ドッグフードの成分表について|見方や基準について徹底解説!

ドッグフードの基本

ドッグフードを選ぶときには、原材料を見ることも大切ですが、成分表を見ることも大切です。

なぜなら、もしよい原材料を用いていても、栄養が足りなければ意味がないからです。

そこで、この記事ではドッグフードの成分と成分表の見方について詳しく解説していきたいと思います。

粗タンパク質と粗脂肪が大切

ドッグフードに表示する必要があるのは粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の5つであり、この中でも粗タンパク質と粗脂肪はとても大切です。

そして、ドッグフードによってはそのほかにもさまざまな栄養の含有量が表示されている場合があります。

成分表の表示の規定


実は、ドッグフードの成分は法律によって表示することが義務づけられているわけではありません。

ただ、ペットフード公正取引協議会の自主基準で、粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の量については必ず表示することになっています。そのため、ほとんどすべてのドッグフードに成分が表示されています。

ちなみに、これ以外の成分も、会社によっては自主的に表示していることがあります。

なぜなら、より細かい表示をしていれば製品の特徴がわかりやすくなったり、消費者に安心感を与えられたりするからです。確かに、多くの情報を公開していると、信頼できる会社だと感じられますよね。

 

ちなみに、成分の表示には「粗」がついていますが、これは「およそ」という意味です。分析値には誤差があり、同じ製品でも季節などによって微妙に成分が変わることがあります。

そして、タンパク質と脂肪に関しては「~%以上」、繊維と灰分と水分に関しては「~%以下」という形で表示されています。

必ずこの値以上(以下)含まれていますよ、と保証できる値を表しているのです。ちなみに、この値のことを「保証分析値」と呼びます。

表示される成分

この項では、表示されるそれぞれの成分について、より詳しく見ていきましょう。

粗タンパク質


タンパク質は肉食寄りの雑食動物である犬にとって生きていくためにとても大切な成分です。

そのため、成分表を見るときに、タンパク質がどのくらい含まれているかはとても重要になります。

愛犬には、タンパク質が十分含まれているドッグフードを与えてあげるようにしましょう。

 

さて、そんなタンパク質は実際どのくらい含まれていれば十分なのでしょうか。

日本も採用しているAAFCO(※)の基準では、成長期なら水分を除いた成分のうち22.5%、成犬期なら18%以上が含まれていれば犬の健康を保つのに十分だと言われています。

ちなみに、この値は「水分を除いた値」であるため、実際に成分表に記載される値よりはやや高くなっています。ドライフードであっても10%程度の水分は含まれているからです。

 

そして、ドライフードでも含まれている水分は製品によって異なるので一概には言えませんが、成分表の表示では、成長期なら20%、成犬期なら16%を超えていれば愛犬が健康に生きていくために十分なタンパク質が含まれていると言えます。

ただ、AAFCOの基準は最低限のものでしかないという批判もあります。

そして、ドライフードは高品質のものほど多くのタンパク質を含んでいる傾向があります。成分表に書かれている値で、25%を超えていれば理想的なドライフードだと言うことができるでしょう。

 

一方、どの栄養もとりすぎるとよくないと言われています。それはタンパク質も例外ではありません。ただ、ドッグフードに含まれているタンパク質源はたいてい炭水化物源より高価である傾向があります。

そのため、タンパク質の値が健康に悪影響が出るほど高くなっていることはあまりないでしょう。

 

ただ、これは健康な犬の話で、病気を持っている犬の場合は話が違います。犬の体の中でタンパク質を分解する役割を担っている腎臓や肝臓、胃腸などに病気がある場合にはタンパク質の制限が必要な場合があります。

具体的には、腎機能低下症、肝不全などになっていて、獣医さんからタンパク質の制限を課せられている場合には、獣医さんのアドバイスに従って、タンパク質が少ないドッグフードを選ぶようにしましょう。

 

そして、タンパク質は含まれている量だけではなく、原材料も含めて確認するのが大切です。

肉や魚などが主なタンパク質源なので、これらの原材料で粗悪なものが用いられていないか、もしくは大豆など犬にあまり適していない植物性タンパク質が用いられていないかどうか、などを確認するとよいでしょう。

なぜなら、いくらタンパク質が多く含まれていても、低品質なものだと吸収効率が悪く、結果的にタンパク質不足になってしまうかもしれないからです。

ちなみに、原材料の見かたについてはこちらの記事に詳しく書いてあります。

AAFCO(※)
AAFCOとは日本語では「米国飼料検査官協会」と呼ばれる組織です。

ペットフードの栄養に対する最低限の基準、ラベルの表示のルール、添加物の使用量などを定めています。

ちなみに、AAFCOが定める基準を満たしていると、プレミアムフードを名乗ることができます。

粗タンパク質の目安値(ドライフードの場合)

最低基準 理想 これ以上はとりすぎ
成長期 20% 25%以上
成犬期 16% 25%以上

粗脂肪


脂肪は私達にとって肥満の原因というイメージがあり、できる限り摂取すべきではないと考えている人もいるかもしれませんが、その考えを犬にも当てはめてしまうと、犬の健康に悪い影響を与えてしまうかもしれません。

動物の体はよくできていて、脂肪が不足している状況だと自然と脂肪分が多いものを食べたくなってしまうので、人間の場合は脂肪不足の状態になってしまうことはあまりありません。

 

一方、人間に飼われている犬は人間から与えられたものを食べるしかなく、自分で食べ物を選ぶことができません。

そのため、たとえ脂肪が足りない状態になっていても、自分で脂肪分が多い食事を摂取することはできないのです。

そして、犬が脂肪の足りない状態になった場合、毛ヅヤが悪くなってしまい、これがひどくなると皮ふ炎などの症状が出てきてしまいます。これらの症状が出ている場合には、脂肪不足を疑ったほうがいいかもしれません。

 

ただ、脂肪はもちろんとりすぎもよくない栄養素です。愛犬が肥満気味の場合には、脂肪が少ないドッグフードを与えてあげるか、ドッグフードの量を減らしてあげるべきでしょう。

 

さて、具体的な成分量の目安ですが、脂肪についてもAAFCOが最低基準を設定しています。AAFCOの基準では、成長期は8.5%、成犬期は5.5%が最低基準です。

ただ、こちらもタンパク質と同じように水分が含まれていない場合なので、ドライフードの場合、成分表の表示では、成長期は7.5%、成犬期の場合には5%が最低基準ということになります。

そして、含まれている脂肪の量の目安は10~15%程度です。16%を超えるとやや多すぎでしょう。

ただ、これには個体差があります。適切な脂肪の量は愛犬の肥満度によって異なります。また、含まれている脂肪の質も大切です。良質な油が含まれているかどうかは原材料を確認するといいでしょう。

粗脂肪の目安値(ドライフードの場合)

最低基準 理想 これ以上はとりすぎ
成長期 7.5% 10~15% 16%
成犬期 5% 10~15% 16%

粗繊維


そもそも粗繊維とは、食物繊維の中でも、水に溶けない不溶性食物繊維の量のことを表しています。

ちなみに、食物繊維の中で水に溶けるもののことは水溶性食物繊維と言いますが、こちらの量は粗繊維に含まれていません。

 

そして、粗繊維についても基準のようなものはありますが、水溶性食物繊維の働きも大切であり、粗繊維の量だけでドッグフードの良し悪しを判断することは難しいでしょう。

また、食物繊維は消化管の状態によってもどのくらい含まれているとよいかが異なります。

ですので、成分の表をながめるよりは、実際に食べてみて、ウンチなどの状態の変化を観察して判断したほうが賢明でしょう。ただ、多すぎるのは考えもので、4%を超えるものはやや多すぎと言えるでしょう。

粗繊維の目安値(ドライフードの場合)

最低基準 理想 これ以上はとりすぎ
成長期 4%
成犬期 4%

粗灰分


灰分とはミネラルのことを表します。つまり、カルシウム、ナトリウムなどが灰分に含まれています。ミネラルは欠乏するとそれぞれ欠乏症が引き起こされますが、多すぎても過剰症を引き起こします。

ちなみに、食品を燃やして灰にすることで有機物や水分を除いて量を測定するので灰分と呼ばれています。

そして、特定のミネラルを多く与えてしまうと他のミネラルの吸収を阻害することがあるので、ミネラルはバランスが大切です。

その中でも特にカルシウムとリンの比率は大切で、成長期・繁殖期・妊娠期・援乳期などはカルシウムが1に対してリンが1、それ以外の場合はカルシウムが2に対してリンが1、というのが目安です。

 

また、ミネラルは吸収効率も大切で、やはりいくら多く含まれていても、吸収されなければ意味がありません。そのため、粗灰分の量は見てもあまり参考になりませんが、一応基準はあります。

粗灰分は10%を超えると多めであり、5%~10%程度が適量だと言われています。

 

ちなみに、灰分が含まれる割合が高くなると原材料の消化率は低くなると言われています。

また、含まれている量が少なすぎるとミネラルの欠乏症になってしまいます。良質なドッグフードは各種ミネラルの量まで表示していることが多いので、それを確認してみてもいいでしょう。

各種ミネラルにはAAFCOによる最低基準もあります。

粗灰分の目安値(ドライフードの場合)

最低基準 理想 これ以上はとりすぎ
成長期 5% 5~10% 10%
成犬期 5% 5~10% 10%

AAFCOによる各種ミネラルの摂取基準

ミネラル名 成長期最低値 成犬期最低値 最高値
カルシウム 1.2% 0.5% 2.5%
リン 1.0% 0.4% 1.6%
カリウム 0.6% 0.6%
ナトリウム 0.3% 0.08%
塩化物 0.45% 0.12%
マグネシウム 0.06% 0.06%
88mg/kg 40mg/kg
12.4mg/kg 7.3mg/kg
マンガン 7.2mg/kg 5mg/kg
亜鉛 100mg/kg 80mg/kg
ヨウ素 1.0mg/kg 1.0mg/kg 11mg/kg
セレン 0.35mg/kg 0.35mg/kg 2mg/kg

水分


水分は犬が生きていく上でとても重要な栄養素ですが、ドッグフードから摂取しなくてもよい栄養素です。水を飲んで補給すればいいからです。

そのため、水分に関してはとくに最低基準などはありません。

 

ちなみに、ドッグフードは種類によって含まれている水分の量が異なります。具体的には以下の表の通りです。

種類 水分量
ドライフード 10%以下
セミモイストタイプ・ソフトドライタイプ 25%~35%
ウェットタイプ 75%程度

ちなみに、ドライフードとはいわゆるカリカリのことで、ドッグフードと言えばドライフードのことを指していることが多いでしょう。

また、セミモイストタイプは原材料を混ぜ合わせてから成形し製造され、乾燥などは行いません。そして、缶詰ではなく、ドライフードと同じようなパッケージで包装されています。

そして、ソフトドライタイプはセミモイストタイプと似ていますが、原材料を混ぜ合わせた後に加熱発泡処理が行なわれる点が異なります。ソフトドライタイプは少しカリカリ感が残った柔らかいフードと言えるでしょう。

また、ウェットタイプは缶詰などに入ってることが多いタイプで、水分量が多く、素材の味が生かされているという特徴があります。

 

そして、ドッグフードは水分が多いほうが犬にとって食べやすいですが、水分が多いとカビが生えたり、雑菌が繁殖したりする危険性が高まります。

そのため、保存が難しくなり、保存料などの添加物が用いられていることも多くなります。このことから、日本ではドライフードの人気が高くなっています。

その他の成分表示

今まで解説した粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分のほかにも、メーカーによっては成分が公開されていることがあります。

具体的には、それぞれのビタミンの量が表示されていることが多いでしょう。ちなみに、ビタミンのAAFCOによる最低基準は以下の通りになっています。

ビタミン名 成長期最低値 成犬期最低値 最高値
ビタミンA 5000IU/kg 5000IU/kg 250000IU/kg
ビタミンD 500IU/kg 500IU/kg 3000IU/kg
ビタミンE 50IU/kg 50IU/lg 1000IU/kg
ビタミンB1 2.25mg/kg 2.25mg/kg
ビタミンB2 5.2mg/kg 5.2mg/kg
ナイアシン 13.6mg/kg 13.6mg/kg
パントテン酸 12mg/kg 12mg/kg
ビタミンB6 1.5mg/kg 1.5mg/kg
葉酸 0.216mg/kg 0.216mg/kg
ビタミンB12 0.028mg/kg 0.028mg/kg
コリン 1360mg/kg 1360mg/kg

 

また、場合によっては機能性成分の量が記載されている場合もあります。

たとえば、関節をケアするフードならグルコサミンやコンドロイチンの量が記載されていることが多いでしょうし、肌の状態に気を使っているフードならオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、EPA、DHAなどが記載されていることが多いでしょう。

また、タンパク質の構成成分であるアミノ酸の量が記載されている場合もあります。ちなみに、アミノ酸にはAAFCOがそれぞれ最低摂取量を設定しています。具体的には以下のとおりです。

アミノ酸名 成長期最低値 成犬期最低値 最高値
アルギニン 1.0% 0.51%
ヒスチジン 0.44% 0.19%
イソロイシン 0.71% 0.38%
ロイシン 1.29% 0.68%
リジン 0.90% 0.63%
メチオニン 0.35% 0.33%
メチオニン・シスチン 0.70% 0.65%
フェニルアラニン 0.83% 0.45%
フェニルアラニン・チロシン 1.30% 0.74%
トレオニン 1.04% 0.48%
トリプトファン 0.20% 0.16%
バリン 0.68% 0.49%

また、カロリーはほとんどのドッグフードに表示されています。

ドッグフードの達人
ドッグフードに表示する必要があるのは粗タンパク質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、水分の5つであり、この中でも粗タンパク質と粗脂肪はとても大切です。

そして、ドッグフードによってはそのほかにもさまざまな栄養の含有量が表示されている場合があります。

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