう危険性もあります。
与え方⑦子犬の時から与える
犬に牛乳を与える時は、子犬の時から継続的に与える方法もあります。
子犬の時から継続して与えることによって、成犬になっても乳糖を分解する酵素のラクターゼが減りにくくなるとされていますが、科学的に証明されたわけではありません。
実際に、子犬のうちはラクターゼを多く持っているため、成犬よりも下痢や嘔吐の症状が出る可能性は低いです。
ただし、子犬が下痢を起こすと重症化しやすいため、子犬であっても注意して与えましょう。
牛乳の栄養素と効能
すでに解説したとおり、牛乳は、犬には与えないほうが良いです。
ただし、牛乳そのものには、以下のような栄養素があることも事実です。
(栄養素のうち、特に牛乳の効能に関わる栄養素は緑文字で表記しています。)
タンパク質 | 3.3g | ビタミンA | 38μg |
---|---|---|---|
脂質 | 3.8g | ナトリウム | 41㎎ |
炭水化物 | 4.8g | カリウム | 150mg |
食物繊維 | 1.6g | カルシウム | 110㎎ |
水分 | 87.4g | マグネシウム | 10mg |
エネルギー | 61kcal | リン | 93mg |
※普通牛乳100gあたり 牛乳に含まれる栄養素には、以下のような効能があります。 それぞれ詳しく解説します。 牛乳は、約87%が水分で構成されています。 そのため、犬の口の中や喉を潤すための水分補給に役立ちます。 ただし、水分補給のために牛乳ばかり飲むと、牛乳に含まれる他の成分も急激に摂取してしまい、消化器官に負担がかかるため注意しましょう。 牛乳にはカルシウムが豊富に含まれています。 カルシウムは、骨や歯を形成したり、筋肉を動かしたりするために必要不可欠です。 ただし、カルシウムを摂取しすぎると骨折する危険性があるため、適切な量を与えましょう。 しかし、現在では結石を予防するためにはカルシウムを摂取したほうが良いとされています。 牛乳にはリンも豊富に含まれています。 体内のリンの85%は、カルシウムやマグネシウムと一緒に骨や歯を形成し、残りの15%はエネルギーを作り出すために使われます。 ただし、リンを摂取し過ぎるとカルシウムの吸収を妨げるほか、腎臓にも負担をかけたり貧血になったりします。 乳製品は、牛乳を加工したものです。 犬に与えても良い乳製品と、与えると危険な乳製品をまとめると以下のようになります。 以上、この記事では、牛乳の危険な量の目安や、愛犬が牛乳で体調を崩した時の対処法、どうしても犬に牛乳を与えたい時の方法などについて解説しました。 牛乳は身近な飲み物で、体にも良いイメージがあるかもしれませんが、犬に与えるのはおすすめしません。 間違えて飲ませることのないように、気をつけて生活しましょう。 ドッグフードの達人では、160種類以上のドッグフードを5点満点で評価したうえで、S〜Eランクでランクづけしています。 最もおすすめなのは、「Sランク」のドッグフードです。 A〜Eランクの商品とも比較したうえで、愛犬にぴったりなドッグフードを見つけましょう。
[出典:食品成分データベース(文部科学省)]水分 水分補給 消化器官に負担 カルシウム 骨や歯をつくる 骨折の危険性 リン 骨や歯をつくる ●腎臓に負担
●貧血水分:水分補給
カルシウム:骨や歯をつくる
リン:骨や歯をつくる
過剰摂取には注意なのだ。補足:犬に乳製品は大丈夫?
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