犬にきゅうりを与えても大丈夫です。
適量であれば、生のまま犬に食べさせることができます。
ただし、犬にきゅうりを与える時には注意すべき点もあります。愛犬の健康を守るために、正しい知識を身につけたいですよね。
そこで、この記事では、きゅうりの適量や与え方、栄養素と効能、犬にきゅうりを与える時の注意点などを詳しく解説します。
前提として、犬にはドッグフードを与えることが基本です。ドッグフードには、犬に必要な栄養素が含まれているからです。
どんな食べ物でも、犬が体を痒がっていたり、下痢や嘔吐をしたりする場合は与えるのをやめて動物病院に行きましょう。
あらかじめご了承ください。
結論:きゅうりは適量ならOK
結論から述べると、犬にきゅうりを与えても大丈夫です。
水分補給になるほか、食物繊維が含まれているため便の調子を良くしたり、ホスホリパーゼには脂肪を分解したりする効果があります。
ただし、アレルギーには注意が必要ですし、ヘタの周辺には毒性物質が含まれることもあります。
きゅうりの与え方ときゅうりに含まれる栄養素や効能をまとめると以下のようになります。
きゅうりの与え方 | |
---|---|
①小さくカットする ②皮を剥く ③トゲを取り除く ④加熱する ⑤味付けしない | |
きゅうりの栄養素と効能 | |
●水分:水分補給 ●食物繊維:整腸作用 ●カリウム:水分や血圧の調整 ●ビタミンC:皮膚や毛並みを整える ●ビタミンK:血液凝固 ●βカロテン:皮膚や粘膜を丈夫にする ●ホスホリパーゼ:脂肪を分解する |
犬にきゅうりを与える時の注意点には以下のようなものがあります。
きゅうりを与える時の注意点 | |
---|---|
①アレルギーに注意 ②ウリ科アレルギーに注意 ③持病がある場合は注意 ④ククルビタシンに注意 ⑤吐くことがある ⑥イタズラに使わない |
きゅうりの与え方
きゅうりの与え方には以下のようなものがあります。
- 小さくカットする
- 皮を剥く
- トゲを取り除く
- 加熱する
- 味付けしない
それぞれ詳しく解説します。
前提:きゅうりの適量
犬にきゅうりを与える時は、あくまでも主食ではなくおやつの位置付けとして、1日の総摂取カロリーの20%を越えないように気をつけましょう。
なぜなら、きゅうりは水分やカリウムを多く含むため、与えすぎると下痢になったりトイレの回数が増えたりする可能性があるからです。
犬に与えるきゅうりの適量は、体重や運動量に応じて異なりますが、目安は以下の通りです。
4㎏以下(超小型犬) | 約25gまで(約1/5本) |
---|---|
10㎏以下(小型犬) | 約60gまで(約3/5本) |
25㎏以下(中型犬) | 約100gまで(約4/5本) |
25㎏以上(大型犬) | 約140gまで(約1本) |
きゅうりの可食部は、1本おおよそ135gです。
大型犬であっても、1本丸ごとあげるのは多すぎになります。
むしろ、あげすぎると下痢になるかもしれないのだ!
与え方①小さくカットする
犬にきゅうりを与える時は、小さくカットして与えましょう。
なぜなら、犬は食べ物を噛まずに飲み込む習性があるため、小さく切っておかないと喉に詰まらせる危険性があるからです。
薄く切ったり、フードプロセッサーなどですり潰したりするのもお勧めです。
人間が食べるのと同じサイズだと、特に小型犬にとっては消化にも悪くなってしまいます。
与え方②皮を剥く
犬にきゅうりを与える時は、なるべく皮を剥きましょう。
[出典:白ごはん.com]
きゅうりの皮には食物繊維が多く含まれているため、消化に悪いからです。
与え方③トゲを取り除く
犬にきゅうりを与える時は、トゲを取り除きましょう。
[出典:青山組]
きゅうりはトゲがピンとしているほど新鮮ですが、犬の喉に刺さらないようにあらかじめ取り除いておきましょう。
与え方④加熱する
犬にきゅうりを与える時は、加熱して与えるのもおすすめです。
加熱することで、柔らかくなって消化しやすくなるからです。
ただし、基本的には、きゅうりを生で与えても問題はありません。
与え方⑤味付けしない
犬にきゅうりを与える時は、味付けしないで与えましょう。
きゅうりに味噌やマヨネーズ、塩やドレッシングなどの調味料を付けると、犬にとって塩分や糖分が高くなります。
そのため、味付けをせずにそのままで与えましょう。
きゅうりの栄養素と効能
きゅうりに含まれる栄養素には以下のようなものがあります。
(栄養素のうち、特に効能に関わる栄養素は緑文字で表記しています。)
タンパク質 | 1.0g | カリウム | 200㎎ |
---|---|---|---|
脂質 | 0.1g | ビタミンC | 14㎎ |
炭水化物 | 3.0g | ビタミンK | 34μg |
食物繊維 | 1.1g | βカロテン | 330μg |
水分 | 95.4g | カルシウム | 26mg |
エネルギー | 13kcal | リン | 36mg |
※生のきゅうり100gあたり
[出典:食品成分データベース(文部科学省)]
きゅうりに含まれる栄養素には、以下のような効能があります。
水分 | 水分補給 | 消化器官に負担 |
---|---|---|
食物繊維 | 整腸作用 | ●他の栄養素の吸収を妨げる ●下痢 |
カリウム | 水分や血圧の調整 | 腎臓に負担 |
ビタミンC | 抗酸化作用 | 副作用は確認されていない |
ビタミンK | 血液凝固 | 副作用は確認されていない |
βカロテン | 皮膚や粘膜を丈夫にする | (過剰摂取になることはほぼないが) ●吐き気 ●肝臓に負担 など |
ホスホリパーゼ | 脂肪を分解する | 副作用は確認されていない |
それぞれ詳しく解説します。
水分:水分補給
きゅうりは、約95%が水分で構成されています。
そのため、犬の口の中や喉を潤すための水分補給に役立ちます。
ただし、水分補給のためにきゅうりばかり食べると、きゅうりに含まれる他の成分も急激に摂取してしまい、消化器官に負担がかかるため注意しましょう。
食物繊維:整腸作用
きゅうりには食物繊維が含まれています。
食物繊維には整腸作用があるため、便秘を予防することができます。
また、腸内環境を整えることで、免疫力を向上させる効果もあります。
カリウム:水分や血圧の調整
きゅうりにはカリウムも豊富に含まれています。
カリウムは体内で水分の調整を行うため、高血圧を予防する効果があります。
また、心臓や筋肉の働きを調節したり、血流をスムーズにしたりする効果もあります。
また、健康な犬でも、カリウムを摂りすぎると高カリウム血症になる危険性があります。
カリウムは水溶性のため、茹でて加熱すると水に溶け出します。どうしても心配な場合は、茹でてカリウムを無くしてから与えましょう。
ビタミンC:皮膚や毛並みを整える
きゅうりにはビタミンCも含まれています。
ビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれ、コラーゲンの生成を助け、皮膚や毛並みの状態を整えます。
また、ストレス解消や免疫力を向上させる効果もあります。
ビタミンCは水溶性のため、茹でて加熱すると水に溶け出します。そのため、茹で汁ごと摂取するか、なるべく茹でる時間を短くする、または茹でる以外の方法で加熱しましょう。
ただし、疾患がある犬やシニア犬は多くのビタミンCが必要なため、食べ物から摂取する必要があります。
ビタミンK:血液凝固
きゅうりにはビタミンKも含まれています。
ビタミンKは、出血した時に血が固まって止血するのを助けます。
また、骨の形成も助けるため、特に骨が脆くなりやすいシニア犬に効果的です。
ビタミンKは出血したときに血が固まって止血するのを助け、骨の形成も助けます。
βカロテン:皮膚や粘膜を丈夫にする
きゅうりにはβカロテンも含まれています。
βカロテンの一部は、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持をしたり、がんの予防、免疫力を向上させるなどの効果があります。
ホスホリパーゼ:脂肪を分解する
きゅうりにはホスホリパーゼも含まれています。
ホスホリパーゼは、脂肪を分解したり代謝を上げたりする効果があります。
そのため、ダイエットに効果的な成分だとされています。
脂肪を分解するホスホリパーゼが含まれるので、ダイエットには最適の食べ物なのだ。
きゅうりを与える時の注意点
犬にきゅうりを与える時の注意点には以下のようなものがあります。
- アレルギーに注意
- ウリ科アレルギーに注意
- 持病がある場合は注意
- ククルビタシンに注意
- 吐くことがある
- イタズラに使わない
それぞれ詳しく解説します。
注意点①アレルギーに注意
どの食べ物でも言えることですが、犬にきゅうりを与えるとアレルギー症状を起こす可能性があります。
犬がきゅうりを食べて以下のような症状になった時は、アレルギーの可能性があります。
- 元気がない
- 皮膚が荒れる
- 皮膚が腫れる
- 皮膚が赤くなる
- 体を痒がる
- 毛が抜ける
- 鼻炎
- 口の周りがかぶれる
- 目の充血
- 湿疹・じんましん
- 下痢・嘔吐
- 呼吸困難
体が痒くなると、以下の部位を擦ったり舐めたりすることが多いです。
- 顔まわり
目や口や耳の周りなど - 体の末端
足先、足裏、尻尾、背中など - 皮膚と皮膚が触れ合う部位
脇、内股、肘裏、膝裏、指や肉球の間など
特に、子犬やシニア犬は成犬よりもアレルギー反応を起こす可能性が高いため注意しましょう。
また、きゅうりと種が近い交差反応アレルゲン(※)にアレルギーを持つ犬には与えないようにしましょう。
以下の食べ物は、きゅうりと種が近い交差反応アレルゲンに該当します。
- りんご
- バナナ
- メロン
- トマト
- スギ
- ブタクサ
- シラカバ
- ヨモギ
- ニワトコ
- 西洋オオバコ
交差反応アレルゲンとは、ある種類の動物タンパク質に対してアレルギー反応を示す場合、種の近い動植物のタンパク質にもアレルギー反応を示すことです。
例えば、きゅうりにアレルギーがある場合、交差反応アレルゲンであるりんごを食べると、必ずアレルギー症状を起こすわけではありませんが、きゅうりの交差反応アレルゲンのレベルを上げてしまいます。
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注意点②ウリ科アレルギーに注意
きゅうりは、ウリ科アレルギーを持つ犬には与えないようにしましょう。
きゅうりはウリ科の植物です。そのため、ウリ科アレルギーを持っているとアレルギー症状を起こす可能性があります。
以下の食べ物は、ウリ科アレルギーの食べ物に該当します。
- メロン
- スイカ
- ズッキーニ など
上記の食べ物でアレルギー症状を起こしたことがある場合は、きゅうりでも発症する可能性があるため、避けたほうが無難です。
注意点③持病がある場合は注意
きゅうりは、犬に持病がある場合、獣医に相談してから与えましょう。
一般的に、カリウムが多く含まれている食べ物は、心臓病や腎臓病を患っていたり、利尿剤を飲んでいたりする場合には注意する必要があるからです。
また、きゅうりには尿路結石の原因となるシュウ酸カルシウムやマグネシウムが含まれています。
きゅうりを食べたからと言って、必ずしも腎臓病が悪化したり、尿路結石になったりするわけではありませんが、獣医に相談してから与えたほうが安心です。
注意点④ククルビタシンに注意
犬にきゅうりを与える時は、ククルビタシンという苦味物質に注意しましょう。
ククルビタシンは強い毒性を持つため、食べると食中毒を引き起こす危険性があります。
[出典: 生活知恵袋]
ククルビタシンは、通常、食用として市販されるきゅうりに含まれることはありませんが、ヘタの周辺に多く含まれるため、ヘタを取り除いておくほうが安心です。
注意点⑤吐くことがある
どの食べ物でも言えることですが、犬にきゅうりを与えると吐き出す可能性があります。
犬は、初めて食べる物を一度吐き出し、その後でまた食べることがあります。
きゅうりを吐き出してその後食べるのなら問題ありませんが、食べない場合、きゅうりは犬にとって必要な食べ物ではないため、無理に与えないほうが良いでしょう。
注意点⑥イタズラに使わない
犬にきゅうりを与える時は、驚かすためのイタズラに使ってはいけません。
Youtubeなどの動画配信サイトで、犬や猫にきゅうりを見せると驚く動画が流行ったことがありました。
しかし、犬や猫がきゅうりを見て驚くことがあるのは、きゅうりを蛇と見間違えるためだとされています。
犬は飼い主さんとの信頼関係を大切にするため、イタズラすると信頼してくれなくなる可能性があるため、やめたほうが良いでしょう。
注意すべき点さえ守れば、美味しく食べられるのだ!
きゅうりの加工品は大丈夫?
基本的に、きゅうりの加工品は人間用に作られているため、犬には向きません。
犬に与えても良いきゅうりの加工品と、与えると危険なきゅうりの加工品をまとめると以下のようになります。
OK | かっぱ巻き |
---|---|
NG | ●きゅうりの漬物 ●きゅうりの浅漬け ●きゅうりのぬか漬け ●ピクルス |
OK:調味料が未使用のもの
きゅうりの加工品でも、調味料が使われていなければ、犬に与えても大丈夫です。
例えば、かっぱ巻きでも、お米ときゅうりと焼き海苔だけで作られており、調味料が使われていなければ問題ありません。
ただし、与える時には焼き海苔が犬の口の中に張り付かないように、小さく切ってから与えましょう。
NG:きゅうりの漬物
きゅうりの漬物は塩分が高く、犬に与えると腎臓病や心臓病の危険性が高まるため、与えないほうが良いでしょう。
きゅうりの漬物は、浅漬けやぬか漬け、ピクルスなどの種類がありますが、どれも塩分が高く、香辛料が使われていることもあるため犬に与えるべきではありません。
また、漬物は成分が内部まで浸透しているため、水で洗い流しても与えてはいけません。
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きゅうり以外の食べられる野菜
きゅうりは野菜に分類されます。
犬に与えても良い野菜と、与えると危険な野菜をまとめると以下のようになります。
OK | ●さつまいも ●じゃがいも ●かぼちゃ ●キャベツ ●トマト ●ほうれん草 など |
---|---|
NG | ●ネギ ●タマネギ など |
水分を多く含む野菜は、夏バテや熱中症予防にもなるのだ。
まとめ
以上、この記事では、きゅうりの適量や与え方、栄養素と効能、犬にきゅうりを与える時の注意点などについて解説しました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
きゅうりの与え方 | |
---|---|
①小さくカットする ②皮を剥く ③トゲを取り除く ④加熱する ⑤味付けしない | |
きゅうりの栄養素と効能 | |
●水分:水分補給 ●食物繊維:整腸作用 ●カリウム:水分や血圧の調整 ●ビタミンC:皮膚や毛並みを整える ●ビタミンK:血液凝固 ●βカロテン:皮膚や粘膜を丈夫にする ●ホスホリパーゼ:脂肪を分解する | |
きゅうりを与える時の注意点 | |
①アレルギーに注意 ②ウリ科アレルギーに注意 ③持病がある場合は注意 ④ククルビタシンに注意 ⑤吐くことがある ⑥イタズラに使わない |
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