犬を飼っていると、愛犬に市販のフードではなく手作りご飯をあげたいと思う時もありますよね。
また、愛犬にアレルギーや疾患があるため、市販のフードが向かないことにお悩みの方もいるのではないでしょうか。
簡単に作れる手作りご飯もありますが、メリットとデメリットがあることを知っておきましょう。
そこで、この記事では、犬に手作りご飯を与える時のメリットとデメリットに加えて、手作りご飯におすすめの食材も詳しく解説します。
前提として、犬には市販のフードを与えることが基本です。市販のフードには、犬に必要な栄養素が含まれているからです。
あらかじめご了承ください。
結論:手作りご飯にはメリットとデメリットがある
結論から述べると、手作りご飯と市販のフードのうち、よりおすすめなのは市販フードです。
なぜなら、市販のフードには、犬に必要な栄養素が含まれているからです。
そのため、手作りご飯と市販フードのどちらを与えるか迷ったら、市販フードを選びましょう。
犬のための手作りご飯のメリットとデメリットには、以下のものがあります。
メリット | ①犬に合わせて作れる ②原材料が把握できる ③添加物を避けられる ④水分を取り入れやすい ⑤生の食材は酵素を補える ⑥食いつきが良くなる ⑦人間と同じものをあげられる |
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デメリット | ①栄養バランスが崩れやすい ②与える量の調整が難しい ③不適切な食材が混ざる恐れがある ④アレルギーを起こす可能性がある ⑤歯垢がつきやすい ⑥手間がかかる ⑦コストがかかる ⑧長期保存に向かない ⑨持ち運びに向かない ⑩市販のフードを食べなくなる可能性がある ⑪災害時に作ることができない ⑫問題が起きた場合自己責任になる |
手作りご飯のメリット
手作りご飯のメリットには以下のようなものがあります。
- 犬に合わせて作れる
- 原材料が把握できる
- 添加物を避けられる
- 水分を取り入れやすい
- 生の食材は酵素を補える
- 食いつきが良くなる
- 人間と同じものをあげられる
それぞれ詳しく解説します。
①犬に合わせて作れる
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、犬に合わせて作れることが挙げられます。
なぜなら、手作りご飯は、飼い主が愛犬のために自由にカスタマイズできるからです。
例えば、以下のように犬に合わせてご飯をカスタマイズできます。
- 好き嫌い
- アレルギー
- ダイエット
- 増量
- 口臭や体臭の改善
- 病気の療養
そして、犬の体調に合わせてすぐにご飯を切り替えることもできます。
②原材料が把握できる
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、原材料が把握できることが挙げられます。
手作りご飯にすれば、飼い主自らが原材料を選べるため、新鮮な食材や、旬の食材を使うことができます。
そのため、愛犬が食べているものの原材料がわかって安心感を得られます。
③添加物を避けられる
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、添加物を避けられることが挙げられます。
手作りご飯にすれば、犬にとって有害な添加物や汚染物質を避けることができます。
また、長期間保存する必要がないため、保存料などの添加物も避けられます。
④水分を取り入れやすい
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、水分を取り入れやすいことが挙げられます。
ドライフードは水分量が10%以下しかないため、フード以外からも水分を補給する必要があります。
しかし、水分を多く含む食材を使った手作りご飯を与えれば、食材からも十分に水分を摂取することができます。
水分をしっかりと摂取することで、消化がしやすくなり、皮膚疾患や涙やけを治すことができる可能性もあります。
⑤生の食材は酵素を補える
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、生の食材を使えば酵素を補えることが挙げられます。
生の素材には、加工されたフードには含まれていない酵素が含まれています。
食材を加熱などせずに生のまま与えることで、酵素を補給して腸内環境を整えることができる可能性もあります。
⑥食いつきが良くなる
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、食いつきが良くなることが挙げられます。
なぜなら、犬は嗅覚が優れているため、新鮮な食材は食べることが多いからです。
新鮮な食材を使って手作りご飯を与えることで、市販のフードよりも食いつきが良くなることもあります。
⑦人間と同じものをあげられる
犬に手作りご飯をあげることのメリットに、人間と同じものをあげられることが挙げられます。
人間が食べる食材に一手間かけるだけで、犬も食べることができます。
そのため、同じものを食べている喜びを感じることができ、犬への愛情表現だと考えることもできます。
手作りご飯のデメリット
手作りご飯のデメリットには以下のようなものがあります。
- 栄養バランスが崩れやすい
- 与える量の調整が難しい
- 不適切な食材が混ざる恐れがある
- アレルギーを起こす可能性がある
- 歯垢がつきやすい
- 手間がかかる
- コストがかかる
- 長期保存に向かない
- 持ち運びに向かない
- 市販のフードを食べなくなる可能性がある
- 災害時に作ることができない
- 問題が起きた場合自己責任になる
それぞれ詳しく解説します。
①栄養バランスが崩れやすい
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、栄養バランスが崩れやすいことが挙げられます。
犬に必要な栄養は人間と異なるため、知識をつけていないと、犬の体調が悪化する恐れがあります。
具体的には、以下のようなことが起こりやすいです。
- タンパク質が過剰になりやすい
- ビタミンとミネラが不足しやすい
- カルシウムとリンの比率が逆になりやすい
市販のフードであれば、犬に必要な栄養バランスを考慮して作られているため、上記の点を気にする必要はありません。
②与える量の調整が難しい
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、与える量の調整が難しいことが挙げられます。
市販のフードは、犬の年齢や体重に合わせて与える量が決まっています。
一方、手作りご飯のレシピは、年齢や体重に合わせて与える量が決まっていません。
そのため、カロリーオーバーしたり、反対に少な過ぎて利用が足りなくなったりすることがあります。
③不適切な食材が混ざる恐れがある
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、不適切な食材が混ざる恐れがあることが挙げられます。
犬に与えてはいけない食材を使用してしまったり、調理方法を誤ったりすると、犬の体調が悪化する恐れがあります。
また、生肉や生卵など、適切に調理しないと細菌が潜んでいる危険性もあります。
④アレルギーを起こす可能性がある
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、アレルギーを起こす可能性があることが挙げられます。
食材のアレルギーは、先天性以外に、特定の食材を長期間摂取し過ぎると起こすこともあります。
手作りご飯を作る時に、特定の食材ばかり使うと、アレルギーを起こす可能性が上がるため、注意が必要です。
⑤歯垢がつきやすい
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、歯垢(しせき)がつきやすいことが挙げられます。
手作りご飯は水分を多く含むため、歯にくっつきやすく、雑菌の塊である歯垢を作ってしまうからです。
歯垢がたまると、虫歯や歯周病になりやすくなります。
⑥手間がかかる
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、手間がかかることが挙げられます。
食材を揃えるところから始める必要があるため、市販のフードよりも工程が増えます。
また、作る時には細かく切る手間などもかかるため、与えるまでに時間がかかります。
⑦コストがかかる
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、コストがかかることが挙げられます。
なぜなら、栄養バランスを考慮した無添加や無農薬の食材は、値段が高い傾向があるからです。
また、気候などによって野菜が高騰することもあります。
⑧長期保存に向かない
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、長期保存に向かないことが挙げられます。
なぜなら、手作りご飯は出来立てが美味しいものが多く、保存を前提に作らないものが多いからです。
また、短期間の保存をする場合も、冷蔵庫や冷凍庫のスペースの確保が必要です。
⑨持ち運びに向かない
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、持ち運びに向かないことが挙げられます。
基本的に、手作りご飯は家で作り、そのまま与えることを前提にしています。
そのため、外出先ですぐに与えられる市販のドッグフードに比べると持ち運びに向かないため、不便さがあります。
⑩市販のフードを食べなくなる可能性がある
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、市販のフードを食べなくなる可能性が挙げられます。
手作りご飯は市販のフードよりも新鮮で食いつきが良いことが多いため、手作りご飯に慣れると、市販のフードは食べなくなることがあります。
手作りご飯しか食べられないと、ペットホテルや他の人の家に預ける時に困る可能性があります。
⑪災害時に作ることができない
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、災害時に作ることができないことが挙げられます。
手間がかかり、保存にも向かないため、災害などの非常事態にすぐに与えることができません。
⑫問題が起きた場合自己責任になる
犬に手作りご飯をあげることのデメリットに、問題が生じた時は自己責任になることが挙げられます。
一般的に、犬には市販のフードを与えることが多く、手作りフードはまだ世間的に浸透していない傾向があります。
また、獣医も市販のフードを勧めることが多く、犬に何かあっても、自己責任になります。
【症状別】手作りご飯におすすめの食材
手作りご飯におすすめの食材を、症状別に解説します。
腎臓に問題がある場合
腎臓は、尿を作る器官で、老廃物を排出する役割があります。
腎臓に問題がある場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- リンの制限
- タンパク質の制限
- 良質なタンパク質をとる
- 塩分の制限
- 水分を多くとる
そのため、腎臓をケアするためには下記のような食材がおすすめです。
●鶏肉・豚肉 ●白米 ●じゃがいも ●卵 ●カッテージチーズ ●無塩バター | スイカ |
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心臓病の場合
心臓病の場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- 塩分の制限
- 脂肪分の制限
- ミネラルを多くとる
そのため、心臓病の場合には下記のような食材がおすすめです。
●牛肉 ●ラム肉 ●レバー ●玄米 ●雑穀 ●さつまいも ●牛乳 | 脂分の多い肉 |
膵炎の場合
膵炎(すいえん)の場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- 糖質の制限
- 脂肪分の制限
- ミネラルを多くとる
そのため、膵炎の場合には下記のような食材がおすすめです。
●鶏ささみ ●鹿肉 ●馬肉 ●じゃがいも ●かぼちゃ ●白米 ●キャベツ ●ブロッコリー | 脂分の多い肉 |
膀胱炎や尿石症の場合
膀胱炎や尿石症の場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- マグネシウムやリンを制限
- 尿のpHを調整するようにする
- 水分を多くとる
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肝臓病の場合
肝臓病の場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- タンパク質の制限
- 良質なタンパク質をとる
- アミノ酸BCAAを多くとる
- カルニチンを多くとる
そのため、肝臓病の場合には下記のような食材がおすすめです。
●鶏ささみ ●牛肉 ●ラム肉 ●タラなどの白身魚 ●キャベツ ●パセリ ●ごま ●豆腐 ●納豆 | ●おやつ ●ジャーキー |
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胆泥症の場合
胆泥症(たんでいしょう)の場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- 良質なタンパク質をとる
- カロリーを制限
- 脂肪分の制限
- グルコサミン・コンドロイチンをとる
そのため、胆泥症の場合には下記のような食材がおすすめです。
●鶏むね肉 ●鶏ささみ ●人参 ●ほうれん草 ●大根 ●きのこ類 | 脂質の多い肉 |
蛋白漏出性腸症の場合
蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせいちょうしょう)の場合は以下のようなポイントに気をつける必要があります。
- 良質なタンパク質をとる
- 脂肪分の制限
そのため蛋白漏出性腸症の場合には下記のような食材がおすすめです。
●鶏ささみ ●鶏むね肉 ●タラなどの白身魚 ●白米 ●じゃがいも ●ほうれん草 ●ココナッツオイル ●カッテージチーズ | 脂分の多い肉 |
補足:特に病気などがない場合
症状がなく特に病気などがない場合は、栄養が豊富な食材がおすすめです。
以下のようなものがあります。
- にんじん
手に入りやすく消化吸収に良い - 小松菜
食物繊維が豊富 - えのき
免疫力を高める
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手作りご飯に使ってはいけない食材
犬に手作りご飯を与える時は、犬に与えると危険な食材を使用しないように注意しましょう。
犬に与えると危険な食べ物をまとめると、以下のようになります。
与えると危険な食べ物 | ●チョコレート・ココア ●ネギ・たまねぎ ●キシリトール ●アボカド ●ぶどう・レーズン ●ナッツ類 ●鶏の骨 |
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生で与えてはいけない食べ物 | ●卵白 ●生肉 ●魚介類 |
与え方に注意すべき食べ物 | 大量摂取に注意 ●レバー ●ほうれん草 ●煮干し ●海苔 ●青身魚 |
食べる部分に注意 ●トマト ●柑橘類 | |
時期に注意 さくらんぼ |
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手作りご飯を作る時の注意点
手作りご飯を作る時の注意点には以下のようなものがあります。
- 食材を細かく刻む
- なるべく調理して与える
それぞれ詳しく解説します。
食材を細かく刻む
手作りご飯を作る時は、食材を細かく刻みましょう。
犬は食べ物を噛まずに飲み込む習性があるため、食材が大きいと喉につまらせる危険があるからです。
みじん切りにしたり、フードプロセッサーですり潰したりしてから食材を使いましょう。
なるべく調理して与える
手作りご飯を作る時は、なるべく調理して与えましょう。
本来、犬は肉や野菜を生のまま食べられます。
しかし、生の食材は消化しにくく、生肉には細菌が潜んでいる危険性があるため、加熱してから使いましょう。
手作りご飯に変える前にできること
手作りご飯に変える前にできることには以下のようなものがあります。
- ウェットタイプのフードを与える
- トッピングを加える
- 乾燥フードミックスを与える
- 市販のフードと手作りご飯を併用する
それぞれ詳しく解説します。
ウェットタイプのフードを与える
手作りご飯に変える前にできることに、ウェットタイプのフードを与えることが挙げられます。
もし、ドライタイプのフードの食いつきが良くない場合は、ウェットタイプのフードを与えてみましょう。
ドライタイプの水分量10%以下に対して、ウェットタイプは水分を75%程度含み、生肉に近い食感が得られるため、犬の食いつきが良くなることがあります。
値段は高いですが、過剰な添加物を避けたウェットタイプのフードもありますので、検討してみましょう。
トッピングを加える
手作りご飯に変える前にできることに、トッピングを加えることが挙げられます。
トッピングとして使える食材には、以下のようなものがあります。
上記の食材を市販のフードに載せることで、犬の食いつきが良くなることがあります。
乾燥フードミックスを与える
手作りご飯に変える前にできることに、乾燥フードミックスを与えることが挙げられます。
乾燥フードミックスとは、乾燥された食材をお湯でふやかして与えるフードです。
お湯でふやかすだけのもの、肉や魚を混ぜて作るものなど様々な種類があります。
一から手作りする手間がかからず、飼い主さんの意向に合わせてカスタマイズできるため手軽です。
市販のフードと手作りご飯を併用する
手作りご飯に変える前にできることに、市販のフードと手作りご飯を併用することが挙げられます。
併用することで、市販のフードで必要な栄養を補いつつ、手作りご飯の食いつきを確認することができます。
週に1〜2回など、無理のない頻度で手作りご飯を与えてみましょう。
補足:市販のフードのメリットとデメリット
市販のフードのメリットには以下のようなものがあります。
●栄養バランスが考慮されている ●種類が豊富 ●手に入りやすい ●価格が安定している ●保存期間が長い ●持ち運びに便利 ●手間がかからない | ●種類が多いため選ぶのが大変 ●販売終了することがある ●店舗によっては管理状態が杜撰で品質が悪い ●添加物が入っていることが多い ●アレルギーがあると食べられないことがある |
メリットとデメリットを理解したうえで、市販のフードにするか、手作りご飯にするか選びましょう。
まとめ
以上、この記事では、犬に手作りご飯を与える時のメリットとデメリットに加えて、手作りご飯におすすめの食材について解説しました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
メリット | ①犬に合わせて作れる ②原材料が把握できる ③添加物を避けられる ④水分を取り入れやすい ⑤生の食材は酵素を補える ⑥食いつきが良くなる ⑦人間と同じものをあげられる |
---|---|
デメリット | ①栄養バランスが崩れやすい ②与える量の調整が難しい ③不適切な食材が混ざる恐れがある ④アレルギーを起こす可能性がある ⑤歯垢がつきやすい ⑥手間がかかる ⑦コストがかかる ⑧長期保存に向かない ⑨持ち運びに向かない ⑩市販のフードを食べなくなる可能性がある ⑪災害時に作ることができない ⑫問題が起きた場合自己責任になる |
市販のフードのメリット | ①栄養バランスが考慮されている ②種類が豊富 ③手に入りやすい ④価格が安定している ⑤保存期間が長い ⑥持ち運びに便利 ⑦手間がかからない |
市販のフードのデメリット | ①種類が多いため選ぶのが大変 ②販売終了することがある ③店舗によっては管理状態が杜撰で品質が悪い ④添加物が入っていることが多い ⑤アレルギーがあると食べられないことがある |
基本的に、犬には手作りご飯よりも市販フードを与えることがおすすめです。
手作りご飯を与える場合は、愛犬の体調を崩さないように注意しましょう。
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